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映画館の音楽ドキュメンタリー上映 3年で約3倍

 ライブ・エンタテインメント市場に新たなビジネスチャンスを創出したライブ・ビューイング。ライブの生中継から、その舞台裏をまとめたドキュメンタリー、さらに過去の名演をリバイバル上映するなど、ますます存在感を強めている。

 映画館で映画以外のコンテンツを上映するODS(Other Digital Stuff)。2000年以降、映画館のデジタル対応が進んだことで、ODSの実施数も徐々に増加していった。特に、映画館に通信設備が整ったことで、音楽ライブやスポーツを生中継するケースが増加。音楽ライブは、11年6月にライブ・ビューイング・ジャパンが設立されると一気に加速。ももいろクローバーZでは、アリーナやスタジアムクラスの公演は、ほぼすべて生中継を実施するなど、“ライブ・ビューイング”という言葉も音楽ファンの間で着実に浸透している。

 実際、TOHOシネマズのODS実施件数を見ると、11年度(11年3月〜12年2月)では91件だったのに対して、14年度(14年3月〜15年2月)では270件と約3倍まで伸長。動員数も右肩上がりで増加しており、TOHOシネマズの14年度の動員数は前年同期比175.3%となっている。

 現在、ODSの実施事例では、大きく分けて、ライブの生中継、音楽ドキュメンタリー上映、そしてミュージカルやオペラなど演劇の生中継が目立つ。とりわけここ数年で顕著になってきているのが音楽ドキュメンタリーの増加だ。10年に上映されたMr.Children『Split The Difference』、翌11年に上映され、その後シリーズ化したAKB48『DOCUMENTARY of AKB48』と、ヒット作が続いたこともあり、その後、UVERworldSPYAIRSEKAI NO OWARI2PMBUMP OF CHICKENファンキー加藤横山健吉井和哉、L’Arc-en-Cielなどが上映された。

 これまでライブの舞台裏やインタビューなどで構成されたドキュメンタリーは、音楽パッケージ作品の“特典”として収録されることが多かったが、ODSとして上映することで、商品価値が生まれ、新たな収益も期待できるようになった。そのため、映画監督を起用して制作するケースも増ている。次頁に掲載したTOHOシネマズの14年度の録画系の動員数上位作品でも、20作品中、7作品がドキュメンタリーとなった。新規ビジネスとして注目度も高まっており、今後も増加していくことが予測される。

 一方で、ひと頃の“フィルムコンサート”も、昨年あたりから目立ち始めている。Mr.Childrenのファンクラブ限定ライブの模様を上映した『Mr.Children REFLECTION』は3週間限定ながら、観客動員20万超、興行収入3億円超を記録。このほかにも、ポール・マッカートニービリー・ジョエルワン・ダイレクションなど、海外アーティストのライブの上映も増加。また、一昨年には三波春夫美空ひばりの過去の映像をまとめた作品も登場。本年は忌野清志郎のライブフィルムが上映され、録画系ランキングで7位となった。貴重なコンサート映像などは膨大な数が残っており、こうした映像を活用した上映も需要がありそうだ。

 生中継系では大規模公演や海外公演で実施されるケースが多く、稼働率も軒並み8割を超える盛況となっている。また、近年話題の2.5次元ミュージカルから『『弱虫ペダル』箱根学園篇〜野獣覚醒〜』が9位にランクイン。宝塚歌劇も5 作品がTOP30入り。演劇ファンにもライブ・ビューイングが定着しているようだ。(ORIGINAL CONFIDENCE 15年4月13日号より)



関連写真

  • 14年に結成30周年を迎えたパンクバンド、ニューロティカのフロントマンで、東京・八王子で母親とともに実家の菓子屋を営む“あっちゃん”ことイノウエアツシの姿に迫ったドキュメンタリー映画『あっちゃん』(C)あっちゃん製作委員会
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