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三浦春馬、実写『進撃の巨人』エレン役 「迷いはなかったが悩みはあった」

 熱狂的な原作漫画やアニメファンから高い関心を集める、実写版の前篇『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』が、制作過程での紆余曲折も経ていよいよ世に放たれる。そんな同作で、主人公・エレンを演じた三浦春馬が、その胸中を明かした。

◆大ファンだった『進撃の巨人』の世界のなかで生きられる喜びと不安

 2009年の漫画連載スタートからその特異な世界観がじわじわとファンを獲得し、2013年のテレビアニメ放映を経て一気にファンを拡大。そして、実写映画化の発表時にはコアファンも一般層も巻き込んでケタ外れの大きな話題になっていた実写版『進撃の巨人』。原作の人気キャラクターであり物語のキーになる存在のリヴァイがいないこと、映画オリジナルのキャラクターが登場すること、脚本に町山智浩氏が参加していること、さらには監督が製作途中で交代し、特撮の樋口真嗣監督がメガホンをとったことなど、もともとの作品そのものの話題性の大きさに加えて、その実写化はさまざまなトピックが世の中をざわつかせてきた。

 そんな世の高い関心を集めてきた実写版で主人公のエレンを演じた三浦は、どんな思いで作品に向き合ってきたのだろうか。いよいよ封切られるその前篇公開日を前に、これまでにない話題性を有した超大作への向き合い方、そこへの熱い想いを語ってくれた。まずは出演オファーを受けたときのことを思い返す。

「エレン役のお話をいただく前に『進撃の巨人』の実写化が動き出していると噂で聞いていたので、てっきり映画はもう撮り終わっているものだと思っていたんです。なので、まさか自分のところにお話をいただけるとは! と驚きました。実際に台本をいただいてやっと『あ、本当にまだ撮っていなかったんだ』って(笑)。僕自身、原作漫画の大ファンですし、なにより映画のなかで立体機動装置を使って空を飛び回れるのが楽しみでした。でも、『進撃の巨人』の世界のなかで生きられるんだという喜びと同時にプレッシャーもありました」

 もともと原作ファンだったという三浦。オファーを受けたときのことをいま振り返って、その驚きと喜びを明るく語ってくれたが、それと同時に大きなプレッシャーも感じていた。それは自身もファンであるがゆえの、そして世の注目を一身に集めることになる大作主演であるがゆえのもの。作品を牽引していくプレッシャーを聞くと「それもあります。今回はキャストの方々もスタッフさんも人数が多くて、特撮チームを加えると通常の3〜4倍だった気がします。エキストラさんは総勢1500人ぐらいで、一度に500人が集まったこともありました」と明かす。

◆原作とは異なる“エレン像”だが「内側のパワーは共通している」

 そんな三浦を突き動かした原動力を探ると、原作ファンならではのその魅力を語る。

「絶滅の危機に立たされた人類と巨人との戦いの構図は、すごくキャッチーで分かりやすいストーリーですし、そのバックボーンには緻密な設定もある。そして何よりも自分たちと姿、形が似ている者(=巨人)に支配されている、その異質さが新しくて。巨人たちにただただ踏みにじられて食べられていく、敵対する関係性も独特だなと思いました。あと、キャラクターのセリフに『えっ、そこでそのギャグを言うの!?』というようなユーモアがあって、そこもこの作品の大きな魅力のひとつです」

 そして、演じたエレンについて。エレンに関しても、彼の周りを取り囲む環境や人物像は原作そのままではなく、実写版オリジナルの世界観に一部改変されている。三浦はその役作りに迷いはなかったと言い切る。台本と現場の空気、そして樋口監督を始めとするスタッフとの信頼関係をよりどころに、そのキャラクターを作り上げていった。そこでは、三浦のこれまでのイメージとはちょっと異なる新鮮な姿を見ることができる。

「演じることに迷いはなかったんですが、悩んだことはありました。樋口監督から言われたのは『カッコ良すぎるからもう少し可愛らしくやってほしい』って。本当に悩みました……(苦笑)。その着地としては、青臭い部分を出すことで応えられたのかなと思っています。演じているときは(役に影響されて)ちょっと攻撃的だったかもしれないです(笑)」

「本質的な部分は原作と変わらないと思いますが、自分のいる現状に漠然とした不満を抱えている青年です。映画では何に突き進んでいっていいのか分からない部分がより強調されていて、性格としては何かを達成しようとする強い気持ちがあって、まっすぐだからこそ青臭く見えてしまうキャラクター。原作も映画も内側のパワーを持っているのは共通しています」

 前篇は、物語やキャラクターの説明的な部分もありつつ、樋口監督ならではの、重力や風圧が伝わってくるような超大型巨人や立体機動アクションの特撮に圧倒される。日本の特撮のクオリティの高さと存在感を示す同作は、今夏のCG全盛の洋画メジャー大作がならぶなかで、映像的にもひときわ異彩を放つ作品。人気原作をもとに練りに練られたオリジナル要素が加わった新たな物語とその映像があわさった完成度は、まさに邦画の底力を感じさせてくれる。最後に三浦は、より人間ドラマが色濃く描かれるであろう後篇について、実写版で生まれた新たなエレンの心の動きや葛藤、そして作品に込める想いとともに熱く語ってくれた。

「前篇よりも後篇の方がエレンのエネルギーや感情の方向性がまとまっていきます。何のために自分のエネルギーを燃やすのかという問いに対する答えが、漠然としていた前篇に比べて後篇は目的がしっかり出てくる、その心理描写はとてもわかりやすく、そして力強い。エレンを演じながら伝えたいと思ったのは、自分のためだけではなく人のために動くと、そのエネルギーは何倍にも増すということです。僕らは映画のなかのような世界で生きてはいないけれど、“誰かのためのエネルギー”はこの世界でも持つことができるものだと思う。そういう世の中であってほしいし、自分もそうありたい。そんなメッセージを大迫力の映像とともに感じ取っていただけたら嬉しいです」



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