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後進に多大な影響与えた生粋のコント師・内村光良の功績

 ウッチャンナンチャン・内村光良がメインを務めるコント番組『LIFE!〜人生に捧げるコント〜』(NHK総合)が、何かと話題だ。1990年代の人気番組『ウッチャンナンチャンのやるならやらねば!』(フジテレビ系)の人気キャラクター「マモー・ミモー」が局の垣根を越えて25年ぶりに復活したり、国会議員に「NHKのバラエティが低俗」と批判されたことをネタにコントをやってみたり、それでいて優れたテレビ番組に贈られるギャラクシー賞を受賞したり――もはや“金も手間もかかる”として絶滅寸前になっている“コント番組”ながら、これだけ話題にもなり高評価を得ているのは、ひとえに内村のコントにかける情熱がすさまじいからだといえる。同時にMCとしても、『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ系)などの高視聴率番組を抱えるなど、多方面で活躍する内村光良の功績について改めて検証してみたい。

生粋のコント師・内村光良 (C)ORICON NewS inc.

生粋のコント師・内村光良 (C)ORICON NewS inc.

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■くりぃむ、さまぁ〜ず……多数の後輩芸人が世に出るきっかけを演出

 内村のMC力はというと、みのもんたやかつての島田紳助のような強烈な個性こそないが、周囲の出演者の面白さや持ち味をうまく引き出して、出過ぎることなく、番組全体をまとめ上げていく能力はピカイチ。ちなみに、あくまで控えめなスタイルだったので、『ウンナンのホントコ!』(TBS系)という番組名自体、今でも覚えている人は少ないかもしれないが、サザンオールスターズの「TSUNAMI」、福山雅治の「桜坂」という2大メガヒットは、番組の中の「未来日記」という人気企画から生まれた。

 さらに欠かせないのは、後輩芸人からの絶大な信頼。かつて、くりぃむしちゅー(元・海砂利水魚)と、さまぁ〜ず(元・バカルディ)の改名をかけた『ウンナンの気分は上々。』(TBS系)内での対決企画があったが、コンビ名を変えてしまったことに対して、舞台裏では2コンビに素直に謝り、その後も彼らを自分の番組で起用し続け、伸び悩んでいたくりぃむしちゅーとさまぁ〜ずがブレイクするきっかけを作ったのは周知の通り。後輩芸人を連れ歩いて遊び回るという、いかにも典型的な芸人気質はないが、番組でスベった後輩に、収録後くどくどダメ出しするようなことも皆無で、後輩芸人からは“やさしさの鬼”とさえいわれている。また、専門学校時代からの盟友でもある出川哲郎に対しても、「バラエティとはいえ冷たく当たって本当にすまない」などと、舞台裏で謝罪したことも出川に暴露されている。番組のADに対してさえも偉ぶらないことも加え、“人柄のよさ”は内村の大きな魅力のひとつだ。

■松本人志も絶賛するコント師としての高い能力

 そして、やはり内村といえば、コント力の高さ、コントへの情熱だ。初の冠番組『ウッチャンナンチャンのやるならやらねば!』では、「満腹ふとる」や「九州男児」、「ドンナトキモ槇原」といったコントキャラに変身するのだが、内村の影をまったく感じさせず、それぞれ独自のキャラを徹底的に確立させてしまう、“憑依型芸人”としての一面を見せた。これに対してダウンタウンの松本人志も「自分がキャラを演じても、結局5、6パターンほどに集約されてしまうが、ウッチャンはすべて確立できている」と高く評価している。

 そもそもこのふたりは、ウッチャンナンチャンとダウンタウンが共演した、伝説のコント番組『夢で逢えたら』(フジテレビ系)以来の戦友。“毒を撒き散らす”松本と“おとなしいイメージ”の内村は、意外な組み合わせに見えたが、蛇人間の警官“ガララニョロロ”(松本)と、ダメ人間の“村三吉”(内村)に扮して行うコントは、両者とも本当に楽しそうに演じていたのを覚えている方も多いだろう。その後、松本は自分の結婚式にも、吉本興業の関係者以外で唯一内村を招待したし、内村も『笑う犬の冒険』がダウンタウンの『ごっつええ感じ』(共にフジテレビ系)と同じ時間枠で放送されることを知ると、すぐさま松本に筋を通しにいったというほど。

 そんな内村だが、一時期ゴールデンタイムの冠番組を失い、深夜の『内村プロデュース』(テレビ朝日系)ぐらいしかテレビでは見ない時代に入るが、お笑いにかける情熱を再び燃え上がらせる。ふかわりょうや有吉弘行など、低迷していた芸人を使い続け、DVDも爆発的に売れるなどして、同番組を伝説にまでしてしまうのだ。そして今、内村は冒頭で述べたようにテレビで再び大活躍し、俳優としても、NHKのBSプレミアムドラマ『ボクの妻と結婚してください。』などの主演を務めるまでにいたる。一時の不遇時代を乗り越えるという経験も果たし、ここにきて“円熟味”を増してきている内村は、まさに“絶頂期”に入ったと言えるのではないだろうか。

(文/五目舎)

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