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早見あかり、生きるのが楽になった

 アイドルグループ・ももいろクローバーの元メンバーとしても知られ、ここ最近ではドラマや映画への出演が相次ぐほか、人気トーク番組『A-Studio』(TBS系)のアシスタントなど女優としてもタレントとしても目覚ましい躍進を見せている早見あかり。この3月に20歳になったのを記念して発売された初の写真集『Twenteen』では、これまでとはまったく異なる顔を見せていることも話題を呼んでいる。そんな転機を迎えている早見の今に迫る。

「やっと女優としてのスタートラインに立てた」と語る早見あかり(写真:鈴木一なり)

「やっと女優としてのスタートラインに立てた」と語る早見あかり(写真:鈴木一なり)

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◆SNSはこれからもやらない

――20歳の誕生日には写真集発売記念イベントがありましたが、プライベートでもお祝いはしたんですか?
【早見】 友だちが祝ってくれました。翌日に実家にも行くつもりだったんですけど、母と妹がふたりとも胃腸炎にかかって「うつしてしまったら困る」ということだったので。別のタイミングで行って、写真集を玄関に置いてきました(笑)。

――写真集の文章のところで、お母さんのことがよく出てきていましたが。
【早見】 母は電話で「私のための本みたい」って喜んでくれました。

――自分では完成した写真集を見て、どんなことを感じました?
【早見】 雑誌とかでは大人っぽい表情の写真を使われることが多いから、初めて会った方には「怖い人かと思っていたら、すごくしゃべるんですね」ってよく驚かれるんです。この写真集では、笑顔とかいろいろな表情を載せたいと思って、私もセレクトに携わりましたけど、笑っていない写真ではやっぱり「人間の内面は隠れるんだな」と思いました。

――自撮りを集めたページもありますが、顔が汚れているのはあえて?
【早見】 それは役のときのですね。血だらけの写真は『すべてがFになる』(フジテレビ系)の現場だったり。撮ろうと思ったときに撮っているので、仕事とプライベートが混ざっています。

――今のタレントさんはこういうのをブログやツイッターに上げますが、早見さんはSNSをやっていませんよね。
【早見】 単にプライベートをさらしたくないんです。「何を食べた」「どこに行った」……と全部教えるのが当たり前みたいな世の中になっていますけど、なぜそれが当たり前になるのか、全然わからなくて。言葉で「こういうことがありました」と話すのはいいけど……。だから、ツイッターとかこれからもやらないと思います。でも、写真集にはこういう写真も出してもいいかなと。

◆“壁ドン”されたい願望はない

――写真集の撮影期間には、ドラマや映画にも続けに出演していて。女優として確実にステップアップしている実感はありますか?
【早見】 昨年は1年を通して、いろいろな役をやらせてもらって。役作りの時間がないとか、ふたつの役が同時期に重なるとか、女優さんなら当たり前のことを初めて経験して、スタートラインに立てたと思えました。

――壁に当たったことも?
【早見】 葛藤はありました。ちょうど『マッサン』(NHK)のすみれと『すべてがFになる』の真賀田四季が重なっていたんです。普通の明るい女の子と、「神に近い」と言われるとんでもない存在と、本当に対極にある役。『マッサン』が大阪での撮影で、周りの人たちは「新幹線に乗っている間に切り替えて」と簡単に言うわけです。でも、真賀田四季をどう演じればいいのかさっぱりわからず悩んでいたのに、そこからすみれになって、また真賀田四季になって……。「簡単に言わないで!」と思うこともありました。

――目標は柴咲コウさんだそうですが、同年代で気になる女優さんはいますか?
【早見】 私、小さい頃から競争が大嫌いで。まわりにすごい方がたくさんいるのはわかっているんですけど……負けちゃいけないんでしょうけど、そういう気持ちより「みんなすごい」と思ってもらえるようにがんばりたいです。だから誰かを意識するとか、まったくないです。私は私。

――たとえば同い年で共演歴もある松岡茉優さんなんかは、どう思います?
【早見】 茉優は女優として尊敬できるし、友だちとしても仲良いです。茉優が出ているドラマを「おもしろいな」と思ったりもしますけど、すごい女優というより友だちとして見る感覚のほうが強いです。ももクロに対する気持ちと一緒です。

――早見さん自身がももクロでアイドル活動をしてきたことは、女優として活きていますか?
【早見】 すごく糧になっています。ももクロでの経験から、一番学んだと思うのは度胸。とりあえずやってみればできる、という。私は性格的に“ザ・A型”で、道から少しでも外れたら「もうできない」というのがあったんです。でも今は「全然A型っぽくない」とよく言われて、良い意味で適当になれて。普通に生きるのも楽になりました。

――イベントでは「胸キュンの学園ドラマをやりたい」という話がありましたが、実生活で胸キュンしたいとは思いませんか?
【早見】 “壁ドン”や“アゴクイ”をされたい願望はなくて、そこにキュンとはしません。カッコイイ俳優さんがやるから良いんじゃないかと(笑)。役なら、女の子がワーッとなって疑似恋愛してもらえたらいいですけど、実際に壁ドンをするのは「ちょっと考えてみて」と思ってしまいます(笑)。

――20歳になったのを機に、やりたいことはないですか?
【早見】 仕事でやれることは増えたと思いますけど、プライベートでは大衆居酒屋に行って、隣りに座った知らないおじちゃんと話をしたりして仲良くなりたいです(笑)。
(文:斉藤貴志)

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