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勝地涼、“前髪クネ男”以来チャラ男キャラが定着「根はマジメなのに…」

 俳優の勝地涼が、アーティスト・勝 勝次郎として人気脚本家の宮藤官九郎プロデュースでCDデビューした。社会現象となったNHK朝の連続テレビ小説『あまちゃん』での“前髪クネ男”といった、名キャラを生み出した2人が、ぶっ飛んだキャラ設定や“規格外”の作品について、唯一無二の存在感を放つ彼らの仕事の上での流儀について語りあった。

宮藤官九郎プロデュースで勝 勝次郎名義でCDデビューした勝地涼

宮藤官九郎プロデュースで勝 勝次郎名義でCDデビューした勝地涼

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◆チャラい役、実は“前髪クネ男”1本だけ、宮藤さんに引き出された

――勝地さんも役者さんだけあって、相当な振り幅だと思いますが、宮藤さんから見て、勝 勝次郎としてCDデビューしたアーティスト・勝地涼の魅力は?
【宮藤】 プロデュースしやすいです。歌手じゃないので、こだわりもないですし、歌の表現って意味では、こんな感じでやってって言えば何でもできちゃうし。最初は僕も含めて、曲を作ってくれた人もラジオを聴いてくれる人もみんなで、勝地くんにこんなことやらせたらおもしろいんじゃないかって想像しておもしろがってたんですよ。それが本当に形になると毎回、想像以上のものになって返ってくるので、そこはさすがだなと。
【勝地】 宮藤さんとは舞台をやらせてもらっているので、歌はうまくないですけど、キャラを出すというか。感情を込めるっていうのは、そのなかで学んだ気がします。グループ魂の阿部サダヲさんも、歌だけどお芝居っぽい感じじゃないですか。
【宮藤】 確かに、そうだね。
【勝地】 だから、僕も意外と楽しんでやれていると思います。
【宮藤】 勝地くんはチャラいヤツで歌ってくださいって言うと、ちゃんと調子に乗ってやってくれるから、すごく嬉しいんだけど、勝地涼がチャラいのか、歌のヤツがチャラいのかわかんなくなるときがあります(笑)。
【勝地】 いやいやいや、違いますよ、そこはキャラでやってますから。
【宮藤】 そうだね、勝地くんは根がすっごくマジメ。逆に言うと根しかマジメじゃない(笑)。

――全国のお茶の間が笑った“前髪クネ男”以来、勝地さんのチャラ男キャラは開花しましたよね。
【勝地】 それまではそんなにチャラい役はやってなかったので、宮藤さんに引き出されたと思います。
【宮藤】 僕としては自分がおもしろいと思ってやったことが、たまたま観ている人にも伝わったのかなって感覚なんだけど……。勝地くんだって、僕の作品以外はマジメにやってるでしょ?
【勝地】 今回だってマジメにやってますよ(笑)。でも僕、実はチャラい役は前髪クネ男1本だけなんです。なのに“勝地ってチャラいんでしょ?”って、決め付けられて。

――でもファン層は広がりましたよね。
【勝地】 そうですね、朝ドラにあんなキャラクターが出てきたことはなかったですから(笑)。

◆流行より、自分がおもしろいと思っているものでないと仕事にならない

――そういう意味ではお2人とも、唯一無二の存在感を持っていらっしゃると思うんですが。それぞれ仕事する上での“流儀”みたいなものってあります?
【宮藤】 やっぱり、最終的に自分がおもしろいと思っているものじゃないと、仕事にならないっていうのはありますね。流行っているからって理由でやってみて、うまくいった試しがない。勝地くんのことも、勝地くんのこういうところがおもしろいって思って、それをどうやったら多くの人がおもしろがってくれるかな? って。そうゆうことからしか、僕は何も発想できないっていうか。だから、流行のことはまったくわからないんですよ。

――宮藤さん独自のアンテナがあるんですね。
【宮藤】 自分で響いたものは追求しようと思うけど、スルーするものは本当にスルーしちゃいますからね。時代は全然そっちにいってないのに、おれだけ違う方向にいっちゃうときありますけど。それでいいんじゃないかなっていう。それしかできないから。

――自分で自分を変わってると思うことはありますか?
【宮藤】 変わってるとは思わないけど、ズレてるなとは思うときはある。「ヤバい、オレ、いま完全にズレてる、でも、もう遅い」って(笑)。そういうときは「みんな、ホントはこっちだよ」ってズレてない振りをします。勝地くんのCDが渋谷のお店でランキングが8位とか9位になっているのって完全にそのパターンで、「なんからわかないけど、勝 勝次郎ってすごいんじゃない?」って“騙された”人を離さないから(笑)。

◆どの現場でも真っ白になって、全力で演技をする

――振り切ったモノ勝ちと(笑)。勝地さんは?
【勝地】 僕の流儀は、基本どの現場でも真っ白になって、全力で演技をする。それだけです。やっているうちに癖とかもついてくるけど、新しい作品に入るときはなるべく忘れる。それができずに、前に失敗したことがあるんです。新感線の舞台に出たあとにドラマがありまして。舞台の感覚のまま自分がおもしろいと思うことをやったら、完全に浮いた感じになってたんです。
【宮藤】 ははは、客観的だね。スベってたの?
【勝地】 スベってるというか、ただ、うるさいヤツになってて。で、“これはダメだ”と思って、現場には常に真っ白で行こうって決めたんです。そうすれば無意識のうちに、それまで培ってきたものが出るかもしれないと。
【宮藤】 勝地くんぐらいの世代の役者さんってすごいマジメだよね。
【勝地】 そうかもしれませんね。
【宮藤】 こだわりがあるし、人の芝居もすごい観てるでしょ?
【勝地】 そうですね。
【宮藤】 で、お互い意見を言い合ったりして。
【勝地】 最近、それはなくなりました。みんなそれぞれがんばっているので。あえて言う必要がなくなったんですよね。

――“アーティスト”として、憧れの場所とか出てみたい番組ってあります?
【勝地】 まずは『紅白歌合戦』ですよね。それ以外だったら、『フジロック』じゃないですか(笑)。
【宮藤】 おー、すげー!
【勝地】 本編は無理なのでせめて開会式とか。
【宮藤】 開会宣言すんの?

――むしろそこで歌うほうが大変かと思いますが(笑)。じゃあ来年の夏の目標はフェス出場?
【宮藤】 いいね、野外でね。
【勝地】 野外で“お風呂はぬるめ”ってよくわかんないですけど、やってみたいです。

(文:若松正子)

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