ジャーナリストの池上彰氏が、今年の各種ニュースを振り返るテレビ朝日系の特番『2015年 池上彰が選んだ重大ニュース総ざらい 年末特大SP』(29日 後6:30〜11:30)の放送に先立って取材に応じ、今年起こったさまざまな出来事の中から、『喜怒哀楽』をテーマに4つのニュースを選定。独自の視点から今年のニュースを振り返った。
■池上氏の『喜』
「羽生結弦選手の世界歴代最高得点でしょう。あれは見事! 朝から速報で、これまでの記録がさらに更新されたと伝えられたでしょ。そうなると、やっぱり観たくなりますよね。普通、スポーツは生のドキドキ感を楽しむもの。今回は事前に羽生君が優勝するとわかっていて、そのドキドキ感はないのに、それでも面白かった。あの興奮は、歴史を題材にしたミステリーに似ていると思いました。たとえば、シャルル・ドゴールの暗殺計画を描いたスリラー小説があるんですが、ドゴールは殺されていないわけだから計画は必ず失敗するとわかっている。それでも、読んでいてハラハラドキドキするんですね。羽生君のスケートにはそんなドラマがありましたね」
■池上氏の『怒』
「『イスラム国』によって後藤健二さんが殺されたこと。身代金を払わなければ殺害するという予告が出ていたにもかかわらず、何もすることができなかった。しばらく無力感にさいなまれ、立ち上がれませんでした。『イスラム国』はその後も残虐なことをやり続けている。何とかしなければいけないと思います」
■池上氏の『哀』
「少年少女が被害者になる事件が相次いだこと。特に大阪・寝屋川で中学生の男女が夜中までずっと街を歩いていて、結局殺されてしまったのは哀しい事件でした。子どもが被害に遭う事件そのものは、数が減っているんですね。しかしながら、根絶できないのは、社会が無関心になっていたり、声を掛けたら逆に怪しく思われたりしてしまう状況があるから。どうすれば社会全体で子どもたちの犠牲を減らすことができるのか、改めて考えなければいけないきっかけを与えてくれた事件でした」
■池上氏の『楽』
「個人的には、黒田(博樹投手)が(広島東洋カープに)戻ってきてくれたこと(笑)。男気を見せてくれました!」
今年の池上氏は、例年に増してテレビ出演、講演、講義、取材、執筆活動など、多岐にわたって活躍。忙しさのあまり、「自分を見失うんじゃないかとの思いに駆られた」といい、「目の前の仕事をやる。ひたすらそればかり考えていたら、一年が終わっていたという感じです」とやや自省気味に振り返った。
なお、5時間にわたる番組では、世界を揺るがす事件や事故、注目の的となった人物の言動、世間を騒がせた不祥事や疑惑が、この先、歴史的にどのような意味を持つことになるのか、過去の出来事と比べながら広い視野に立って“解説”を加える。イスラム国については北アイルランド紛争やアメリカ同時多発テロとの比較、少年少女の事件については、少年少女が加害者になる事件、被害者になる事件に分け、それらの犯罪と密接な関係にある教育に言及しながら、大局観的にニュースを総括する。
■池上氏の『喜』
「羽生結弦選手の世界歴代最高得点でしょう。あれは見事! 朝から速報で、これまでの記録がさらに更新されたと伝えられたでしょ。そうなると、やっぱり観たくなりますよね。普通、スポーツは生のドキドキ感を楽しむもの。今回は事前に羽生君が優勝するとわかっていて、そのドキドキ感はないのに、それでも面白かった。あの興奮は、歴史を題材にしたミステリーに似ていると思いました。たとえば、シャルル・ドゴールの暗殺計画を描いたスリラー小説があるんですが、ドゴールは殺されていないわけだから計画は必ず失敗するとわかっている。それでも、読んでいてハラハラドキドキするんですね。羽生君のスケートにはそんなドラマがありましたね」
■池上氏の『怒』
「『イスラム国』によって後藤健二さんが殺されたこと。身代金を払わなければ殺害するという予告が出ていたにもかかわらず、何もすることができなかった。しばらく無力感にさいなまれ、立ち上がれませんでした。『イスラム国』はその後も残虐なことをやり続けている。何とかしなければいけないと思います」
■池上氏の『哀』
「少年少女が被害者になる事件が相次いだこと。特に大阪・寝屋川で中学生の男女が夜中までずっと街を歩いていて、結局殺されてしまったのは哀しい事件でした。子どもが被害に遭う事件そのものは、数が減っているんですね。しかしながら、根絶できないのは、社会が無関心になっていたり、声を掛けたら逆に怪しく思われたりしてしまう状況があるから。どうすれば社会全体で子どもたちの犠牲を減らすことができるのか、改めて考えなければいけないきっかけを与えてくれた事件でした」
■池上氏の『楽』
「個人的には、黒田(博樹投手)が(広島東洋カープに)戻ってきてくれたこと(笑)。男気を見せてくれました!」
今年の池上氏は、例年に増してテレビ出演、講演、講義、取材、執筆活動など、多岐にわたって活躍。忙しさのあまり、「自分を見失うんじゃないかとの思いに駆られた」といい、「目の前の仕事をやる。ひたすらそればかり考えていたら、一年が終わっていたという感じです」とやや自省気味に振り返った。
なお、5時間にわたる番組では、世界を揺るがす事件や事故、注目の的となった人物の言動、世間を騒がせた不祥事や疑惑が、この先、歴史的にどのような意味を持つことになるのか、過去の出来事と比べながら広い視野に立って“解説”を加える。イスラム国については北アイルランド紛争やアメリカ同時多発テロとの比較、少年少女の事件については、少年少女が加害者になる事件、被害者になる事件に分け、それらの犯罪と密接な関係にある教育に言及しながら、大局観的にニュースを総括する。
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2015/12/29