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杉咲花、泣かされ続けた撮影現場の特別な感情

 味の素「Cook Do」CMでもおなじみの若手女優・杉咲花。ドラマや映画など出演作が途切れることなく続く売れっ子の杉咲が「自分を変えてくれた、忘れられない作品」と語るのが、映画『トイレのピエタ』。オーディションからリハーサルまで泣かされっぱなしだったという撮影現場の様子と、そこで生まれた映画への特別な想いを明かしてくれた。

キャスト、スタッフへの特別な想いを語る杉咲花(写真:逢坂 聡)

キャスト、スタッフへの特別な想いを語る杉咲花(写真:逢坂 聡)

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◆いろいろな奇跡が集まってできた

 同作は、松永大司監督が10年間思い描いてきた構想の集大成になる作品であり、主演の野田洋次郎(RADWIMPS)の初出演映画。1年をかけて行なわれたオーディションでヒロイン役を勝ち取った杉咲にとっても、スタッフやキャストとのいろいろな偶然が重なりあった特別な作品だったという。

「初めてのことと、いろいろな奇跡が集まってできた映画です。脚本を読んだとき、ドキッとしたというか、すごいものを読んでいる感じがして。ここまで“絶対やりたい!”って思うことは、それまでありませんでした」

「でも、オーディションのときは、監督がすごく怖かったんです。『そんな芝居は俺でもできる』『やる気がないなら帰れ!』とか言われて、泣かされて。そういうオーディションも初めてでした(笑)。でもすごく泣かされたのに、なぜか楽しくて! こんなに対等に向き合ってくださった監督は初めてで、それがうれしかったんだと思うんですけど、楽しかったんですよね。でも(オーディションの後は)毎回“あー落ちただろうな”って思っていたし、『次も来てください』って言われると、逆に“あぁ、どうしよう……”って思っていました」

◆「全然違う、つまらない」と言われ続けて…

 そんな長丁場のオーディションを経て得たヒロイン・真衣役。杉咲は、そのオーディション期間ですっかり役柄を理解し、芝居を仕上げていたつもりだった。しかし、撮影前に行なわれたリハーサルで、また監督に泣かされることになった。

「撮影前に少しリハーサルをやったんですけど、1年くらいオーディションをやって、途中で脚本を読ませてもらっていたので、自分のなかではもう真衣が完成していました。自信をもって、真衣としてリハーサルに行ったんですけど、監督に『全然真衣じゃない』って言われたんです。目の前にはもう(役柄の)宏でいる洋次郎さんがいて、ずっと私だけ『全然違う、つまらない』と言われ続けて。リハーサルでもやっぱり監督が怖くて、泣いたんです(苦笑)。怖くてというより、悔しくて」

「ただ、監督の指示はわかりやすくて、言ってくださることはよくわかったし、それは自分がどこか恥ずかしさがあったりして、できていないところだったりして。『花はできるから』って、最後まで監督が信じてくれていたことが救いで“やってやる!”って自分でもずっと思っていました。最初から最後まで通して、何回も何回も、宏と(台本を)読み合わせていくなかで、監督に『花は真衣をつかんだね』と言われたとき“この監督だったら、どこまでもついていける”って思いました」

 そうして完成した映画は、多くの作品に出演してきた杉咲にとっても特別なものになった。作品に対して湧き上がる感情、撮影が終わったあとも残る強い思念は、“作品に出演した女優”という立場を超えたなにかが杉咲のなかに存在しているようにも感じられる。それは言葉にするのは難しいのだろう。ただ、それほど大きな関係性を生み出した作品、共演者に出会えた喜びがひしひしと伝わってきた。

「撮影中はずっと真衣でいました。家に帰っても、宏に会えなくて、哀しくて泣いたりとか。ここまで役になり切ったのは初めてでした。だから(完成作も)どうしても真衣としてしか、観られませんでした。これからもこの映画を観るのには、ちょっと大きな覚悟が要るというのか。どうしてもあの夏を思い出してしまうから。それはすごく愛おしくもあるんですけど、哀しいから。大好きな人の死が描かれていたりもするから……。でも出来上がったのを観て、あぁこの映画に出られて本当によかったと思いました。(野田が歌う)主題歌は、打ち上げのときに初めて聴いたんですけど、とにかく泣きましたね。“宏が歌ってる!”って。やっぱり真衣として聴くことしかできなくて。“こんなの遺して、ずるい。バーカ”って思いました(笑)。でもうれしかったです」

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