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吉田羊&正名僕蔵が語る映画『HERO』の魅力、木村拓哉のポテンシャル

 昨年のシーズン2で初めて組み、映画『HERO』でも息の合ったコンビネーションを見せている吉田羊正名僕蔵。インタビューに応えるふたりの様子は、まさに劇中の馬場礼子検事と井戸秀二事務官のよう。そんなふたりが最新作の魅力、そして主人公・久利生公平を演じる木村拓哉のポテンシャルについて大いに語った。

◆吉田羊が悶絶したひと言とは…!?

 まず、吉田羊は完成したばかりの映画について、興奮気味に話す。
「雨宮さんのあの台詞……それが聴きたかった! グッときて、泣きそうになってしまったんです。『HERO』ファンにはたまらないと思うな。私自身、悶絶しながら観ていました(笑)」

 そう、本作では、松たか子扮するオリジナルヒロイン・雨宮舞子が検事になって、城西支部に帰ってくる。吉田を悶絶させた雨宮のひと言は映画を観てのお楽しみだが、松=雨宮の復活は、シーズン1から出演している正名にとっても、シーズン2から出演の吉田にとっても、感慨深かったようだ。

「いい意味で城西支部は間口が広い。8年ぶりに、どういう振る舞いで入ってくればいいんだろう? と雨宮さんが悩みながら来たところで、いきなり迎えられて、巻き込まれていく。あのあたりは城西支部らしい」と正名。吉田も「雨宮さんは、ごく自然に(この世界に)入っていらっしゃいましたね。我々(シーズン2からの新メンバー)は視聴者として雨宮さんを知っていて、ウエルカムだったし(笑)。全然、違和感なかったです」と口を揃える。

 今回の映画で、礼子と井戸は意外な「お出かけ捜査」に赴く。なんと、カップルに扮して、ある事件の真相を追うのだ。正名は「かなり井戸が出すぎた真似をしています(笑)。そこまでやっていいのか、井戸!」と笑う。「でも、男女のコンビならではのお出かけ捜査ですから。これは、他のコンビにはできません」と吉田はフォローする。

 城西支部の検事&事務官コンビのなかでも、とくに上下関係がきっちりしているかに思える礼子と井戸。しかし、即席カップルを「演じる」ことで、普段なら見えないフィーリングが浮き彫りになる。そのありようは、さり気なく魅力的だ。「ドラマで作った関係性があるからこそ、できたこと。あうんの呼吸がありますよね。じゃ、カップルの設定ね、とあらかじめ打ち合わせをしていたわけじゃなくて、パッとその場で思いついて、(礼子と井戸の考えが)合致したわけですから」と吉田は解説。

 正名は「このコンビは、『一見、あうんの呼吸に見えない、あうんの呼吸』みたいなところをおもしろがっているところがあるんです。ふたりは息、合っているの? 合っていないの? でも、合っているんだろうなあ、みたいな(笑)」と投げかけ、吉田が「井戸さんがわざとズラしているところもありそうな気がするんだけど。そのズラしてる呼吸さえも、あうんで合っている、みたいな(笑)」と切り返す。まさに、あうんの呼吸である。

◆ドラマと実際の俳優同士の関係がリンク

 さて、雨宮に話を戻そう。久利生と雨宮の久しぶりの再会劇を、ふたりはどう見たのだろう。

「今回の映画で描かれているふたりの関係性については、『らしいな』と思いましたね。くっついてほしいような、どうなっていくの? という期待感もまだ引きずっていたいような。ちょっと複雑な気持ちで観ていたんですけど」(吉田)

 吉田は完全に『HERO』ファン目線。「私も、(濱田)岳っくんも、(杉本)哲太さんも、みんなファンですから」と素直に認めるところが可愛い。一方、シーズン1から木村拓哉と松たか子を見てきた正名は、次のように再共演を捉えたという。

「おふたりともひょうひょうとしているなと。当然のように、熱いものを持っているのに、それをストレートに出す方たちではない。それでも芯は強くて。おふたりの交わすやりとりも、お互いに緊張感を持つにはどうするかということを、何かしら探り合っているような。そういうところがカッコいいなって。あからさまではなく、ふんわりにじんでいる感じがいい」

 吉田はさらにこうも。「くっつきそうで、くっつかない感じが、前のシリーズでもあって。久利生さんと雨宮さんは、恋愛とかを超えたところで、魂のレベルでつながっているんだなと。それが今回の映画で確固たるものになった。男女としてというよりも、人間として(お互いを)リスペクトしている。それがまた、ふたりらしい」

 そして正名はいう。「井戸的には(前作の映画までの)警備員時代以来の再会なんですよ。やはり、僕自身の松さんとの距離感が、今回もリンクしちゃう。松さんならではの大らかさ。それはやっぱり雨宮さんっぽくもある。『HERO』というドラマは本当に細かいところで、ドラマと実際の(キャスト同士の)関係がリンクしていて切れていないというか。不思議なドラマだなと思いますね」

 役と本人がリンクする。その意味では、やはり「久利生公平=木村拓哉」なのだろうか。

「木村さんに見えるなあ。現場で木村さんに接しても、なおそう思いますね。やはり、木村さんがこういう方だから、この久利生公平が生まれたのかな、という気がします」(吉田)
「間近で見ていても、『あ、木村さん、スイッチ入れて久利生公平になった』という場面を僕は一切見たことがない。境界線みたいなものはないですよね」(正名)

「ほんと、前室(控室)の延長って感じ。久利生公平になった! とは思わないですよね。かといって、本番始まったら、木村さんとも思わないけど。だから、不思議な感じなんですよ。ずっと背中あわせで。あと、木村さんは、いろんな視点を持っていらっしゃるんですよね。俳優の視点もそうだし、プロデューサー、脚本家、たぶん音楽も。本当に総合的に(作品を)見ていらっしゃる。こうしたらおもしろくなるんじゃない? っていうアイディアがポンポン出てくる。ほんとにいろんなアンテナを張って、過ごしていらっしゃるんだなと思いますね」(吉田)

「だから、座長なんですよ。スペックが違う、っていうんですかね。とにかく何かが違う(笑)。たとえば僕自身、木村さんのひと言で、それまでわからなかったことがポーンとわかった! ってことが何度もあるんです」(正名)

 さて、ふたりにとってHEROは誰なのだろう。どんな存在なのだろう。
「いままでは、HEROという言葉を聞くと、スーパーヒーローをイメージしていたんです。憧れの存在とか、すごい人。ただ、僕らはドラマもやって映画もやって、HEROについて考えざるをえない。この作品って、いろんな受けとり方があるとは思うんですが、ちゃんと地に足をつけて生きている人間は、みんなHEROじゃないか。逆にいうと、誰でもHEROになりえる。誰かにとってのHEROになりえる。そんなメッセージが含まれてる気がしていて。そこでHERO観が変わりましたね。それまでは、自分がHEROになるということは考えられなかったんですけど、『あなただってHEROになれるんだよ』と久利生さんに言われているような。『僕なんか』と思っていたのが『僕でもいいんだ』と教わったような気がしています」(正名)

「私のなかでは、HEROは木村さんなんですよね。完璧で、何でもできる人。HERO=木村拓哉。そこまで思わせる人って、他に知らないです。やっぱりHEROは木村さん。それは、私のなかでは揺ぎないものですね」(吉田)
(文:相田冬二)



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