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ゲスの極み乙女。、なぜ人気? 新世代の台頭でバンドブーム再燃なるか

 4人組ロックバンド、ゲスの極み乙女。の3rdシングル「ロマンスがありあまる」がオリコン6/29付ランキングで初週1.5万枚を売り上げ、9位に初登場。今年4月発売の「私以外私じゃないの」を上回り、シングルとしては自己最高のスタートとなっている。当初はそのバンド名のインパクトからイロモノ的に捉えられることも多かったが、その高い演奏テクニックや音楽性が浸透してきたことで、次世代ロックシーンの最重要バンドとしてファン層を広げている。

■強みを活かし短期間でブレイク

 ゲスの極み乙女。(以下、ゲス極)は、もともとは川谷絵音がフロントマンを務めるバンド、indigo la Endが対バンライブで出会ったメンバーと気軽にスタジオに入ったことをきっかけに結成。過去に川谷に話を聞いたとき「本当に適当だったので、最初のアルバムも2日間くらいで録ったんです(笑)」と話していた通り、当初は気の合うミュージシャン同士のお遊び程度のつもりだったようだ。しかし、ライブや音源を発表していくうちに人気が出始め、昨年4月にアルバム『みんなノーマル』でindigo la Endと同日にワーナーミュージック・ジャパンのunBORDEよりメジャーデビュー。ちなみにバンド名の“ゲスの極み乙女。”は、メンバーのちゃんMARIが持っていたトートバックに書かれていた言葉に由来する。

 彼らが短期間で爆発的にブレイクした理由のひとつは、メディア戦略の上手さにあると言えるだろう。unBORDEレーベルにはゲス極のほか、きゃりーぱみゅぱみゅやandrop、神聖かまってちゃんらテレビやネットメディアなどをうまく活用しブレイクしたアーティストが多数所属しており、ノウハウを蓄積している。また、スペースシャワーミュージックというメディア系の事務所に所属していることも強み。例えば、セールスに影響を及ぼす可能性もあることからショートバージョンのみを公開しているアーティストも多い新曲MVを発売前からYouTubeでフル公開しているほか、「アソビ」(『au isai FL LGL24』CMソング)、「私以外私じゃないの」(コカ・コーラ「ネームボトルキャンペーン」CMソング)や「デジタルモグラ」(TVドラマ『すべてがFになる』主題歌)など新作には必ずリード曲にタイアップがつき、印象的な使われ方をしており、タイアップに合わせた曲作りができる器用さも武器といえるだろう。

■積極的にメディアに出ていく若手バンド

 昨今の若手バンドは、こうしたメディア戦略の上手さでブレイクへと弾みをつけているバンドが多い。一昔前はメディアに出ないことでストイックなイメージ付けをしているバンドも多かったが、テレビやネットなど自ら積極的に発信している印象を受ける。例えば、4人組の男女混合編成であることやメンバー間の仲の良さから、ゲス極と何かと比較されることも多いSEKAI NO OWARIも、インディーズの頃からYouTubeやラジオといったメディアをうまく使い、音楽番組はもちろん、バラエティにも積極的に出演するなどして、ファン層を拡大させてきた。

 一方で、SEKAI NO OWARIはどちらかというと邦楽ポップスを現代風に進化させ、ビジュアルやライブにおける世界観作りなどとことん“エンタテインメント”として昇華させようとしているのに対して、ゲス極の川谷は「重視しているのは“サビのメロディー”。ただ日本人が親しみやすい歌謡的なメロディーではなく、どこかに自分が聴いてきた洋楽の影響を潜ませるようにしている」と話しており、個々のメンバーの豊かな音楽ルーツがぶつかり合い、独特の個性を生み出している。YouTubeのコメント欄には演奏に対する海外からのコメントも多く、どちらかというとバンドとしてのグルーヴ感など、スタイリッシュななかにある骨太さが魅力となっているようだ。

 アイドルグループやアニメソングなどが音楽チャートを賑わせている一方で、サカナクション、ONE OK ROCK、SEKAI NO OWARI、そしてゲスの極み乙女。と、新世代のバンドのブレイクも続いており、点でのヒットから線、やがて面となっていくことで、バンドブーム再燃がいよいよ目前まで迫ってきた。



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