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深夜帯も制し四冠王狙う 出演者だけに頼らない日テレの戦略

 昨年の年度視聴率で三冠王を達成した日本テレビが、この4月より“プラチナゾーン”と呼ぶ深夜帯をさらに強化している。この時間帯は三冠王を獲る同局唯一の弱点とも言われていたが、『月曜から夜ふかし』『今夜くらべてみました』といった人気番組に加えて、今年4月に大改編を行うと、じわじわと視聴率も上昇。目玉の新番組『マツコとマツコ』はまだスタートしたばかりだが、4月度月間ギャラクシー賞を受賞するなど一定の成果も見えてきている。なぜ今、気になる“ヒト・モノ・コト”が日テレ深夜帯から作られているのか?

■4月の大幅改編で「プラチナゾーン」強化

 昨年の年度視聴率で三冠王を達成し、今年度に入っても全日、ゴールデン、プライムのどの区分でもトップの日本テレビ。2位のテレビ朝日との差も引き離し、独り勝ち状態が続いている。好調ゆえに昨年の春と秋はほとんど番組改編を行わなかったが、今年は4月に課題だった午後11時から深夜1時までの“プラチナゾーン”に手をつけ、四冠を目指すべく大幅改編を実施した。深夜帯と言えば、以前は各局でゴールデンに昇格させる予備軍として育てる傾向が強かったが、必ずしもそれが成功するとは限らない。番組本来の面白さが損なわれてしまい、失敗するパターンも多発したからか、最近は、スペシャル番組を除いては深夜帯で光り輝く番組が増えている。

 そんな深夜帯の強みを活かした番組を日本テレビはずらりと並べた。週始まりから今や最も影響力があるマツコと村上信吾による『月曜から夜ふかし』、キャラの濃い出演者が赤裸々な日常をさらけ出す『今夜くらべてみました』、暴露トークがニュースになる『ナカイの窓』。さらに週末は枠移動した『有吉反省会』と4月度月間ギャラクシー賞を受賞した『マツコとマツコ』と、強力コンテンツをラインアップ。なかでも『今夜くらべてみました』は視聴率10%超えを連発し、結果も出している。

■垣間見えるテレビマンの企画力

 この日本テレビの“プラチナゾーン”の共通項は、印象的なMCを立て、人気タレントばかりに頼るのではなく、知名度に関係なく話題になりそうなヒト・モノ・コトを発掘していることだ。例えば、『月曜から夜ふかし』で人気となった、現金をほとんど使わずに株主優待生活を送る“桐谷さん”(桐谷広人氏)。失礼ながら決してテレビ的に華があるとは言えないが、飾らない姿をひたすら追い続けたことで他のメディアでも大きく取り上げられるようになった。

 こうしたトレンドの発信源となっている現状は、表には出ないが企画力や地道な取材力があってのこと。汐留にある日本テレビの本社屋内に出向くと、番組アイデアをひねり出せとばかりに“番組企画募集”のビラがよく貼り出されているのをよく見かける。プラチナゾーンが若手のテレビマンにとって企画力を磨く場になっているのだ。そんな風に切磋琢磨して番組を作ることも気になるヒト・モノ・コトが生みだす理由になっている。

■印象的なMC、若者を意識…イメージ戦略が奏功

 深夜帯と言えば、かつてはフジテレビが圧倒的な強さを誇り、それが若者層から支持を得ていた。また、テレビ朝日はまずは深夜帯から攻めたことで万年4位から脱出。日本テレビで『スッキリ!!』『ヒルナンデス!』を人気番組に育て上げ、現在はフリーとしてテレビ東京の朝の新番組『チャージ730!』を監修する村上和彦氏が「日テレの午後=ミヤネ屋のように、帯の情報番組が局の明確なブランドイメージになる」などと話すように(5月4日号「ORIGINAL CONFIDENCE」記事より)、深夜帯でもイメージ固めの戦略を応用することができるのだ。

 「日テレ深夜ってなんか面白いものをやっている」ということ浸透させるために、マツコを立て、10代女子から支持を得る藤田ニコルなどを積極的に起用しているのだろう。それがトレンドセッターの若年層の目にとまれば、番組で取り上げるニッチなヒト・モノ・コトからまたひとつ新たな話題が作られていくというワケだ。テレビが元気がなくなっていると言われる時代、日テレは“プラチナゾーン”をも制し、覇者となるのか。怖いもの見たさの感覚で今晩もチャンネルをそこに合わせてしまう人も多いはずだ。

(文/長谷川朋子)



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