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小栗旬、俳優が置かれる現状に苦言「責任を負って企画・制作から関わりたい」

 フジテレビ月9枠でトレンディドラマの壁を打ち破り、時代劇の可能性を切り開いた『信長協奏曲』のステージがいよいよ映画へ。数々の漫画原作の実写化作品をヒットに導いてきた小栗だが、今回は企画のスタートから2年。新感覚の“戦国エンタテインメント”をドラマから映画へと作り上げていくなかでは、さまざまな困難にも直面し、役者魂が揺り動かされたこともあったようだ。そんな同作が完成したいまの小栗の想いとは? 歯に衣着せぬ語り口が小気味いい小栗が、いまのエンタメシーンで俳優が置かれる現状への疑問、その打開への熱き野望を語ってくれた。

◆理想論に違和感みたいなものがあった

――『フジテレビ開局55周年プロジェクト』のラストを飾る本作。ドラマから映画へと続くビッグプロジェクトに対して、どのようなテーマを掲げて挑まれていたのですか?
【小栗】 とくにこれという伝えたいことはなかったんですけど、最初は(苦笑)。もともとの原作は、みんなが知っている歴史劇のなかに(主人公の)サブローというキャラクターが現代からタイムスリップして織田信長になり、歴史を変えてはいけないと奮闘していく。そこに明智光秀が出てきて、ふたりで一人の信長みたいなことになっていくところが原作のおもしろい部分だったと思うんですけど、ドラマ版は途中から原作とは違うオリジナルのストーリーになっていって。

――原作とは変わっていったんですね。
【小栗】 (ドラマが始まった)最初の頃、僕はサブローの言っている理想論みたいなものに自分のなかで違和感みたいなものがあったんです。いくらなんでも甘過ぎないか? と感じてしまって。そこを全面に打ち出していくのも(時代劇になじみの薄い、若い人たちが観る)月9ドラマだからそうなるのかなとも思いながら、演じていたんです。でもドラマから映画に進むまでの間に、いまの時代も時代でいろいろなことがあり、若者たちを含めた日本国民が国会前で戦争反対を叫ぶような状況を経ていくなか、サブローのなかでも曲げたくない純粋な気持ちみたいなものがあって……。でも、それが最後の最後に昇華したのかな。作品が完成したいまはそう感じています。

――その完成作はどうご覧になりましたか?
【小栗】 キャスト、スタッフ、みんなよくがんばったと思いました。一大プロジェクトということで、ドラマのときからなかなか大変なこともけっこうあったんですけど(苦笑)。そんななかでも、みんなで必死に試行錯誤してそれを乗り越えてできあがったものは、『戦国エンタテインメント』としてお客さんに楽しんでもらえるものになったと思います。完成作を観てホッとしましたね。

◆世間的にはドラマ視聴率が悪いのは俳優のせいになるけど…

――お話をうかがっていると、スタッフやキャストのみなさんと、積極的に話し合う機会を作りながら、作品に取り組んでいた印象を受けます。役をまっとうするだけでなく、よりよい撮影環境を整えることへの意識は高いですか?
【小栗】 僕の知っている世界では、意外と俳優に責任がないんですよね。世間的にはドラマの視聴率が悪いとすぐ俳優のせいにされてしまうところもありますけど(苦笑)、それで責任がどうのという話ではないし。ただ、俳優自身が意外と状況をわかっていないなかで、芝居だけをしているみたいな現状が多くて、それがもったいないと思うんです。企画や制作に関わるからこそ、自分も責任を追うし、その代わり、口も出させてもらうということの方が、おもしろい作品が作れるんじゃないかって。いま予算がどんどん削減されるなかで、もう少し、作り手たちと俳優がディスカッションしながら、あの手この手を使って作り上げていった方がクリエイティブなんじゃないかなって、単純に僕は思っているだけなんです。自分にも力になれることがあればやっていきたいといつも考えています。

――本作を皮切りに、映画『テラフォーマーズ』や『ミュージアム』の公開なども控える2016年は、どんなことに挑戦したいとお考えですか?
【小栗】 とくに挑戦したいこともないんですけどね。平穏無事に生きていきたいってくらいです(笑)。ただ、年齢が上がっていくにつれ、いろいろな作品を経験していくにあたって、いろいろな方たちといろいろな話ができる環境ができてきたので、もっともっと積極的に作品に関わっていきたいと思っています。自分の周りにも、制作に興味を持ち始めた俳優もいるので、何かしら俳優たちで立ち上げていけるような準備はしていきたいです。

――そこで表現したいこととは?
【小栗】 表現することは、何でもいいんですよね。できればなにか、新しい発信の形みたいなものが提示できればいいなあと思っています。テレビもどんどん観る人が少なくなってきて、インターネットで映像を観るのが当たり前になっていくなかで、どうやったら大きな予算をかけて、本当におもしろいものを作れるのか? ということを模索していきたいです。
(文:石村加奈)



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