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鈴井貴之監督、テレ東深夜ドラマで敢行した3つのチャレンジ

 テレビ東京系の深夜ドラマ枠「ドラマ24」で放送中の『不便な便利屋』(毎週金曜 深0:12※テレビ大阪は毎週月曜 後11:58)。今回もチャレンジングな内容で話題を呼んでいる。脚本・監督を務めたのは、北海道のローカル番組でありながら、全国区の人気を獲得したバラエティー『水曜どうでしょう』(HTB)の企画・出演者であり、舞台演出や執筆活動など幅広く活躍している鈴井貴之氏。連続ドラマ全編の脚本・監督に初挑戦した鈴井監督が、今作でチャレンジしたこととは?

■ドラマの撮影でギネス世界記録に挑戦

 これまでに映画を4本撮りましたが、「僕はこういうのが作りたいんだ」という思いが先に立っていて、そういう時期が相当長かったんです(笑)。でも、今回のドラマは観てくださる方にいかに楽しんでいただけるかを主眼に作りました。視聴者の反応として、賛否両論、好きな人も嫌いな人もいるというのが、バランスのとれた状態だと思っていますが、一人でも多くの方に喜んでいただけたらという願いと、面白さが伝わるのではないかという手応えを感じています。

 今回の企画自体は、浅野太プロデューサーと何かやりましょうと、3年半くらい前から考えていたもので、渋谷のいつも決まった居酒屋で打ち合わせを続けてきました(笑)。正直、連ドラにするつもりはなかったんですが、物語の舞台にしようと思った北海道赤平市(鈴井氏の出生地でもある)は、映画館もなければ、レンタルビデオ店もない、映画を観ようと思ったら、1時間くらいかけて札幌か旭川まで出かけなければならないような田舎町。でも、テレビならたいていのご家庭で観られるので、撮影でお世話になった街の人たちも気軽に観ていただけるんじゃないかと思うようになりました。

 何より、1クール3ヶ月も放送が続くというのも魅力的。いま、余程の大作かヒット作でもない限り、映画で3ヶ月興行を続けるのは難しいですから。連続ドラマで、それも全編完全オリジナルでやれる機会を狙っていたところで、こうして実現するとは思っていなかった。テレ東さん、いいんですか? やっちゃっても、という感じです(笑)。

 今作で僕がチャレンジしたことは3つあって、1つはドラマの撮影でギネス世界記録に挑戦するというもの。「1時間で作るスノーマン(雪だるま)の数」に挑戦し、1時間で2036体を作ってギネス世界新記録として認定されました(4月1日時点)。赤平市民を中心に総勢1406人が参加してくれました。

■テレビドラマで役者の芝居をちゃんと伝える

 2つ目は、手法としてカメラをほとんど動かさずに、フィックスした画面の中で長回しをして、どれだけ芝居をちゃんと伝えることができるかどうか。3つ目は、クランクインまでに脚本も絵コンテも全話分書き上げ、事前の準備をしっかりしてやった上で撮影に入るというシステム的なことですね。連ドラの現場って、直前まで台本が出来上がっていないことがほとんどで、そういう状況でお芝居をする役者もたいへんなんです。タレント事務所の会長でもありますから、そういう制作現場を率先して改善していこうと思いました。健全な現場をつくれば、みんなハッピーで、力を発揮できると思ったんです。

 『水曜どうでしょう』がお好きな方には、本編のあちらこちらに僕が出没していますので、それを見つけて楽しんでいただきたいですね(笑)。僕以外にも余計なことをいっぱいしている人がいますけどね。たとえば第1話の病院のシーンで「奇跡だ、奇跡だ」と言っている時、奥の方で車いすに座っていたがそっと立ち上がって、“クララが立った”の奇跡を再現していたり、そういう小ネタを織り交ぜているので、見つけて楽しんでいただけたらと思っています。



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