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コントで鍛えた確かな演技力 “芸人俳優”キンコメ・今野浩喜の強烈すぎるインパクト

 12月6日放送の第8話で平均視聴率20.4%を記録し、2015年の民放連続ドラマ第1位に躍り出た『下町ロケット』(TBS系)。同作は、立川談春恵俊彰ら“芸人俳優”たちの好演が話題を呼んでいるが、その先輩芸人たちに負けず劣らず存在感を発揮しているのが、経理部係長・迫田滋を演じる今野浩喜。お笑いコンビ・キングオブコメディのボケ役でもある今野は、実は売れっ子の役者で、見た目のインパクトだけでなく、その演技力にも定評があり、数多くの有名演出家からオファーを受けている。

『下町ロケット』で好演しているキングオブコメディの今野浩喜 (C)ORICON NewS inc.

『下町ロケット』で好演しているキングオブコメディの今野浩喜 (C)ORICON NewS inc.

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◆警察官から変質者まで、自然な演技で驚くほど違和感がない

 キングオブコメディは2000年に結成された今野と7歳年上の相方・高橋健一とのお笑いコンビで、主にコントを中心に活動している。2002年から2年連続で『M‐1グランプリ』の準決勝進出を果たし、『キングオブコント2010』(TBS系)では優勝を獲得するなど、その実力は高く評価されている。今野と高橋の超ベタなボケとツッコミがテンポよく展開されるというオーソドックスな芸風だが、よく練られたネタは、芸能人の中でも多くのファンを持っている。

 今野は2009年からドラマで俳優として活動を始め、『勇者ヨシヒコと魔法の城』(テレビ東京系 2011年)や『ごめんね青春』(TBS系 2014年)など、20本超の作品に出演している。今年は桐谷美玲主演の映画『ヒロイン失格』にも出演した。演じる役柄は警察官から変質者まで幅広く、その役になりきってしまう今野の演技はどれも自然で、驚くほど違和感がない。

 今回の『下町ロケット』でも、ナインティナイン岡村隆史がラジオ番組『オールナイトニッポン』(ニッポン放送)で、「キングオブコメディの子! もうね、最高! ほんまに工場の人みたいに出てきたもん」と絶賛する通り、作業着の異常な似合いぶりや、今野のルックスそのものが朴訥で誠実な迫田役にハマり、後輩社員から慕われている迫田滋を見事に演じ切っているのである。

◆確かな演技力とともに一度観たら忘れない強烈すぎる“顔面力”

 芸人の今野がなぜこれだけの演技をすることができるのかと言えば、確かにコントでは様々な役を演じなければならず、各役柄になりきる演技力がなければそもそもコント自体が成り立たない。そういう意味では、今野の演技力が高いのは当然とも言えるのかもしれない。ましてや『キングオブコント』で優勝するほどの実力であり、今野の演技力は鍛え抜かれていると言っていいのだ。先の岡村も同番組で「上手やねん! やっぱコントやってるっていうのもあんねやろうけど。みんなすごいな!」と続けるように、コント芸人にとって演技をすることはほぼ日常的であり、演技力に優れるのはむしろ当たり前なのだろう。

 こうしてみると、“芸人俳優”今野浩喜の前途は洋々たるものがありそうだ。これまで培ってきた“俳優”としてのキャリアを活かし、一部で評されているように、今後は阿部サダヲや温水陽一のような“存在感”のある個性派俳優、性格派俳優への道も開かれるのではないだろうか。

 初主演映画『くそガキの告白』では、鈴木太一監督が「主人公は顔にコンプレックスを抱いている。不細工が条件だった」と言い、「画面を通して見ると思っていた以上に不細工に写っていて……かわいい顔をしていると思えるようになってきた」と今野の“怪演”を絶賛していた。

 あえて懸念を言えば、もはや“顔面力”とも言うべき今野の持つインパクトが強烈過ぎる。その素朴かつプリミティブなルックスは印象が強すぎて、ときには主役の存在を打ち消してしまうほどの破壊力をもたらすかもしれないからだ。今後は、その突出する存在感をうまく役柄に昇華させて、“芸人俳優”今野浩喜にしか出せない“味”を追求していってもらいたい。

(文:五目舎)

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