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脚本家・バカリズムの“人間観察力” 竹内×真木×水川SPドラマ

 コント、大喜利、ドラマの脚本まで、幅広くテレビの世界で活躍しているバカリズム。きょう23日放送のフジテレビ系スペシャルドラマ『かもしれない女優たち』(後10:00〜11:24)では脚本を担当し、竹内結子真木よう子水川あさみという連続ドラマの主演級女優3人とタッグを組んだ。5月30日に同局系で放送されたネタ見せ番組『ENGEIグランドスラム』で披露した“女子あるある”ネタで大きな反響を呼んだ彼の“人間観察力”が、本作でも遺憾なく発揮されている。

6月23日放送、フジテレビ系スペシャルドラマ『かもしれない女優たち』演出を手がける関和亮氏(左)と脚本を担当したバカリズム(右) (C)ORICON NewS inc.

6月23日放送、フジテレビ系スペシャルドラマ『かもしれない女優たち』演出を手がける関和亮氏(左)と脚本を担当したバカリズム(右) (C)ORICON NewS inc.

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 それぞれの女優が実名の本人役で登場。「もし売れていなかったら…」というユニークな発想で、嘘か本当かわからないギリギリのラインでストーリーを展開。女優たちは“こうなっていたかもしれない”自分自身を演じる。

 「僕はキャストが決まらないと脚本が書けなかったし、女優さんたちは脚本がない状態でオファーを受けづらかっただろうし、各女優さんには快く引き受けてくださって感謝します」とバカリズム。

 出演者が決まると、バカリズムは個別に1、2時間ずつ面談し、生い立ちや「この仕事をしていなかったら何になりたかったか」などを取材。「現実世界と今回のドラマの違うところは、3女優が“売れていない”ということだけにしたかった。ほかはつじつまが合っていないといけなかったので、リサーチが一番大変でした」と脚本作りの苦労を語る。

 「脚本を受け取った女優さんたちが『私、こんなこと言わないし』と、ダメ出ししてくるのを覚悟していましたが、それも一切なく…。おおむねイメージどおりだったなぁ(笑)。意外だったのは、どうしても女優になりたかったという執念深さや、女優以外の職業は務まらないような人が一人くらいいるんじゃないかと思っていたけど、皆さん、ほかの職業に就いてもやっていけそう。人生の正解は一つじゃないということが、描けたんじゃないかと思います」。

 本作について、竹内が「台本を読んで、バカリズムさんは普段こんなことを考えているのかと、油断ならない方だと思いました。私自身の素のような、素じゃないような、どこからがお芝居なのか、ボーダーが見えなくて不思議な感覚」と語っていた。バカリズムが描くパラレルワールドの“自分”を3女優が快く受け入れたのは、彼女たち自身の懐の深さと、それぞれのパブリックイメージが透けて見えるバカリズムの脚本力の両方があってこそ。

 バカリズムは「僕、女性が好きなので、女性が言ったことや振る舞いをよく見ちゃうし、覚えているんですよね。それが、今回の脚本づくりにも生かされているのかもしれない」と自己分析している。

◆バカリズムの脚本と気鋭の映像作家の化学反応に期待

 本作の演出を任された関和亮監督は「女優さんたちもパラレルワールドの“自分”を演じることを楽しんでいるような、ちょっと混乱しているようなところがあって面白かった」と話す。

 関監督は、Perfume、サカナクション、木村カエラ等のミュージックビデオを手がける気鋭の映像作家で、今回、地上波ドラマに初挑戦した。18台のカメラを同時に回すなど、これまでのテレビドラマの概念に捉われない大胆な撮影手法で、盗撮・本人目線・モノ視点…といった新しい映像体験を視聴者に提供する。

 「映像をずっと見続けるのは、けっこうたいへんなことでして、飽きてしまうものなのです。それを飽きさせずに観てもらえるように、私たち作り手側は工夫を凝らす。私はこれまでミュージックビデオなどの尺の短い作品が多く、60分以上の長尺に今回初めて挑戦しましたが、ワンカットずつ面白い映像を撮っていけば面白くなるだろう、と。隠し撮りみたいなことも敢えて狙ってやってみました」と明かす。

 多彩なアイデアも貪欲に取り入れながら撮影された映像をどう仕上げてくるのか。バカリズムの脚本とどんな化学反応を起こすのか。

 フジテレビの編成企画を担当する加藤達也氏は「なんだこれ?と、戸惑いながら観てほしい」と手応えを語り「ジャンクなもの、文化的なもの、ハイセンスなもの、下世話なもの、いろんなものが混じっているのが、テレビだと思う。映画でもネットでもできない、テレビにしかできない作品が今回出来上がったと思います」と自信をのぞかせていた。

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