ミステリー専門チャンネル「AXNミステリー」では11日（後5：00〜11：00）、ドイツの人気作家フェルディナント・フォン・シーラッハ氏原作の『罪悪〜ドイツの不条理な物語〜』全6話（各話60分）が日本独占初放送される。ベルリンで刑事事件を扱う弁護士としても活躍するシーラッハ氏。6月に初来日し、自身の小説や映像化作品について語った。

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　本人曰く「退屈しのぎ」に小説を書き始め、2009年に『犯罪』でデビュー。ドイツの文学賞「クライスト賞」を受賞したほか、日本でも2012年本屋大賞「翻訳小説部門」第1位に選ばれた。

　今回ドラマ化された『罪悪』は、弁護士としての経験を生かし、現実に起きた事件に材を得て、さまざまな罪人たちの真実の姿を描き出した15作の連作短編集から6作品（第1話：遺伝子、第2話：ふるさと祭り、第3話：イルミナティ、第4話：間男、第5話：清算、第6話：雪）が映像化された。

　「作家にとって、自分の小説が映像化されるのは大変うれしいことです。夜、一人でパソコンに向かい、頭の中で考えを巡らせながら、小説を書いているわけですが、それが数年後、映像化された作品をテレビで観るのは本当に感動的です」。

　映像化に際し、「注文をつけるようなことはない。好きにしてくださいと言いました」とシーラッハ氏。「小説と映像作品は完全に別もの。小説は省略していくものだから、描かれていない部分を読者が想像する。映像作品はすべてを映像化しなければならない。決まったイメージが作られる映像作品と小説が違うのは当たり前だし、むしろ小説と違うものにしないと映像化の意味がない」と考えを述べる。

　人間の感情や心理を極限まで削り、事実だけを積み上げていくストーリーは、観る者の想像力をかき立てる。一瞬の狂気がもたらした“罪”への懺悔（ざんげ）、完全なる悪をさばけない法、抑えきれない欲望の代償、といった不条理が浮き彫りになっていく展開は圧巻だ。ベルリンで撮影されたドイツドラマならではの街並みも見どころの一つとなっている。

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