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地域活性化のカギ「若者の創造力」はどう育てる?

 日本経済のさらなる発展に向けて欠かすことのできない「地域活性化」。最近では、地方で音楽イベントなどが開かれたり、IT企業など比較的若い企業が地方に拠点を構え地域と連携を図ったりするなど、地方から新たなものを創出していくための様々な取り組みが行われている。こうした取り組みの中核を担っているのは20〜30代の若者。カギを握る若い才能を育てるには何が必要なのだろうか?

 少子高齢化の影響もあって、地方では若者が減少するなど過疎化が社会問題化している。こうしたなか、2020年開催予定の「2020年東京五輪」に向けた経済活性化のために「地域活性化」「地方創生」は早急に取り組まなければならない課題のひとつだ。各自治体も住宅支援を行うなど積極的に取り組みを進めているなか、注目されているのが、“エンタテインメント”での地域活性化だ。広大な敷地や豊かなロケーションを利用した音楽イベントやアートイベント、比較的若い企業が地方に拠点を構える事例が増えている。

 こうしたエンタテインメントを通した地域活性に詳しい大阪大学コミュニケーションデザイン・センター特任准教授の久保田テツ氏はその背景について、(1)ロケーションの豊富さ (2)ネットワークの発達により都市部以外でも情報のやり取りができること (3)地価や住宅が安く“拠点”を作りやすいこと を挙げる。

 こうしたなか、最近増えているのが20〜30人程度という小規模で密度の濃い音楽イベントだという。「音楽と本」「カレーとライブ」といったテーマを設け、SNSなどで有志を募って企画。「一極集中型とは違うエンタテインメントの楽しみ方の可能性があることを若い人たちが気づいているんだと思います」と久保田氏。前述の通り、地方における様々な課題、問題が顕在化しているなか、「“異物”とも言える音楽やアートが地域に入ることで、人がそこに足を運ぶきっかけになるだけでなく、地元の人と来訪者との人の交流が新しく生まれて、問題に対する新しい活路を見いだせる可能性が出てくるんです」とメリットについて話す。

 久保田氏は問題解決の活路を見出すポイントとして、「例えば高校生と高齢者、大学生とシングルマザーといった組み合わせをつくって、音楽を通して密なコミュニケーションを築いていく」ことを挙げる。そのためには、「若い人たちにいろんな人と出会ってもらって、世界がすごく多様であるということを知ってほしいし、今までに自分が気づかなかった価値を楽しんでいる人たちが世の中にたくさんいると気づけるかどうかが重要です」続ける。「能動的にコミュニケーションを図るときって、自分がこうしたら相手がこう考えるかもしれない、と自然と考えるじゃないですか。これは取り組みを創造していくための初歩的なことで、それを鍛えていくことで『こうすれば多くの人たちが来てくれる』『この伝え方をすれば多くの人に伝わる』と自然と具体的な企画として形になっていくはずです」。

 久保田氏はこうした音楽を活用したコミュニケーションにより地域活性化を図るイベントの企画力を実践的に身に付けていく場として、2016年度より大阪音楽大学に新設される「ミュージックコミュニケーション専攻」の准教授に就任予定だ。今後、若い才能溢れる人材がさらに増えていくことで、エンタテインメントによる地域活性化が加速していくことに期待したい。



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