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ラジオ番組 “活字”で新規リスナー獲得

TOKYO FMが新たな活字メディア『TOKYO FM+』を新設した。同局で放送される150以上の番組から、ニュース記事として好まれそうなトピックを選定し、配信する。「ラジオの可視化」を意識した今どきのアプローチで、新規リスナー獲得を狙う。

『SmartNews』での『TOKYO-FM

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■ラジオ業界にもっと番宣を活字から聴取へと誘導

 TOKYO FMは4月20日、活字メディアとして『TOKYO FM+(プラス)』を新設した。150以上の番組の内容から、ゲストのトークの一部や、ライフスタイルにまつわる情報、トレンド動向など、話題になりそうなトピックを選定。音声コンテンツを活字にして配信し、ラジオの面白さを伝えていく。

 大きな特徴は、配信先が同局のPC・スマホサイトなどに加え、ニュースキュレーションアプリ『SmartNews』でも閲覧できるところだ。『Smart〜』は経済や芸能など様々なニュースを気軽にチェックできるアプリで、月間アクティブユーザー数は15年3月時点で417万を超えるなど、注目を集めている。実は同局の人気番組『SCHOOL OF LOCK!』が期間限定で記事を配信した経緯もあり、今回はそれを『TOKYO FM+』として拡大リニューアルしたものだ。

 新規ラジオリスナーの獲得に期待が持てる試みで、同局のWEB関連を担当する藤井大輔氏は、「ラジオ業界にはもっと、番宣能力が必要です。スマホでラジオを聴く人が増えているので、WEB上で大勢が集まる場に向けて情報を出していくという意識が重要」と新設の経緯を説明する。

■ラジオは素材が豊富WEB独自のセンスで選定

 記事の内容は20〜30代のスマホ世代に向けて、彼らが関心を寄せる話題と同局でとくにアプローチしたい番組とのバランスを図りつつ選定する。TOKYO FMからジグノシステムジャパンに出向し、運営と編集長の役割を担う内藤博志氏は、「ゲストものは話題になりやすいほか、ラジオドラマや調査レポートなど切り口は様々」と言いつつも一方で、「ラジオで好まれる情報が、必ずしもWEBで反響が見込めるかというとそうで
はない」のだという。例えば話のネタになりそうな雑学関連の記事にもいい反響が集まっており、どんな内容の記事をいつ配信するか、といっ
た藤井氏の編成的な視点と、内藤氏の元書籍編集者としての勘を活かし、ユーザーにとって最適な情報がニュース化されているのだ。

「とにかくラジオのコンテンツは素材が豊富です。それをWEBのユーザーにも広めて、まずは面白いサイトと思ってもらい、それがラジオの
内容だと知って聴きたくなる。これが理想の流れです」(内藤氏)

「今は、ラジオ番組とリスナーの“可視化”が重要な時代です。ラジオの魅力は、なかなか人に伝えにくい部分がありますが、ポイントが記事でまとまっていればSNS で拡散もしやすいでしょう。ラジオにあまり投稿しない“サイレントリスナー”にも喜ばれている雰囲気を感じます」(藤井氏)

 記事は1ヶ月無料で閲覧でき、その後、同局の有料スマホサイト『MUSIC VILLAGE』と、全国のFM局の放送が聴ける有料サービス『ドコデモFM』にアーカイブされていく。V-Lowマルチメディア放送に向けた新たな試みでもあり、ゆくゆくは収益を見込める独立メディアとしての運営も目指すという。ラジオ業界の新たな取り組みが、どんな広がりを見せていくのか、楽しみだ。

(ORIGINAL CONFIDENCE 15年6月8日号掲載)

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