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きゃりーぱみゅぱみゅに見る新世代のアイコンのあり方

 ジャパン・カルチャーを象徴するアイコンとして、日本のみならず海外からも高い注目を集めているきゃりーぱみゅぱみゅ(以下、きゃりー)。ひと昔前はアイドル的、カリスマ的人気を集めている日本のポップアイコンといえば、あまりパーソナルな部分を見せずにある程度距離感を保ったうえで偶像としての価値を得ていたように思うが、彼女の場合、大きな影響力があるにも関わらず、自分の考えやプライベートをオープンにすることで自己の価値を確立している。きゃりーぱみゅぱみゅに見る、新世代のポップアイコンのあり方とは?

◆時代を彩ってきたポップアイコンたち

 2011年8月、ミニアルバム『もしもし原宿』でメジャーデビューしたきゃりー。世界23ヶ国で配信リリースした同作のリード曲「PONPONPON」が各国のiTunesチャートを賑わせ、鮮烈なデビューを飾ったのも、もう約4年前のことだ。モデル時代からアルファブロガーとして高い発信力を持ち、歌手デビュー以降もスタンスを崩さずにブログ、Twitterなどを通して日常生活や日々の想い、ファッションなど、パーソナルな部分を発信している。

 振り返ってみると、1980年代の松田聖子、1990年代の安室奈美恵、2000年代は浜崎あゆみ…各年代を彩ったポップアイコンたちは、“憧れ”として同年代の女性たちがファションをこぞって真似しながらも、どこか近づけない神々しさのようなものがあった。完璧なまでに磨き抜かれたアーティストイメージ。一般人には手が届かなかったからこそ、時代のトレンドをけん引するポップアイコンとして君臨したのだ。しかし、絶対的なカリスマとなっていたからこそ、ひとたびスキャンダルでもあろうものなら、一斉にバッシングを受けかねない危うさも秘めていた。

◆カリスマ性&親近感を兼ね備えたきゃりー

 しかし、近年はインターネットの普及もあって、アーティストがどんなにイメージを作っても、着飾っても、それがすべて透けて見えるようになってしまった。むしろ、完璧なイメージよりも、たどたどしくとも自分なりの言葉で表現・発信し“リアルな人間くささ”を感じたほうが良しとされる風潮。きゃりーは国内外に熱狂的なファンを待つようになった今も、Twitterなどを通して自分の思ったことをストレートに伝え、プライベートまでオープンにしている。時には言葉がストレートすぎて“炎上”してしまうことさえある。音楽性やファッションなどではカリスマとして唯一無二の世界観を確立する一方で、常に等身大の自分を見せてきたことが今の時代にうまくハマったのだ。

 また、こうしたポップアイコンに反応している層の変化も理由としてあるだろう。近年、 様々な趣味・嗜好が多様化しているなかで、ファッションなどにおいて“他人との協調”“周囲からどう見られるか”よりも、より“自分らしさ”が出せるものが選択されるようになってきている。そんななかにあって、男ウケを意識するでもなく、自分が「好き!」と思ったものをとことん貫くきゃりーの姿勢に共感する女性も多かったようだ。日本の横並びの社会の中で個性を発揮していきたいと考える女性たちにとって、きゃりーはその願望を代弁してくれる存在でもあるのだ。

 こうして考えると、従来同様の誰にも取って変わることのできない“カリスマ性”に加えて、真逆ともいえる“親近感”を同時に抱いてもらうこと、そして何より受け手側との距離が近くなっても惑わされず自分のスタイルを貫いていくことが、新世代のポップアイコンのあり方と言えそうだ。2010年代のトレンドを象徴する存在として、10年後、20年後、きゃりーはどんな“伝説”を残しているのだろうか。



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