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坂口健太郎、俳優業はまだ手探り「違和感はなくなった」

 いま日本でイケメン役をイヤミなく演じる俳優といえば、右に出る者はいないとも言われる坂口健太郎。主演の鈴木亮平が超ハードな体づくりをして臨んだことでも話題作の『俺物語!!』では、一見とっつきにくいが実はやさしさにあふれたいいヤツを、さらりと好演している。モデルから俳優に転身し、瞬く間にヒット作にたて続けに出演。いままさにスターダムへの階段を駆け上がる新鋭俳優の素顔に迫った。

◆芝居に興味を覚えたきっかけは…

――高校生役が続きますが、今回演じた砂川誠役には、どのようなアプローチを?
【坂口】 ……なんだろう。高校生役だけど、わりと普通にしていたかもしれないですね。(ヒロイン・大和役の永野)芽郁ちゃんが15歳、僕が24歳、(猛男役の鈴木)亮平さんが32歳で、ちょうど僕が真んなかだったので、芽郁ちゃんの方にちょっと寄せたところはあるかもしれないけど。高校生というよりは、(原作)漫画の砂川くんっぽくというのを考えていました。正直、こんなにモテる男の子って、そんなにいないじゃないですか。

――完成作を観て、印象に残っているシーンを教えてください。
【坂口】 猛男がベランダで、お父さんにちょっと弱音を吐くシーンはすごく好きです。傍から見ると、完全無欠な猛男がすごく子どもに見えたというか、ちゃんと弱い心も持っている感じがして。僕はあのとき、となりでふたりのやりとりを聞いていて、お芝居は見れなかったんですけど、声を聴いてるだけで、なんかいいシーンだなっていうのを感じました。

――日常ではなかなか見ることのできない、人の本質をのぞき見るような、映画ならではの醍醐味を感じるシーンでしたね。
【坂口】 たしかにそうですね。言われてみると、映画のそういうところをおもしろいと思い始めたのが、僕がお芝居に興味を覚えたきっかけかもしれないです。

――坂口さんは高校時代から、俳優の仕事に興味があったそうですね。お芝居をはじめて、演じることの楽しさは深まっていますか?
【坂口】 うーん、深みかぁ。最初は“ただ楽しそう、おもしろそう”からお芝居をはじめて、どういうものかもあまりわかっていなかったし、正直いまもそれほどわかっていないと思うんですけど(苦笑)。なんていうか、自分がやるキャラクターのことを、もっと愛情をもって見れるようになった気はしています。いちばん登場人物のことをわかっていたいし、いちばん好きでいたい。いまもまだ手探りなんですけど、そのキャラクターに溶けやすくなったというか。前は台本があって、セリフを読んだとき「こんなこと、言うのかな?」って、自分(の価値観)が入ってしまっていたんですけど、最近は違和感を覚えることがなくなってきました。この人はこういう考えで、というのを取り込みやすくなったのかもしれない。

◆“オレは役者だ!”みたいなのはない

――違和感を感じることもあったのですね。
【坂口】 いままでやらせていただいた役って、(自分に)似ているって言われたりするのはありがたいんですけど、やっぱり自分とは人格が違うから、パラレルワールドみたいな感覚なんですよね。“自分とは全然違うけど、このキャラクターなら、こういうことを言うだろうな”というような……。感覚として、前よりちょっと広く、役について考えられるようになったのかもしれません。

――砂川を演じていたときにも、そういう変化を感じましたか?
【坂口】 坂の途中で、大和さんに猛男のことを話すシーンがあるんです。最初に台本を読んだとき、もちろん砂川のことはイイ奴だっていうのはあったんですけど、「猛男は大和のことが好きなんだって、言っちゃえばいいのにな」って思ったんです。でも、お芝居をしていくうちに、砂川なら言わないなって思いました。というか、猛男の気持ちを代弁するって発想が、頭のなかから消えていました。砂川にとってはたぶん、本当に大事な友だちの、本当に大事な初恋を、自分が言ってしまうのではなく、ちゃんと猛男自身に自分の気持ちを知ってほしい、気づいてほしいという気持ちがあったのかなって。大事なことをぼかす砂川のことが、徐々にわかってきた感じがありました。

――昨年の俳優デビュー以来、さまざまな話題作に次々と抜擢されていますが、ご自身のなかで環境の変化を実感することは?
【坂口】 わかりやすいことだと、電車で気づかれやすくなりましたね。でもそのくらいかなぁ(笑)。僕個人では、そんなに変わっていないと思うんですけど。“オレは役者だっ!”みたいなのもないし。周りから見る僕と、自分が心のなかで思っている僕って、違ったりするじゃないですか。自分ではなんか生きづらくなったなあ、なんていうのはないですねぇ(笑)。

――今秋は『コウノドリ』(TBS系)で、連続ドラマにも初登板されていますが、俳優として、今後の展望のようなものはありますか?
【坂口】 僕は目標は作らないんです。それにとらわれるというか、なんか固まってしまいそうな気がして。なにか目標をひとつ作ると、そこに向かって、どんどん視野が狭まっていきそうで。(目標を作らず)もやもやしていた方が、5年後もっといろいろな経験ができそうだなって思っています。僕あまり賢くないので(笑)。
(文:石村加奈)



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