• ホーム
  • 映画
  • 本人の印象がないステルス女優・森川葵、固定イメージはいらない?

本人の印象がないステルス女優・森川葵、固定イメージはいらない?

 松岡茉優、広瀬アリス、早見あかりと若手女優を抜擢してきたフジテレビ『土ドラ』枠の『テディ・ゴー!』で、森川葵が連ドラ初主演している。10月最終週スタートの話題作『監獄学園−プリズンスクール−』(TBS系)でもメインキャスト。デビュー3年にして多くの作品に出演してきたが、キレイ系から地味な役までひょうひょうと演じる独特の女優ぶりは、ますます注目されそうだ。

◆出演作が多いわりに一般層に認知されない?

 森川は中学生の頃、「そろそろオシャレを」と買ったファッション誌『Seventeen』(集英社)で、たまたま出ていた「ミスセブンティーン」募集に応募したところ、グランプリに選ばれ同誌専属モデルに。女優に興味はなかったそうだが、映画『Love ToRAIN』(2012年)で主演デビュー、深夜ドラマ『スプラウト』(日本テレビ系)で知念侑李(Hey! Say! JUMP)の相手役と、デビュー当初から大役が続いた。その自然体の演技は新人らしからぬものがあった。

 今年の主演映画『チョコリエッタ』では坊主頭にしたが、“女優魂で切った”という感じではなかったらしい。当時、「髪が痛んでいて一度丸刈りにしたい気分だったので、ちょうど良かった」などと話していた。

 この作品に限らず、彼女は髪形や色を頻繁に変えている。先に公開された『渇き。』(2014年)では坊主頭の髪をピンクに。映画『おんなのこきらい』ではロング、ドラマ『硝子の葦』(WOWOW)では金髪、『She』(フジテレビ系)ではベリーショート。基本ショートでもストレートで七三分けだったり、パーマをかけたり。23歳のフリーターを演じる『テディ・ゴー!』では外ハネ。『監獄学園』では原作コミックのキャラクターに合わせ、金髪のぱっつんボブだ。

 出演作が多いわりに、まだ一般層に知名度が高くないのは、こうして外見を変え続けているのが一因かもしれない。ベリーショートで新人OLを演じた『ポカリスエット イオンウォーター』CMも好評だったが、『表参道高校合唱部!』(TBS系)の女子高生役が同一人物とは、パッと見で気づかないかも。まして『テディ・ゴー!』と『監獄学園』では、同時期に観てもわからなそう。

◆本人の印象が消えて“役”だけがいるステルスぶり

 だが、彼女は外見だけでなく、演技も役ごとにガラリと変わるのが特筆すべきところ。『チョコリエッタ』では母と愛犬を亡くしていつも不機嫌な少女、『ごめんね青春!』(TBS系)では男子にモテモテで恋愛依存の女の子……などと様々な役を演じて、他の役のイメージとまったくカブらない。しかも“がんばって役作りしました”といった雰囲気はなく、どんな役でもごく自然にそこにいるように見える。また、『テディ・ゴー!』では実年齢より3歳上の役で、殉職した刑事が憑依したクマの編みぐるみとのコミカルな掛け合いも見せている。

 “売り出し”を考えれば、路線をある程度絞り、清純派などわかりやすいイメージで押したほうが良い面もあるが、本人も「固定いめーじなんていらない」(原文)とブログに書いていたことがある。長い目で見れば、そのキャパシティは大きな武器。演技力のある若手は増えているが、本人の印象が消えて役だけがそこにいるようなステルス女優ぶりは、森川葵ならでは。

 原作の際どい描写をどこまで実写化するか注目の『監獄学園』では、裏生徒会書記の緑川花役。原作では一見ゆるふわ系ながら空手の有段者で、投獄した男子生徒に暴力的なお仕置きをする役どころ。森川葵が役としてどう攻めるかも楽しみだ。
(文:斉藤貴志)



オリコントピックス