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羽多野渉&冲方丁に聞く オーディオドラマ版『天地明察』の魅力

 2010年の『本屋大賞』を受賞し、2012年には実写映画も公開された冲方丁氏のベストセラー小説『天地明察』。江戸時代前期、新たな暦を作る大事業に挑んだ渋川春海を主人公に描いた時代小説が、今回オーディオドラマ化する。主人公・春海を演じる声優は、アニメ『ダイヤのA』の増子透役などの羽多野渉。原作者・冲方氏とともに、音声表現された作品の魅力を語ってもらった。

■物語の力を何倍にもする音声表現

 オーディオドラマは、登場人物たちに声優陣が声をあて、物語の進行はナレーションが担当。効果音・BGMも加えられ、活字だけでは表現できなかった小説の重厚感や奥行きを与える。さらには映像がないぶん、想像力も刺激される。

 冲方氏は言う。「物語を聞かせるという部分では、語って聞かせるというのが本来の形。音声で聞かせるほうが(歴史が)古く、小説のほうが若いんです。それにオーディオドラマは想像力を刺激するので、物語が持っている本来の力を何倍にもしてくれる。すごく作りこんであるので、完全に独立した1つの作品ですね」。

 新たな形となった『天地明察』。小説ではなかなかできなかった表現も可能となり、冲方氏は「春海らしい愛嬌、戸惑い、叱咤激励されたときの素直さは、文字だとどうしても読み手に想像してもらわないとできない。それが音声で明確に形になっているので、さらに春海に感情移入をしてもらえるなと思って、うれしかった」と喜んだ。

 主演を務めた羽多野は「一切絵がないのに、登場人物の顔が明確に浮かんでくる。聞いてくださる方はそれぞれが、明確に想像できるはずです。目に見えないんだけれども、立体的な表現の楽しみ方ができますね。活字に対して小さな恐怖を抱いている人たちに、ぜひ聞いてもらいたい」とアピールした。

■挫折しても折れない春海が聞きどころ

 羽多野が注目の聞きどころとして挙げたのは、春海が「日本独自の太陰暦を作る!」と奔走するも、幾多の困難に襲われる苦しい姿だとか。そこから這い上がり、偉業を成し遂げる姿に役者として共感も得た。

 「どんな仕事もいいことばかりじゃない。大変なこと、挫折もある。自分は今年デビューから12年目ですが、最初から順風満帆ではなく、それこそ仕事が月に1、2本という時期もあった。それでも、夢を追いかけたいと思って、ここまでやってきた。

 春海は、人生かけて偉業を成し遂げていく。その間に、途方も無い失敗、途方も無い挫折を味わって、成功する手がかりはないんじゃないかという状況から、夢をかなえている。断片的に自分とシンクロする瞬間もあって、失敗を繰り返しても、周りの人間に自分自身の思いを正直に伝えながら生きていく春海の姿に勇気をもらったんです」。

 ドラマは、春海を支えるヒロイン・えん役に柚木涼香、関孝和役に三木眞一郎、保科正之役に玄田哲章、建部昌明役に秋元羊介、本因坊道策役に斉藤壮馬など、豪華声優陣によってストーリーが紡がれていく。

 実は、収録のためスタジオを訪れるまで、ほかのキャスト陣は知らなかったという羽多野。「現場に来て知らされたのですが、うちの事務所の大ベテランの方がいらっしゃって。洋画の吹き替えをやられている、あらゆる先輩方もズラリと…。これはとんでもない現場に来てしまったと(笑)。作中で、とにかく『おもてをあげい』と言われてることが多くて、
聞いていただくと、羽多野がイジられていると感じてもらえると思う(笑)」。

 さらに同作では冲方氏が声優に挑戦しており、貴重な“役者・冲方丁”が確認できる。冲方氏は春海の義兄・安井算知を演じており、「あのマイクの前には絶対に立たないと思っていたのに…。金輪際やるまい(笑)。まぁ、にぎやかしなので、笑って楽しんでもらえれば」と恥ずかしそうに語った。

■『天地明察』は、オーディオブック配信サイト『FeBe』にて配信中。価格は税抜きで1800円。http://www.febe.jp/documents/special/tenchi-meisatsu/



関連写真

  • インタビューに応じた(左から)声優の羽多野渉、『天地明察』の作者・冲方丁氏 (C)ORICON NewS inc.
  • (左から)声優の羽多野渉、『天地明察』の作者・冲方丁氏 (C)ORICON NewS inc.
  • 『天地明察』がオーディオドラマ化(C)ORICON NewS inc.

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