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名前はわかるけど詳しくは知らない「サー・トーマス・リプトン」と紅茶のトリビア

 紅茶ブランド「リプトン」の新製品発表会が、さきごろ都内で行われた。新発売のインスタントパウダータイプのロイヤルミルクティーの紹介のほか、世界中の最も高名な産地から厳選された茶葉のみを使用するプレミアムブランド「サー・トーマス・リプトン」のCMが公開。同ブランド創始者サー・トーマス・リプトン氏の想いを、美しい映像で表現したCMになっている。

 “世界の紅茶王”と称されるリプトン氏の名前を聞いたことはあっても、どんな人物かまで理解している人は少ないはず。そこで、彼の主なトリビアを紹介。

 本名トーマス・ジョンストン・リプトン氏は、1848年にスコットランドのグラスゴーで、食料品店を営む両親の間に生まれた。幼少時から才能の片鱗を見せていたようで、あるとき父親がお客に卵を手渡しているのを見て、「なぜお母さんにやらせないの? お母さんのほうが手が小さいから、卵が大きく見えるのに」と一言。そのような、見せ方などを工夫するというマーケティング的視点は、1871年に始めた自らの食料品店経営でも発揮され、ユーモアあふれる新聞広告やポスター、世界で初のクーポン「リプトン紙幣」などを導入。彼のお店はどんどん増え、イギリス国内における大きなチェーン店に成長した。

 彼のアイディアマンとしての興味深い話は、ほかにも数えきれない。新しいお店ができたときなどは、自ら生バンドを率いて街をパレード。現代で言うPRイベントの先駆けを実施。また、イギリス各地の方言をよく覚えており、土地に合った言葉でお客に話しかけることで、お客に親しみをもってもらえるようにしていたという。

 そんな彼が、紅茶の世界で名を成したのが1800年代の終わりごろ。訪れたセイロン島(スリランカ)の茶園を買い取り、栽培、生産から販売まで一貫して行い、それまで高級品だった紅茶を、庶民にも楽しめるものにすることに成功。「茶園から直接ティーポットへ」というキャッチフレーズで世界各国に紅茶を普及させ、「紅茶王」と呼ばれるまでになった。また、その業績が認められ、1895年にはヴィクトリア女王からナイト爵位が与えられ、そこから「サー・トーマス・リプトン」と呼ばれるようになった。

 さらにトリビアをもう一つ。紅茶を求めて海に出ていったリプトン氏らしく、子供の頃から船が好きだったようで、かの有名な国際的ヨットレース「アメリカズ・カップ」に5回も出場している。

 「リプトン氏は紅茶を一般化させた人物」と思う人がいるかもしれないが、それは半分当たっていて、半分違う。彼の「品質」「味」の追求ぶりは相当なもので、紅茶の事業に乗り出したとき、すぐに茶の専門家を雇い入れていたし、スリランカに向かったのも、価格に加えて、高品質の茶葉を求めてのこと。また、各地の水に合ったブレンドの開発にも多大な努力を払っていた。

 そんな彼のこだわりは、現代にも受け継がれており、同ブランドの製品は、茶葉を摘み取ってから24時間以内に加工を開始。また、世界には50人のティーテスターがおり、さらにその中でも選ばれた10人の「リプトン マスターブレンダー」がティーテスターを束ね、リプトンの味を守り続けている。この日の発表会には、その10人の1人、江間俊也氏も登場。「毎月、基準をクリアするためのテストがあり、一定のスコアをとらないと、リプトン用の茶葉の買い付けもブレンドもできない」とのことで、リプトンの品質管理の厳しさが、伝わってくる。

 「紅茶には、リラックスしたり、集中力を高めたりする効果があると言われています」と江間氏。これには、ゲスト出演した、紅茶好きとしても知られる雅楽演奏家の東儀秀樹氏も納得の様子で、「殺菌効果もあるんじゃないですか?」と持論を披露し、「僕の篳篥(ひちりき)という楽器は、葦(よし)でできたリードが、音を鳴らす心臓部なんですが、そこを演奏の前に湿らせなければいけない。これにはお茶がいいんですよ。日本茶が当たり前ですが、僕はときどき紅茶につけています。口にくわえたときの紅茶ならではの渋みなどが、気持ちいいんです」(東儀氏)。これには江間氏も「そうですね、紅茶には抗菌作用があります」と認めながら、驚いた様子。味や香りだけではない、紅茶の奥深さの一端がうかがえる2人のトークとなった。

 リプトン氏の紅茶のこだわりを知り、いままで以上においしく飲むためだけでなく、ビジネスマンにも大いに役立ちそうな、リプトン氏と紅茶の歴史。読書の秋でもあるので、いろいろと本やインターネットで調べてみるのもいいのではないだろうか。




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