肌老化の原因の8割は紫外線 あまり知られていない危険と予防対策

 まだまだ涼しい、過ごしやすい季節のイメージがある6月だが、ここ数年は真夏日が増えている。そこで気になるのが、肌だけでなく、健康にも害を及ぼすことがある紫外線。もともと6月は、夏本番の7、8月と同じくらい紫外線が強い時期。日焼けが気になる女性だけでなく、性別年代を問わず今から夏に向けての紫外線対策に気をかけたいところ。夏本番を前に、目から入る紫外線の害など、あまり知られていない危険な紫外線への対策を、アンチエイジングの第一人者であり、幅広いメディア活動も行っている皮膚科・眼科医の日比野佐和子先生に美容的観点を含めて聞いてみた。

 毎日外を歩いているだけでも浴びている紫外線は、皮膚がんや肌の老化に深く関係している。実は紫外線は、日焼け止めクリームなどのスキンケアではカバーできない無防備な目からも入ってきている。その目から入る紫外線は、角膜障害を起こす危険性があるだけでなく、他の部位と比べてとくに皮膚の薄い目の周りには影響が強く、しわやシミの原因ともなる。日比野先生によると「実は、肌の老化の原因の8割は紫外線なんです」という。

「紫外線による細胞へのダメージが大きいということのほかに、紫外線が肌に当たることで活性酸素を増やしてしまうので、酸化ストレスにより老化の進行が高まることが原因とされています。2012年の論文で、25年間、海外でトラック運転手をしていた男性の、顔の右半分はしわが少なく、車窓側にあたる左半分はしわだらけになった写真が公開されました。この論文が発表されてから、肌の老化対策としても、紫外線はしっかりと予防しなくてはならないとあらためて認識されたんです」

 その対策には、スキンケアによる肌のUVカット対策が有効だが、その一方で最近では目から入る紫外線も皮膚への影響があることがわかってきている。

「日焼け止めクリームだけでは、対策として十分ではないんです。動物実験で、目から紫外線が入ることによって皮膚への影響があることがわかりました。それぞれ、皮膚だけ、目だけに紫外線を照射したマウスでは、後者の方が体内メラニンの増加が多かったんです。これは、目に入った紫外線が脳下垂体を経由してメラニンを増やすという構造の証明になりました。もちろん、人間に対しての研究発表ではないので、人間に置き換えても同じ結果になるとは限らないのですが、目から入る紫外線は無害ではないんです。日焼けのほかにも、紫外線により角膜障害を起こしたり、水晶体に紫外線が過度に当たると白内障を起こす可能性があります。さらには網膜にも影響が出てくるので、しっかりと保護しなくてはいけません」

 健康的、美容的観点から紫外線対策の重要性を指摘する日比野繊細によると、気軽に取り入れられて効果が高いのがサングラスの活用という。「紫外線は夏の美容の大敵であるだけでなく、無防備な目からも体内に入って健康にも害を及ぼすことがあります。いろいろな紫外線対策のなかでも、気軽に取り入れられて、効果が高いのが、サングラス。目だけでなく、目の周りの薄い皮膚もしっかりと守り、シミやしわなどの老化からも守ることができます。明日からできるアンチエイジングとしてもお勧めします」。

 紫外線にはUV-AとUV-B、UV-Cの3種類があり、日常の生活に深く関わりがあるのはUV-AとUV-B。UV-Bは窓ガラスを通過しにくいとされているが、UV-Aは窓ガラスを通過し、さらに皮膚の奥まで到達。表皮も通り抜け、真皮まで到達する。日比野先生は「室内にいるときもUVカットのサングラスをかけるほうが安心」という。

 1年のなかで紫外線量がもっとも多くなるこれからの季節。紫外線を99.9%カットするサングラスも手頃な価格で市販されているが、ファッションとしてだけでなく、健康と美容のための紫外線対策アイテムとしても注目されそうだ。



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