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濱田岳&小日向文世、『HERO』現場“いじられコンビ”の絶妙なコンビネーション

 シーズン2で名コンビとなり、最新映画でも息があったところを見せている検事&事務官コンビの濱田岳小日向文世。ふたりは『HERO』で顔を合わせる6年前、やはり月9ドラマ『太陽と海の教室』(2008年フジテレビ系/織田裕二主演の学園ドラマ)で共演していた(奇しくも、北川景子もヒロイン役で出演)。まず、ふたりの話はそのころのことから始まる。

『HERO』は6年前の月9ドラマ『太陽と海の教室』以来の共演だった濱田岳と小日向文世

『HERO』は6年前の月9ドラマ『太陽と海の教室』以来の共演だった濱田岳と小日向文世

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◆話題を提供?みんなで盛り上がる現場のいじられ役…

「そのとき(初共演時)は、僕の役は生徒たちに威圧的な空気を出している理事長で、濱田くんは生徒役のひとり。濱田くんが廊下ですれ違いざまに立ち止まって反発した態度をとるというシーンくらいで、(交わす)台詞もありませんでしたね」(小日向)
「僕がちょうど20歳のころです」(濱田)

「濱田くんはそのころから存在感があって、生徒たちのなかでも光っていましたよ。吉高由里子さん演じる生徒と絡みがある役で、僕は別の作品で共演していたから彼女の強烈なキャラを知っていたんだけど、濱田くんには彼女に負けないキャラがあって(笑)。僕と同じで小柄だから若く見えるけど、すごくしっかりしています。そのあとも、俳優としてすごい勢いで伸びているなと思っていました」(小日向)

「僕にとっての小日向さんは、みなさんが思うパブリックイメージそのままで可愛らしい印象だったんですけど、この理事長は意地悪な怖い役。撮影の合間に言葉を交わすこともなく、小日向さんって意外と怖いんだって、勝手にギャップができていました(笑)。でも、『HERO』の最初の衣装合わせでお会いしたとき、『あのとき以来だね』って声をかけてくださって」(濱田)

「全然、久しぶりって感じはしなかったなあ。濱田くんのことは、あのあともドラマや映画で活躍しているのを観ていたからだろうね」(小日向)

 そんなふたりだが、『HERO』では、小日向はオリジナルメンバーの末次隆之事務官を演じ、濱田は新メンバーの宇野大介検事に扮した。マイペースで落ち着きのない末次と、お坊ちゃんでプライドが高い宇野のコンビネーションはまさに絶妙だ。

「自分の子どもくらいの年齢の検事とどんな関係になるか不安もありましたけど、濱田くんが見事に生意気な検事を演じてくれましたね(笑)。子どもみたいな検事に腹を立てている末次もおもしろいと思うし、年上の事務官に平気でわがままをいう濱田くんもいいし。お互いにいい感じでキャラが仕上がったなと。現場での濱田くんは自分から仕掛けてくるタイプではなくて、黙って静かにしていて。だいたいかき混ぜるのはヤッシー(八嶋智人)で、そこにのっかってくるのが木村(拓哉)くん。それで、みんなが盛り上がる。僕も黙っているタイプなんで、いじられるんですよ。この現場にくるとどうしてもいじられるんだよね〜。末次やってるとそうなっちゃうのかな(笑)。こんなにいじられる現場はないですね」(小日向)

「諸先輩方がムードメーカーで、関係性が成り立っているんですよね。ほんとに小日向さんはみんなに話題を提供するというか、いじられていました(笑)」(濱田)

◆メンバーが変わっても空気感を大事にしたいという想い

 城西支部メンバーは撮影直前まで、いつも一緒にテーブルを囲んでいる。傍目からはただの雑談にも思えるが、そこでの関係性が、ゆるやかに本番に活きている。それは本人たちキャラクターの反映ではなく、チームがかたちづくるムードの移行である。そう、カメラが回っていないときにも『HERO』ムードは準備され「待機」しているのである。

「昔はそこに勝っちゃん(勝村政信)がいたからね。(いじりが)しつこかったなあ(笑)。シーズン2で勝っちゃんの代わりに濱田くんが入って、(現場の雰囲気が)いくらかおとなしめになりましたかね。いじられ側が増えて。あと女性メンバーふたりに対する、男性陣の対処も微妙に変わったりして(笑)。ヤッシーなんてすごくうれしそうでしたよ、あいつ北川景子ちゃんのファンですから(笑)。ただ、変わらないところは変わらない。木村くん中心に、メンバーが変わっても空気感を大事にしていたいという(チームの)想いが変わらないからでしょうね」(小日向)

「僕は、最初の『HERO』を観ていたのが中1なんですよ。そこに出るなんてまったく想像がつかないことだったので、出演を聞いたときは『なんてこった』って。それも、名物事務官の末次さんとコンビを組むって、それもまた緊張することで。うれしさよりもプレッシャーのほうが強かったですね。でも、小日向さんがこういうお人柄なので助かりましたし、現場で旧メンバーから小日向さんがいじられていて、そのコンビだから僕も一緒にいじってもらえるわけです。小日向さんのおかげで、後乗りなのに『HERO』にすぐになじめたというのはあると思います。一緒にいじられて助かりました(笑)」(濱田)

「前はコンビの相方の勝っちゃんがいじるほうだったのが、いじられるほうに来てくれて、ほっとしましたよ。息抜きができる(笑)。それにしても濱田くんもいじられたよな〜いちばん年下だし」(小日向)

 シーズン2ドラマからコンビを組んだふたりだが、小日向は「濱田くんはきっと勘がいいんだろうね。とくに何も意識しなかったし、やりにくいことは一切なかった」と話し、濱田は「小日向さんに思いっきり甘えることで、宇野らしさが出せました」と振り返る。狙いを超えた、検事=事務官の絶妙なコンビネーションは映画でも全面発揮されている。

「ドラマと違って、映画では『なんだふたり仲いいんだ』という感じかも。あうんの呼吸がとれている、っていう成長は見せられると思います」(濱田)

 そんなすっかり息が合って自然に会話が弾むふたりに、それぞれにとって「自身がHEROだったとき」について最後に訊いてみた。
「劇団にいたとき、舞台本番中に5分間、自由に使えるコーナーがあって、当日の開演前のオーディションで決めるんですよ。そこで自分が考えてきたネタを披露するんですけど、座長から『よし、今日は小日向でいく』って言われて選ばれたときは、『時間よ止まれ』って思いました。35歳くらいでしたけど、本当にうれしかったですね。それが僕にとっての“ある転機”になったと思います。こんな幸せな時間がずっと続いてほしいと思いました」(小日向)

「実家に帰ったりしたときの家族の喜ぶ顔を見ると、胸を張れる仕事をしているって実感しますね。身内ですけど喜んでくれて、持ち上げてくれて。子役の初めて役が決まったころから、ずっとそうなんです。僕自身の“HERO”エピソードってほどのことじゃないですけど(笑)」(濱田)
「いいな〜オレ、全然そんなのないよ。最近、ドラマも(家族が)観てくれないんだよ(笑)」(小日向)
(文:相田冬二)

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