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尾美としのり、浮かず沈まず『あまちゃん』後も引っ張りだこ「一生懸命やるだけ」

 再放送も話題になるほど、いまも根強い人気のNHK連続テレビ小説『あまちゃん』。放送終了後、同ドラマの出演者は各方面から引っ張りだこ。それは若手俳優に限ったことではない。ヒロインの父親役を演じたことで、一躍国民的パパになった尾美としのり(49)もその一人。4月期は、NHKの『64』(放送終了)とテレビ朝日系『京都人情捜査ファイル』(毎週木曜 後8:00)に出演している。

 あの映画にも、このドラマにも、出演作の枚挙にいとまなし。シリアスもコミカルも自由自在。それも7〜8歳の子役の頃からずっと、だ。本人はどう思っているのか尋ねると、「基本的に仕事したくないんですよね」といきなり肩透かし。それが、謙遜であることは言わずもがなだが、そもそも児童劇団に入ったきっかけが、「幼稚園に行くのが嫌で、撮影で休んでいる友だちを見て…」という、さぼりたいがための口実だったという話もよく知られている。

 「役者の仕事でごはんが食べていけるんだったら…と、続けてきてしまった。ほかにできることもないですし、続けてこられたのは運がよかったというのもあるし、あれもこれもと欲張らずにやってきたのがよかったのかもしれませんね。浮いてもいないけど、沈んでもいない。潜水艦のように水中で仕事をして、終わったら港に帰って休む(笑)。その繰り返しです」と冗談交じりにこれまでのキャリアを振り返った。

 17歳の時、大林宣彦監督の『転校生』で小林聡美と主演を演じ、大林作品の常連に。その後も主役、脇役問わず、さまざまな役を演じて信頼を得てきた。自らターニングポイントに挙げた作品は、『転校生』、『鬼平犯科帳』シリーズ(1989年〜、フジテレビ)、そして宮藤官九郎脚本の『マンハッタンラブストーリー』(2003年、TBS)。

 『あまちゃん』は「世の中に認知されたと思いますが、ブレークはしたとは思っていない」という。最近では、松尾スズキ作・演出による大人計画の舞台『キレイ−神様と待ち合わせした女−』で「人前でミュージカルを初めて歌った」経験が刺激になったという。

 「マネージャー判断で引き受けた仕事の台本を読んで、一生懸命やるだけ。1本1本、ちゃんとしておかないと仕事なくなっちゃうので」と受け身のようで、役づくりのアイデアを積極的に提案することもある。放送中の『京都人情捜査ファイル』で演じる清水安裕がFRISKとリップクリームを常に携帯しているのは、尾美のリクエストによるものだ。

 『京都人情捜査ファイル』は、各都道府県警に実在する組織、「犯罪被害者支援室」が舞台のドラマ。図らずも犯罪に巻き込まれてしまった被害者や遺族に、捜査や裁判の進捗、適応される法的制度などさまざまな情報を提供し、相談に応じながら生活の手助けをする部署だ。

 犯罪被害者支援室・戸隠班メンバーの一人である清水は、明るく、ムードメーカー的存在で、しゃべりに長けた男。尾美は「よくしゃべる分、口臭にも気を使ってFRISKが手放せない。イメージリップクリームも、おしゃべりな人は唇も乾燥しやすいんじゃないかと思って」と説明。清水のちょっとおちゃらけたキャラクターは、ドラマの中で重くシリアスに傾きそうな雰囲気を絶妙に緩和させている。

 「犯罪被害者支援室のことをご存じない方がたくさんいらっしゃると思うので、そこにスポットを当てたのが素晴らしい。本物の支援室は、もちろん特捜はしないので、そこはフィクション、エンターテイメントの醍醐味なんですが、視聴者の方に支援室の存在を知っていただけるだけでも、今回のドラマは成功なのかなと思っています」。

 28日放送の第5話は、河川敷でホームレスの男性の他殺体が発見されるところから始まる。同じホームレス仲間から「センセイ」と呼ばれていた男の名前は河原真(螢雪次朗)。岩瀬警務部長(松平健)の記憶にも残る元殺人犯だった。10年前、河原は知り合ったホステスに一方的な好意を抱き、交際を断られた腹いせに女性を殺害。刑に服した過去があった。

 存命の家族は娘の佐智子(福田沙紀)一人。遺体検分に現れた佐智子は、出所後一度も会っていないという父親を「この男」と呼び、「ふさわしい死に様」だと言って涙の一つも見せない。また、自分と関係のない男の死に支援は必要ないという。10年前の事件当時、重い心臓病を患っていた佐智子は、娘が生きるか死ぬかというときに若い女性に入れあげ、殺人まで犯した父に、自分は捨てられたと思い、今なお恨んでいるのだ。

 そんな佐智子とは対照的に、河原が根城にしていた公園では、ホームレス仲間が廃材で祭壇を作り、河原の死を悼んでいた。河原が最後まで大事にしていた切り抜き記事は、10年前に佐智子が受けた心臓の移植手術成功を伝える記事だった。そして、10年前の事件の再調査を皮切りに特捜を始める。



関連写真

  • 犯罪被害者支援室を舞台にした警察ドラマ『京都人情捜査ファイル』に出演中の尾美としのり(C)テレビ朝日
  • 犯罪被害者支援室のメンバーが捜査する部分はフィクションです(C)テレビ朝日

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