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古舘伊知郎は再びバラエティ界を席巻できるのか?

 昨年末、テレビ朝日は2016年3月末をもって古館伊知郎キャスターが『報道ステーション』を降板することを発表し、後任に同局の富川悠太アナウンサーが決定した。放送開始から丸12年経ちながら、平均視聴率10%台後半をキープする人気番組だけに、降板報道は大きな反響を呼んだ。昨年3月にはコメンテーター・古賀茂明氏との生放送中のバトルが話題になり、「偏向報道している」として官邸からお呼びがかかるなど、何かと物議をかもした同番組。古舘本人は会見で、「不自由な12年間だった」と振り返る一方で、「4月からやりたいことは、とにかくしゃべり倒すこと」と、かつての“しゃべり屋・古舘”の復活に向けた意欲を隠さない。報道一本に絞ってきたために“ブランク”を危惧する声もあるなか、果たして古舘はバラエティ界を再び席巻することができるのだろうか。

◆バラエティこそが古舘の本来の住処、島田紳助の引退でMCポジションが空席

 今回の古舘の『報道ステーション』降板に関して、芸能界周辺では歓迎されているようである。『サンデージャポン』(TBS系)では、爆笑問題太田光が「古舘さんは笑いに飢えていたと思う」「(2014年に復活した古舘のトークライブ)トーキングブルースで、トークってこんなに面白かったんだと気づき、そっちに戻りたいって意識が強くなったんじゃないか」などの自説を展開したほか、古舘のルーツとも言えるプロレス実況における“同志”アントニオ猪木は、「番組の中に縛られている部分、自分らしさを出せなかった部分もあると思う。われわれ古舘ファンからすれば、古舘節がもっともっと表に出てもらいたいと思うこともあった」とコメント。さらにヒロミも、「プロレスとF1を見やすくしたのは古舘さんのおかげ」と評するなど、“バラエティこそが古舘の本来の住処”といった認識は、芸能界の一部では共通しているようだ。

 また、古舘シンパとしては、2011年に引退した島田紳助もよく知られており、紳助自身、古舘を尊敬していることを公言。本格的に司会業を始めるにあたっては、見本にしたのは古舘のスタイルだと語っている。そして古舘が報道に移った後に、そのポジションを紳助が受け継ぎ『クイズ!ヘキサゴン』などのヒット番組を送り出したが、その後紳助が引退。そして今回、古館が再びバラエティに戻ってくるかもしれないという、興味深い展開にもなっている。

 しかし、いかんせんバラエティから離れて12年。本人も「報道ではラーメン店、バラエティではラーメン屋」と言うように、“報道”にどっぷりとつかってきたことによる影響はないのだろうか? かつて古館は、1998年のアントニオ猪木引退試合、2002年の『Dynamite!』などで、格闘技の実況に復帰はしているものの、視聴者からは“往年のキレはない”という評価だった。何しろ1980年代の新日本プロレスブームを支えた古舘の実況は、プロレス実況というよりは古舘独壇場の“しゃべくり”披露の場で、「ひとり民族大移動」(アンドレ・ザ・ジャイアント)、「掟破りの逆サソリ」、「仮面の告白」(S・S・マシン)等々のフレーズは古館ならではのもので、「試合を正確に実況する」というスポーツ実況のセオリーからは外れていたかもしれないが、多くのファンを狂喜乱舞させたことは間違いない。実際、古舘の実況は、“過激なプロレス”を標榜する新日本プロレスだからこそ許されたとも言え、新日の人気上昇とともに相乗効果で古舘の評価も上がっていった。

◆苦境に立たされているフジテレビ、古舘のバラエティ復帰が“起爆剤”に!?

 そんな古舘が、バラエティに戻ってくるとすればどの局だろうか。一部では、フジテレビがもっとも有力だと言われている。「各局から引く手あまただと思いますが、是が非でも欲しいのがフジテレビです。そもそも、古舘さんがフリー転向後に担当したF1中継も『夜のヒットスタジオ』もフジであり、いずれも全盛期を支えた番組です。苦境に立たされている現在のフジとしてみれば、古舘さんの話題性、ネームバリューは相当な魅力でしょう」(テレビ誌ライター)。古舘自身も、自身の出世作を生み出したフジテレビに対して少なからず恩義を感じているはずなので、同局の窮地に助け舟をだす可能性は十分にある。「場合によっては、いまだ苦戦が続く『笑っていいとも!』の放送枠を古舘さんにまかせることだって考えられますよ」(先述のテレビ誌ライター)。

 では実際に、今のバラエティ界で古舘はどのような立居振る舞いをするのだろうか? ここ最近では『報道ステーション』がらみで何かとバッシングを受けることも多かった古舘だが、2012年に『週刊文春』(文藝春秋)が発表した「嫌いなキャスターランキング」でも、2位のみのもんたに大差をつけて堂々の1位。とは言え、嫌われる=低視聴率ということでもないのがテレビ業界。古舘自身も、「今日もずっとインターネット(の反応)を見ていたら、『古舘降板だってさ。やったぜ!』っていうのがありまして、一番印象に残りました(笑)。そういう人には『よかったですね』と言いたいですし、『育ててくれてありがとう』とも言いたい」とコメント。むしろこの12年間で、バッシングを楽しむ余裕さえ培ってきたかのようだ。

 そうした古館が持ち合わせている反骨的なマインドと、本来の才能でもある、豊富なボキャブラリーから万華鏡のように繰り出されるトークが健在であれば、バラエティでも何でも古館ワールドを構築する実力は十分にあるはず。ただ、これまでわれわれがそれに触れることができなかっただけだし、また本人も『報道ステーション』で手一杯だったのだと思われる。今後の古舘には、今までのうっぷんを晴らすような“掟破り”のMCを期待してやまない。

(文:五目舎)



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