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柄本佑・時生兄弟、父親譲りの異質な存在感で重宝

 連続テレビ小説『あさが来た』(NHK総合)で、はつ(宮崎あおい)の夫・惣兵衛役を演じる柄本佑(たすく)の“怪演”が話題だ。許嫁として初登場したシーンでは正座しながら貧乏ゆすりという強烈なインパクトを残した。独特の存在感を放つ佑は、今や実弟である時生(ときお)とともに映画やドラマで引っ張りだこ。時生もその役者として恵まれた個性的な風貌と演技力で多数の作品に出演し、元AKB48・前田敦子ら役者仲間と結成した“ブス会”も注目を集めている。芸能一家に育った佑と時生、彼ら柄本兄弟の魅力について検証してみたい。

■それぞれ強烈な個性でインパクト残す 演じられる役柄の広さも魅力

 兄の佑は1986年生まれの28歳、父の柄本明に顔がそっくりだが、最近では“イケメン俳優”とも言われている。役柄としては、先述の『あさが来た』のような、屈折しながらも多少気取ったところがある“ちょっとイヤなヤツ”系のものが多い。2003年のデビュー後、『世界の中心で愛を叫ぶ』(TBS系)、『若者たち2015』(フジテレビ系)、『天皇の料理番』(TBS系)などのTVドラマのほか、『真夜中の弥次さん喜多さん』『武士の献立』、最近では『GONIN サーガ』など多数の映画作品にも出演している。いわゆる“キモ”系から“イケメン”系までをこなし、その演技力への評価は高い。2012年には、同じ芸能一家である奥田瑛二・安藤和津夫妻の次女、女優の安藤サクラと結婚したことも話題になった。

 そして弟の時生は現在26歳、やはり柄本明そっくりだが、むしろ父以上に強烈なルックスが印象的だ。デビューは兄・佑の代役として急きょ出演したオムニバス映画『Jam Film S』の中の「すべり台」という作品で、当時17歳だった石原さとみにいきなり肉体関係を迫るというとんでもない役だった。その後もかなり個性的で強烈な役を多く演じ、大河ドラマ『功名が辻』(NHK総合)では後陽成天皇役、最近では『ど根性ガエル』(日本テレビ系)、『監獄学園』(TBS系)などに出演している。プライベートでは、ドラマ『Q10』(日本テレビ系)で共演した元AKB48の前田敦子や高畑充希、池松壮亮とツルむ「ブス会」を結成。トーク番組『ボクらの時代』(フジテレビ系)では、時生は前田に「(ボロボロ)の中古車みたいなもの」とまで言い放ち、彼らの仲よしぶりを披露していた。

■“正統派”松田龍平・翔太兄弟と対極的 確立しつつある怪優ポジション

 偉大な怪優・柄本明のDNAをしっかりと受け継ぎ、ヒール系・キモメン系・コメディ系、そして得意な猟奇的犯罪者役までをこなし、十分すぎるほどの個性的なオーラを放っている柄本兄弟。大物二世の若手兄弟俳優といえば、まずは松田優作・松田美由紀の息子、松田龍平・翔太が思い浮かぶが、松田兄弟が正統イケメンの実力派俳優であるのに対し、柄本兄弟は作品に強烈なスパイスを与える個性を持つ実力派で、イケメン俳優が持てはやされる状況で、最近の若手の中でも稀有な存在と言える。重宝されるのも納得。もはや超個性派集団「大人計画」系俳優のお株を奪うかのような勢いすら感じられる。

 ともに父譲りの個性的な風格で頭角を現しつつ、“七光り”にならずに俳優として自立しているように見えるが、実際のところ父・柄本明の影響はどれほど受けているのだろうか? 弟・時生がドキュメンタリー番組『クロスロード』(テレビ東京)に出演した際、俳優で身を立てることを決めたときに父から言われたのは、「声を探せ」のひと言だったと明かしている。さすが柄本明と言うか、なかなか一般人には理解できない難解なひと言だが、時生自身も「わけわからない。その答えは今でも探し中ですが」と発言。母・角替和枝も「オヤジがオヤジだから。まあ柄本家の呪いだよ」とまで言っていた。

 そうした父親の教育方針(!?)の賜物か、朴訥ながらも静かな情熱を秘め、まるで修行僧のように独自の俳優道を究めようとしているかに見える雰囲気は、佑、時生ともに共通しているように思われる。ともにゆくゆくは父親のポジションを超えるほどの“名怪優”になりそうなポテンシャルを持つだけに、10年後、20年後が楽しみな2人だ。

(文/五目舎)



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