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2016年、正念場を迎えた女性アイドルグループ ブーム継続のカギを探る

 2010年代の女性アイドルグループブームをけん引するAKB48が、2015年で10周年を迎えた。1期生で総監督の高橋みなみをはじめ、ブレイク期を支えた宮澤佐江、高城亜樹らも卒業を発表。姉妹グループでは、SKE48の2枚看板だった松井玲奈やNMB48でTOP3だった山田菜々も卒業した。また、現在のブーム黎明期をAKB48と共に担ったアイドリング!!!も10月に“全員卒業”。さらにモーニング娘。’15では期待のエースの鞘師里保が17歳にして年内いっぱいで卒業した。毎年“今年が勝負”と言われる中で、辛うじて勢いを保ってきた女性アイドルシーンだが、『NHK紅白歌合戦』出場グループも減少するなど、いよいよ正念場を迎えている。2016年のアイドルシーンはどうなっていくのだろうか?

■AKB48・ももクロに匹敵する人気グループが出てきていない現状

 AKB48が本格的にブレイク軌道にのったのは、キングレコード移籍後初の作品で、SKE48・松井珠理奈を前田敦子とのWセンターに起用した2008年の「大声ダイヤモンド」の頃と言われている。その後、2009年10月発売の「RIVER」で初のシングル1位を獲得し、高橋がセンターの最新シングル「唇にBe My Baby」までシングル29作連続首位を達成しているが、すでにブームが起きて5年以上が経過。「唇にBe My Baby」では総売上げが歴代1位となったが、初週90.5万枚で連続初週ミリオンの記録は21作で途絶えた。3月発売のシングルには前田敦子、大島優子ら卒業生が参加。“10周年記念”での企画だが、卒業生頼りとも見えてしまう。否が応でも“世代交代”が避けられない状況となってきた。

 同グループでは、4年前の前田卒業の前後から、松井珠理奈(SKE48)、島崎遥香、小嶋真子、宮脇咲良(HKT48)らを相次ぎ次世代エース候補としてプッシュするなど、後継育成は図られてきた。ただ、それぞれ人気アップはしたものの、かつての“神7”と呼ばれるメンバーの域には至っておらず、その狭間で本来はジョーカー的存在の指原莉乃(HKT48)がトップとなっているのが現状だ。次世代といっても、松井珠理奈も18歳。次のエース本命・向井地美音も間もなく18歳を迎えるが、前田が同年齢の頃はすでに絶対的エースだったことを考えれば、世代交代が順調とはいえないだろう。

 先頭を行くAKB48やももいろクローバーZの動向が落ち着いた今、新鋭が現れなければ、柱を失ったシーンの衰退は免れないが、次々とグループがデビューし、飽和状態に陥っているなかでブレイクしきれない中堅層だけが膨れ上がっているのが実情だ。ハロプロからアンジュルムやJuice=Juice、ももクロのスターダストプロモーションから私立恵比寿中学やチームしゃちほこ、エイベックスが立ち上げたiDOL StreetからSUPER☆GiRLSやCheeky Paradeなど、ここ数年で多くのグループがデビューした。しかし、すでに若いアイドルファンの下地ができていたため、デビューすればすぐにオリコンTOP10内に入る程度にはブレイクするものの、そこから突き抜ける存在はなかなか現れていない。

■シーンの危機感が垣間見れた『FNS歌謡祭』

 こうしたシーンに対する業界の危機感が少なからず垣間見えたのが、昨年12月に放送された『FNS歌謡祭』(フジテレビ系)のアイドルコラボだ。もちろん、局側の意図はあったにせよ、これまでテレビではあまり同じステージに立つことがなかったAKB48グループ、46グループ、ももクロらスタダ勢、ハロプロ勢が一堂に会し、それぞれの楽曲を歌い合うステージには、今後のアイドルシーンを一緒に盛り上げていこうという気概も感じられた。そして迎えた2016年、ネクストブレイク候補が続々と頭角を現し始めている。

 まずはAKB48グループから新潟が拠点のNGT48乃木坂46に続く“坂道シリーズ”第2弾・欅坂46がデビューを控える。また、ハロプロ研修生の人気どころを集め、昨年末の『第57回 日本レコード大賞』で最優秀新人賞を受賞したこぶしファクトリーに加えて、つばきファクトリーが誕生。3年目のJuice=Juiceは直木賞作家・朝井リョウ氏の小説が原作のドラマ『武道館』(フジテレビ系/2月6日〜)に劇中のアイドルグループNEXT YOU役で主演し、メディアミックスで知名度アップを図る。さらにスターダストの若手部署「3B junior」から選抜されたロッカジャポニカが1月にデビューするほか、iDOL Streetの研修生からも少数精鋭で結成した5人組・わーすたが始動した。わーすたは“SNS発信”を軸に、ライブでスマホ撮影OKとして拡散ツイートを促す大胆な方策も実施している。

■原宿駅前パーティーズ、2016年の台風の目となるか?

 いずれのグループもすでにアイドルファンから高い注目を集めているが、問題は狭いパイの中で終わらず、AKB48やももいろクローバーZのように一般層まで波及するか、ということだろう。その点で最も有望なのは、欅坂46だ。まず、姉妹グループの乃木坂46が『紅白』に初出場するなど、勢いに乗っていること。各雑誌ではAKB48に代わり、メンバーたちが頻繁に表紙を飾っている。欅坂46も流れを汲み、清楚系でヴィジュアル力の高い美少女揃い。日曜夜に冠番組『欅って、書けない?』(テレビ東京系)を持ち、早くも個々のメンバーが認知され始めたところだ。乃木坂46の勢いにも引っ張られCDデビュー前としては破格の人気で、Zepp DiverCityで行われた初イベントも満員。即座に大ブレイクの可能性もある。

 そしてもう1組、要注目なのがMAX、SPEED、西内まりやらが所属するライジングプロダクションの10代の少女たちによる原宿駅前パーティーズだ。ふわふわ、原宿乙女、原駅ステージA、ピンクダイヤモンドの4グループからなる総勢38人(+研修生3人)。竹下通りの「原宿駅前ステージ」で金・土・日と公演を行い、ダンスや歌にファッションショーを繰り広げている。4組はアイドル・チーム、モデル・チーム、ダンスパフォーマンス・チーム、アクロバット・チームと色分けされている。ランウェイ併設で客席と至近距離の原宿駅前ステージはでの公演はAKB48劇場を思わせる熱気で、100席のチケットは取りにくい。メンバーにジュニアファッション誌モデルがいたりと同性受けも良く、実際に公演には同世代の女性客の姿が見られるなど、一般層への訴求力は高い。秋葉原系のアイドルとは違う色合いで人気が広がりそうだ。

 ピークアウトして転換期にあるアイドルシーンだが、逆にここで踏ん張り新たな絶対的スターが生まれれば、地ならしがされた土壌にさらに大きな実りがつくはず。既成概念を越えたフレッシュなアイドルによる再活性化を期待したい。

(文/斉藤貴志)



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