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三浦大知、転機となったのは松本人志の作詞曲

 ソロデビュー10周年を迎える三浦大知が、シングル「MUSIC」を発売。ダンスボーカルユニット・Folderのメンバーとして活動をスタートさせ、和製マイケル・ジャクソンと呼ばれた類まれな才能を開花。変声期での活動休止期間を経て、ソロデビューから10年、変わらない曲作りのスタンス、転機となった意外な楽曲など、昔も今も愛してやまない“音楽”について語った。

ソロデビュー10周年を迎える三浦大知

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◆マイケル・ジャクソンを初めて見た衝撃が、今もずっと続いている

――今作のタイトルは、ずばり「MUSIC」。曲も詞もまさにポップミュージックの王道という感じですね。
【三浦】 僕はいつもジャンルに囚われずもの作りできたらいいなと思っているんだけど、このトラックも聴いた瞬間、まず、聴いた人がすごくハッピーになれる曲だなと思ったんですね。そこから、キャッチーでストレートな詞が合うなと思い、さらに今年がソロデビュー10年目ということもあったので、音楽について歌う曲=「MUSIC」がいいんじゃないかなと。

――曲作りをしているとき以外でも、音楽のことは考えているんですか?
【三浦】 考えているというか、僕にとって音楽は日常の中で“やってること”っていう感覚。仕事ではあるけど、趣味でもあって、常にいち音楽ファン、いちエンターテインメントファンってところは、子供の頃からずっと変わらない気がします。

――三浦さんの音楽キャリアのスタートは遡ると、グループとしてデビューした10歳のときですが。その頃から一ファンというスタンスは変わらない?
【三浦】 はい。僕は音楽って楽しいな、歌ったり踊ったりすることが好きだなっていう、シンプルな動機でスタートしているんだけど、そこは今も変わってない。

――そのきっかけとなったのは、やはり最初に影響を受けたという故マイケル・ジャクソンさん?
【三浦】 そうですね。7〜8歳の頃、通っていたダンススクールでマイケルを教えてもらったのがきっかけ。でも、そのときは音楽っていうより視覚的な要素が大きくて。初めて観たのは「ブラック・オア・ホワイト」のミュージックビデオだったんだけど、いろんな国に移動しながらパフォーマンスしている姿を見て、何をやってもマイケルはマイケルなんだなと。それはすごくオリジナルなことで、僕もオリジナルな人になりたいって思ったんですよ。で、そのときの衝撃が今もずっと続いているっていう。

――7〜8歳でマイケルさんの本質を掴むって、かなり感覚の鋭い子ですよね。
【三浦】 僕がすごいんじゃなくて、マイケルがすごいんですよ(笑)。あと、もし僕に何か1個才能があるとしたら、そのときの気持ちのまま続けてきたことだと思います。アーティスとしてまだまだですが、それは才能と言ってもいいのかなと。

◆日本語の素晴らしさに気づいたきっかけが「チキンライス」

――この仕事を辞めたくなったことはないんですか?
【三浦】 それがないんですよ。例えば変声期で声が出づらくなったりとか、そんな時期もあったので、一度くらいは他の道を探してみようって思ってもよさそうなんだけど、不思議となかったんですよね。多分、どっかで変な自信があったのかも。“自分はずっと音楽をやっていく”という確信みたいなものがあって、そこはずっとブレなかったから。もちろん、曲を作っているとイヤになることもあります。でも、それを救ってくれるのも音楽だったりするので、これからも辞めたいと思ったり、音楽から離れたくなることはないんじゃないかな。

――ちなみに、三浦さん自身が、人生を変えられた曲ってあります?
【三浦】 マイケルはもちろんそうだし、あとは「チキンライス」とか。

――ダウンタウンさんの? 作詞が松本人志さん、作曲を槇原敬之さんが書いた曲ですよね?
【三浦】 そう。日本語はやっぱり素晴らしいなって思うきっかけになった曲なんです。その当時は、一瞬通る道だと思うんだけど、洋楽以外は聴かないみたいな、それがカッコいいって思っていた時期だったんですね。そんなときに「チキンライス」を聴いて。この曲は、松本さんが家族との実体験を元に書いた歌で、それがものすごく温かくてストレートだなと。それで、もし人の気持ちが0から10まであるとしたら、日本語って3とか7とか、微妙な部分を表現できる言語だなと痛感して、自分も日本に生まれた以上、母国語は大事にしたいと思ったんです。それから、自分で作詞をするときも最初にまず、日本語で全部書くようにしていて、そのきっかけになったのはこの曲。言葉との向き合い方が変わったってことが、「チキンライス」は大きかったです。

――なるほど。意外な曲が出ましたね。そんな“三浦大知”の今後の展望は?
【三浦】 今までと変わらず、オリジナルなものになっていけるようにがんばっていきたい。あと“気づきがある”アーティストになりたいです。こういう価値観があるんだなとか、昨日こういうこと言われたけど、あの人はもしかしたらこういう気持ちで言ったのかなとか。何でもいいけど、曲を聴くことで何かに気づいたり、人生がちょっと豊かになったりする。そこを伝えるのは難しいけど、そんな音楽を歌っていけたら嬉しいですね。

(文:若松正子)

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