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熊切あさ美に垣間見える、元“崖っぷちアイドル”のしたたかさとタフさ

 遠い過去のようだが、昨年の芸能シーンを大いににぎわせていた熊切あさ美。結婚秒読みとされていた片岡愛之助との同棲からの破局をいまや自らトークのネタにしつつ、もともとの天然さと、ドロドロ劇も明るくさわやかに(!?)話せるキャラで、バラエティで活躍中だ。元“崖っぷちアイドル”のしたたかさとタフさを見せている。

◆爪あとを残せなかったアイドル時代

 テレビの報道だけをみていた一般人の筆者からすると、愛之助との別れ話がないまま、自分とは別れたことにされ、知らぬ間に新たな女性との同棲報道が出るという(しかも相手は大物美人女優!)、ドラマ顔負けの物語にただただ圧倒されるばかりだった。さらに、その後、自らワイドショーに出演し、涙を流しながら「まだ別れていない」とテレビでコメントをするとバッシングを受けるという、どう考えてもかわいそうな扱いを受けていた熊切。冷静に考えても、いや、冷静に考えなくても同情する人は多かったことだろう。とくに女性は、彼女の立場になって考えるだけで、そのひどい仕打ちに自分のことのようにヘコむ人も多かったはずだ。

 しかし、女は強い。

 ひとたび振り切ってしまえば、どんな逆境も逆手にとって前に進む力を持っている。もともとアイドルとしてデビューし、グラドル、バラドルとしてグラビアやバラエティへと活動の幅を広げていたほか、雀士としての肩書があることも有名。そんな精力的な活動とは裏腹にいまひとつ爪あとを残してこれなかった熊切は、“崖っぷちアイドル”と呼ばれていたこともある。

 しかし、昔からそこに悲壮感をあまり感じさせることはなく、パワフルではつらつとした印象さえ与えていた。とはいえ、今回の報道はさすがに彼女にネガティブな影を落とした。当初、心変わりした男性にすがりつく未練たらたらな姿は、“みっともない”“売名行為”というバッシングさえされてしまったのだ。

◆恋愛さえもステップにする強さとしたたかさ

 でも、彼女はそこで屈することはなかった。昨年末からは破局ネタを大きく振りかざし、数々のバラエティに出演しはじめたのだ。そこでは、同棲していた頃のエピソードをすがすがしいまでの潔さで包み隠さず明かし、「彼はB’zしか聴かなかった」「愛之助と飼っていた犬の名前を変えたから何の未練もない」など自虐ネタを放り込み、笑いに変えている。

 その頃の感情がふいによみがえって涙を流すことはあれど、そこに重さを感じさせることはなく、最後はしっかりと笑いに昇華させているのだ。その姿は、もと崖っぷちアイドルの女優から、愛之助の元カノという大きなハクをつけ、パワーアップして帰ってきたように見える。いまの熊切は、どこか“元梨園”の雰囲気をかもしだしているようで、愛之助との恋愛さえ、ステップアップのひとつとして消化しているようだ。女性の強さというよりも、天性のタレント性、もしくはプロというのだろうか。彼女の持ち前の明るさとすがすがしさ、そしてタフさで、バラエティタレントとしての地位を確立させようとしている。

 きっかけは何であれ、“おもしろい”と思わせれば勝ちの芸能界。今後バラエティに進んで出演することによって、彼女の天然かつしたたかなキャラがさらに活かされ、この破局騒動をステップにした彼女がより活躍の場を広げていくことは間違いなさそうだ。そして、今年36歳になる熊切が、今度こそ幸せな人と出会い、結ばれることを願ってやまない。
(文:吉田可奈)



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