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宮崎駿監督、衰えぬ創作欲 ジブリ美術館『幽霊塔へようこそ展』開幕

 東京・三鷹の森ジブリ美術館であす30日から始まる『幽霊塔へようこそ展−通俗文化の王道−』(来年5月まで開催予定)の内覧会が29日、行われた。昨年5月31日から今月17日まで同館行われていた『クルミわり人形とネズミの王さま展』に続いて、宮崎駿氏が企画・構成を担当。展示物の中には、宮崎監督描き下ろしの絵コンテ(パネル)もあり、見応え十分。描き下ろし漫画の中で「映画にするならこれ位がイイと思う」「えいがつくるの?」「えいがはつくりません」といったノリツッコミを自ら描いているコマもあり、ファンをワクワクさせるに違いない。

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 同展は、昨年、宮崎監督がロバート・ウェストールの短編小説集の中に収められていた“時計に魅了された少年の物語(『赤い館の時計』)”を読んだことをきっかけに、自身も中学生のころに夢中になって読んだ江戸川乱歩の『幽霊塔』を思い出したことに始まるという。

 実は、乱歩も少年時代に別の『幽霊塔』を夢中になって読んでいた。それは、1899年に黒岩涙香が新聞連載小説として発表したもので、イギリスの作家A・M・ウィリアムスンが1898年に発表した小説『灰色の女』の翻案だった。その後、乱歩は涙香版『幽霊塔』を同題名のままさらに翻案し、1937年より『講談倶楽部』に連載する。乱歩版を読んだ宮崎監督は、絶世の美女と主人公の青年のロマンスに憧れ、その舞台となる時計塔に強く魅せられたという。それが長じて自身の劇場映画初監督作品『ルパン三世 カリオストロの城』(1979年)における時計塔をはじめとするさまざまなモチーフに結実していったのだ。

 中央ホールには、常設の螺旋階段をすっぽり覆うように、宮崎監督がデザインした和時計の時計塔が出現。地下の大迷宮を模した迷路へと導く。第一室の迷路に入れるのは小学生以下の子ども限定で、大人たちは“ちかみち”を抜けて、宮崎監督が『幽霊塔』の物語を解説した描き下ろしの漫画パネル(16枚)の見学へ。かなり読み応えのある漫画読み物となっており、その中に『灰色の女』と乱歩版『幽霊塔』との違いを考察し、宮崎監督案の物語としての絵コンテが描かれている。

 さらに、特殊なパースで作られた映画『ルパン三世 カリオストロの城』のジオラマと、「映画ルパン三世カリオストロの城は幽霊塔の子孫です」と題し、宮崎監督がどのように物語をとらえ、考え、自身の作品に作り上げたのか、6つのポイントを解説したパネルを展示。内覧会に先立ち、あいさつに立った中島清文館長は、「宮崎監督の頭の中を覗き見してもらえるような展示です」とアピールしていた。

 三鷹の森ジブリ美術館の入場は日時指定の予約制。毎月10日(土日祝の場合は翌平日)より、翌1ヶ月分を全国のローソンにて販売(WEB、モバイル、店頭Loppiにて予約、店頭で引き換え)。7月・8月は先行抽選販売を実施しており、7月分は今月31日まで、8月分は6月25日正午から6月30日まで申し込みを受け付ける。一般発売は7月分は6月10日午前10時以降、8月分は7月10日午前10時以降となる。

■インターネット先行抽選販売
http://l-tike.com/ghibli



関連写真

  • 東京・三鷹の森ジブリ美術館で5月30日より新企画展示『幽霊塔へようこそ展−通俗文化の王道−』がスタート(C)Nibariki (C)Museo d'Arte Ghibli (C)Studio Ghibli (C)ORICON NewS inc.
  • 宮崎駿監督が考えた物語として、描き下ろした絵コンテ(C)Nibariki (C)Museo d'Arte Ghibli (C)Studio Ghibli (C)ORICON NewS inc.
  • 来年の5月まで開催予定(C)Nibariki (C)Museo d'Arte Ghibli (C)Studio Ghibli (C)ORICON NewS inc.
  • 入り口は時計塔の裏側に。東京・三鷹の森ジブリ美術館の企画展示『幽霊塔へようこそ展−通俗文化の王道−』より(C)Nibariki (C)Museo d'Arte Ghibli (C)Studio Ghibli (C)ORICON NewS inc.
  • ここから時計塔内部へと続く「機械室」をイメージした地下迷宮への入り口。東京・三鷹の森ジブリ美術館の企画展示『幽霊塔へようこそ展−通俗文化の王道−』より(C)Nibariki (C)Museo d'Arte Ghibli (C)Studio Ghibli (C)ORICON NewS inc.
  • 小学生以下の子どもたち用の迷路。東京・三鷹の森ジブリ美術館の企画展示『幽霊塔へようこそ展−通俗文化の王道−』より(C)Nibariki (C)Museo d'Arte Ghibli (C)Studio Ghibli (C)ORICON NewS inc.
  • 迷路の途中にはさまざまな仕掛けが待ち構えている。東京・三鷹の森ジブリ美術館の企画展示『幽霊塔へようこそ展−通俗文化の王道−』より(C)Nibariki (C)Museo d'Arte Ghibli (C)Studio Ghibli (C)ORICON NewS inc.
  • 中学生以上は“ちかみち”へ。東京・三鷹の森ジブリ美術館の企画展示『幽霊塔へようこそ展−通俗文化の王道−』より(C)Nibariki (C)Museo d'Arte Ghibli (C)Studio Ghibli (C)ORICON NewS inc.
  • 宮崎駿監督描き下ろし漫画「ぼくの幽霊塔」が展示されている。東京・三鷹の森ジブリ美術館の企画展示『幽霊塔へようこそ展−通俗文化の王道−』より(C)Nibariki (C)Museo d'Arte Ghibli (C)Studio Ghibli (C)ORICON NewS inc.
  • 迷路の最後には隠された財宝があり、小窓から覗き込むことができる。東京・三鷹の森ジブリ美術館の企画展示『幽霊塔へようこそ展−通俗文化の王道−』より(C)Nibariki (C)Museo d'Arte Ghibli (C)Studio Ghibli (C)ORICON NewS inc.
  • 財宝の近くには、乱歩版『幽霊塔』に登場する、自ら作った地下迷宮から出られなくなった大富豪、渡海屋市郎兵衛の姿も…。東京・三鷹の森ジブリ美術館の企画展示『幽霊塔へようこそ展−通俗文化の王道−』より(C)Nibariki (C)Museo d'Arte Ghibli (C)Studio Ghibli (C)ORICON NewS inc.
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