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個性派、王道の次は熱血系……2016年台頭するバンド・ブルーエンカウントとは

 ロックバンド・BLUE ENCOUNT(ブルーエンカウント)のシングル「はじまり」(1月13日発売)が、オリコン1/25付ランキングで初週0.8万枚を売り上げ、5位に初登場。自身の記録を大きく上回る結果となったBLUE ENCOUNTは、22日放送の『ミュージックステーション』に初出演し、10月9日には、初の東京・日本武道館公演を行う。昨年、“個性派”であるゲスの極み乙女。、“王道”のback numberなどのバンドが激伸したが、2016年は“熱血系”のBLUE ENCOUNTが勢いづいている。果たして、彼らが飛躍した理由はどこにあるのだろうか?

◆『高校サッカー』テーマ曲が若者の心に響いてヒット

 サカナクションSEKAI NO OWARIONE OK ROCKに続き、昨年はback numberやゲスの極み乙女。、KANA-BOONらが活躍するなど、近年バンドブームが再燃している。昨年12月に発売されたback numberの5thアルバム『シャンデリア』は、自己最高の初動17.3万枚を売り上げ、初の首位獲得。ゲスの極み乙女。は、『第66回 NHK紅白歌合戦』に初出場し、アルバム『両成敗』(13日発売)が初週7.2万枚を売り上げ、1/25付週間アルバムランキングで首位獲得。そんなバンドブーム再燃の中で、2016年の台風の目となりそうなのが、汗と涙のライブで話題のBLUE ENCOUNT、昨年武道館公演を成功させたKEYTALK、個性的なキャラクターでも人気のWANIMA。なかでも、今年早々にその勢いを加速させているのがBLUE ENCOUNTだ。

 BLUE ENCOUNTは、2004年に田邊駿一(Vo&G)、江口雄也(G)、高村佳秀(Dr)によって地元の熊本で結成され、2009年に辻村勇太(B)が加入し現体制に。約5年のインディーズ活動を経て、2014年9月に『TIMELESS ROOKIE』でメジャーデビューを果たした。昨年は、2枚のシングルと1枚のアルバムを発売。1stシングル「もっと光を」は23位、2ndシングル「DAY×DAY」は14位、1stアルバム『≒(ニアリーイコール)』は10位を獲得した。シングルで言えば前作の14位を大きく上回る結果となった「はじまり」は、『第94回全国高校サッカー選手権大会』の応援歌に起用され、高校生たちの青春にひと花添えた。歌詞に込めたメンバーの熱い想いが、若者の心に響いてヒットへの後押しになったのだろう。

◆アツいMCに共感する若者が続出! メンバーとファンともに号泣のライブ

 BLUE ENCOUNTは、エネルギッシュに動き回るライブパフォーマンス、アッパーのロックサウンド、エモーショナルな歌が魅力。最大の特徴は、ライブでの田邊のアツいMCで、支えてくれるファンやスタッフへの感謝の言葉を口にしながら、涙することもしばしば。ファンもその言葉に触れて、一緒になって号泣するほどだ。彼らのファンは、中高生が中心で、まだ自分自身という存在が不確かな年頃の若者が多い。学校や家庭における不満や、漠然とした未来への不安が日に日に募っている世代にとってライブは、自分をさらけ出して鬱憤を晴らせる場所であり、自分が自分らしくいられる唯一の居場所なのだろう。そんなファンに投げかける「あなたの居場所になるから」という田邊の言葉は、若者の心にやさしく触れ、背中を押し安心感を与えてくれるのかもしれない。それを象徴するかのように、昨年6月にZepp Diver Cityで行われたライブ終了後、田邊のアツいMCに共感したファンたちから、「ブルエン最高すぎ!ライブで初めて泣いた」「意味わからんぐらい泣いたよ」などとTwitterに感動の声が寄せられ、「ブルエン」という言葉が、Twitterのホットワードランキングで1位になった。

 デビューするまでの10年は決して順風満帆ではなかった彼らだが、ファンと共に歩んだ10年があったからこそ、感動や涙が生まれた。屈すること無く歩んできた道のりと、高校生の頃からの夢だったというメジャーデビューへ駈けた想い。そうした彼らの熱さは、『第94回全国高校サッカー選手権大会』のテーマにピッタリとハマり、今回の飛躍へと繋がった。現在放送中のアニメ『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』(TBS系)のオープニングテーマ「Survivor」(3月9日発売)に起用され、10月9日には武道館公演も決定し、勢いに乗っている。先行き不安な今の時代だからこそ、直球のアツいメッセージや歌が若い世代に求められているのだろう。しのぎを削るバンドシーンの中で頭角を現しつつあるBLUE ENCOUNTに、今後も注視していきたい。

(文:榑林史章)



関連写真

  • BLUE ENCOUNT(左から)江口雄也、高村佳秀、田邊駿一、辻村勇太
  • シングル「はじまり」【初回盤】
  • シングル「はじまり」【通常盤】
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