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ピース・又吉、母のふるさと奄美・加計呂麻島へ思索の旅

 お笑いコンビ・ピースの又吉直樹が芥川賞を受賞したのを記念して、BSジャパンで昨年3月に放送された紀行ドキュメンタリー『又吉直樹、島へ行く。 母の故郷〜奄美・加計呂麻島へ』がきょう31日(後5:58〜7:55)、同チャンネルで再放送される。

“芥川賞作家”又吉直樹という人間をさらに深く知る。BSジャパンの『又吉直樹、島へ行く。母の故郷〜奄美・加計呂麻島へ』7月31日放送(C)BSジャパン

“芥川賞作家”又吉直樹という人間をさらに深く知る。BSジャパンの『又吉直樹、島へ行く。母の故郷〜奄美・加計呂麻島へ』7月31日放送(C)BSジャパン

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 不遇の20代を経て、コンビでの漫才やコント、自身のエッセイ作品などでファンを増やし、忙しい中にも生活が落ち着いてきた頃。当時33歳の又吉が旅先に選んだのは、母親の故郷、奄美・加計呂麻島。奄美大島の南に位置し、鹿児島県に属するが、地理的には沖縄に近い。ほとんどが熱帯雨林で覆われている島には33の集落が点在し、およそ1400人が暮らしている。海峡をはさんで奄美大島と同化するように並んでいることから、「影の島」「かげろうの島」と島名がついたといわれる。

 加計呂麻島には、18歳の時、母親とともに一度だけ訪れたことがあった。ところが、記憶に残っている風景は「ガジュマルの木だけ」。「上京前にどうしても行っておきたい」という思いから訪ねたはずの母の故郷なのに、記憶力がいいはずの又吉が、ほぼ何も憶えていないという。15年ぶりの再訪に、加計呂麻島はどんな風景を見せてくれるのか。

 島には、コンビニもスーパーもない。島民たちはリゾートホテル建設も拒否した。この不便な島に人々はなぜ住み続けるのか。又吉は、半農半漁の暮らしをつづける男と出会い、東京での自分の生活を振り返るきっかけになるのだった。

 又吉は大阪府寝屋川市出身だが、身近な存在としてあるのが「シマ唄」だ。いまも時間を見つけてはライブハウスへ1人で歌を聴きに行くという。かつて琉球王朝や薩摩藩から支配を受け続けた島人たちが育んできた奄美独特の文化で、「シマ」とは奄美の方言で「集落」のこと。加計呂麻島でシマ唄教室を開く女性や、シマ唄を生き甲斐にする老人と触れ合い、唄を支えにする島人たちの生き方に共鳴する。

 また、ピースのコントに多く登場する「妖怪」が、加計呂麻島にもいる。伝説の妖怪「ケンムン」は、本来は穏健だが、聖域を荒らす人間には危害を加えるそうだ。島人はケンムンに対し、畏れとともに親しみを抱いている。ケンムンが出るといわれる場所をたどると見えてくる、暮らしの知恵とは?

 そして、母親が19歳まで住んだ集落「勢里」へ。母が30分かけて歩いて通っていた小中学校を訪れる。忘れていたと思っていた記憶が散り散りに戻ってくるが、見えてくるものは15年前とどこか違うと又吉は不思議がるのだった。

 旅の終わりに又吉は次のようなコメントを残している。「加計呂麻島の美しい風景は優しく僕を迎えてくれました。自然と人間の境界は曖昧に溶け、島の人たちの暮らしを見て、幸福の根源を垣間見ることができたような気がしたのは、僕のおごりでしょうか。自分の人生にとって、忘れられない旅になりました」。

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