ORICON NEWS

日本音楽界のジンクスを打ち破るか?スターが生まれないシーンに異変を起こす韓国バンド・ヒョゴ

 韓国デビューからわずか1年。いま韓国で知らない人はいない人気急上昇中の新鋭バンド、ヒョゴ(hyukoh)が日本初単独ライブを東京・渋谷のO-nestで開催した。日本デビュー前で日本での活動がほとんどないにも関わらず、情報の早いファンたちによりこの日のチケットは即完。日本のレーベル関係者の姿も見られた超満員のステージ前に、あどけなさも残るメンバーに話を聞いた。K-POPとは異なり、韓国バンドのスターが生まれていない日本で、彼らはジンクスを打ち破るのか。ヒョゴの日本初インタビュー。

左からヒョゴ(hyukoh)のイム・ヒョンジェ(ギター)、イ・イヌ(ドラム)、オ・ヒョク(リーダー:ボーカル、ギター)、イム・ドンゴン(ベース)/写真:鈴木一なり

左からヒョゴ(hyukoh)のイム・ヒョンジェ(ギター)、イ・イヌ(ドラム)、オ・ヒョク(リーダー:ボーカル、ギター)、イム・ドンゴン(ベース)/写真:鈴木一なり

写真ページを見る

◆人気バラエティ番組出演からのブレイク

――韓国デビューからわずか1年。日本デビュー前の単独ライブにも関わらず、チケットは即完でした。日本でのファン層は若い世代の女性が多いようですね。
【ヒョク】 単独は今回が初めてですが、日本でのライブは2度目です。まだほとんど日本で活動していないのに、たくさんの方に興味を持っていただけてとてもうれしく思っています。日本には5回くらい旅行で遊びにきています。今回は1周間の滞在で、ライブとapple storeでのイベント出演があり、3日くらい自由な時間もあります。楽器を見に行ったりしようと思っています。

――まだあまり日本のメディアには出ていないですね。
【ヒョク】 NHKのインタビューを韓国で受けたことはありますが、まだそれ以外はほとんどありませんね。

――韓国ではデビューからわずか1年で瞬く間に人気を得ましたが、そのきっかけや要因を自分たちではどう分析していますか?
【ヒョク】 バラエティ『無限挑戦』(MBC)に出演したことが大きかったんじゃないですかね。やっぱり(同番組の)歌謡祭に出演して、そこから広く知られるようになりました。
【ヒョンジェ】 あと、今まであまりいなかった音楽性のバンドということもあったんじゃないですかね。そのもの珍しさでおもしろいと思ってくれた方、気になった方がいたのでは。そこに『無限挑戦』がきっかけになったと思います。

――バンドとして“売れたい”って思っていました?
【ヒョク】 それを念頭に入れていないといったらウソになりますね。もちろん音楽で生活していけるようにならないといけないですし。ただ、自分の好きな音楽をやりたいという気持ちは大切にしています。売れて儲けたいというよりも、ずっと音楽活動を続けるために、ヒット曲を出していって、バンドとして有名になりたいということです。だから、あまり曲が偏り過ぎないように、幅広い層の方々に広く伝わりやすいようにしながら、自分がやりたい音楽を追求していけたらと思っています。

――まず売れるためならテレビ出演も大歓迎?
【ヒョク】 『無限挑戦』に出演した理由のひとつは楽しそうということ。バンドのカラーやイメージは考えていませんでした。純粋におもしろそうだなと。もし日本の番組などからオファーがあって、それがおもしろそうだと思えば、やるかもしれません(笑)。

◆僕らはK-POPバンドではない

――日本や中国など海外進出も考えていますか?
【ヒョク】 もちろんその意思はあります。より多くの方々に僕らの曲を聴いてもらいたいですから。「いちばん最初に考えているのは日本」って言ったほうがいいですか(笑)? 僕らはロックバンドなので、やはりイギリス、アメリカで成功したいという想いがあります。

――日本の音楽マーケットは、K-POPアイドル以外で成功しているといえる韓国バンドはほとんどいない状況です。
【ヒョゴ】 日本のメディアに載せていただく際に、K-POPバンドと紹介されているようなのですが、僕らはK-POPではないと思っています。シーンとして韓国バンドが盛り上がっていないとしても、日本のバンドと対バンさせていただいたりしたいですし、フェスにも出演したい。僕らはアイドルではないので踊りませんし、握手会もしないと思います(笑)。先ほどテレビ出演の話もありましたが、音楽的にはバンドとして活動していきます。

――影響を受けてきたバンドは?
【イヌ】 ザ・ウィークエンドです。
【ヒョンジェ】 ビンテージ・ロックが好きで、とくに昔のトロ・イ・モワをよく聴いています。ヒョゴのビンテージ感を出すときのイメージのひとつにしています。
【ヒョク】 ドイツのバンドのザ・ホワイテスト・ボーイ・アライブ。あとポール・マッカートニー。
【ドンゴン】 レッド・ホット・チリ・ペッパーズです。
【ヒョク】 好きなアーティスト、曲がみんな違います。それぞれ好きなところは影響を受けているかもしれませんが、バンドとしてのカラーを出すときにそれらをどう表現するかというのはいつもメンバーと話していて、どう作り上げていくかという話は楽しいですね。

――歌詞は曲によって英語と韓国語とありますね。
【ヒョク】 英語詞については、韓国語より英語のほうが伝えたいことを表現しやすいというのがあって。曲によって韓国語のほうが書きやすいと思うときもありますので、そのときどきですね。全体的な曲のイメージにもよります。日本語はこれから勉強します(笑)。

――今回の日本初単独ライブは、ハコがそれほど大きくないとはいえ、あっというまに完売しました。
【ドンゴン】 チケット入手できなかった方々には申し訳ありませんでした。でもライブはまたやりますので、次にぜひ来てください。
【ヒョク】 初めての単独ライブでとてもありがたいことです。まだまだこれからも日本でライブをやるチャンスはたくさんあると思います。楽しみにしていてください。
【ヒョンジュ】 以前、韓国でパラソルという日本のバンドと対バンをしたんです。そのときパラソルの日本人ファンの方々が、初めて聴いた僕らの曲をすごく気に入ってくれて、日本の音楽ファンの情熱に触れて感激しました。東京だけじゃなくて、ほかの地域でもライブができるようになりたいです。

――音楽以外で日本に来るときに楽しみにしていることはありますか?
【ヒョク】 おいしいものを食べることですかね(笑)。卵がおいしいですよね。だし巻き卵とか卵料理みんな好きです。あと、日本の焼き肉と寿司もよく食べにいきます。

オリコントピックス

あなたにおすすめの記事

メニューを閉じる

 を検索