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オタ芸、ケミカルライト禁止……アイドルファンの“応援”、どこまで許される?

 AKB48やももいろクローバーZらに代表される2000年代後半からの女性アイドルグループの台頭により、ここ数年、アイドル系のコンサート、大型イベントが増加している。その一方で、新規のファンが流入したことで、日に日に目立つようになってきたのが“マナー”問題だ。最近では女性アイドルグループ、アイドリング!!!が一部ファンの迷惑行為によりライブを中断したことが記憶に新しいが、全身を使ってパフォーマンスし自己をアピールする「オタ芸」や化学反応で発光する液体式の「ケミカルライト」の使用を禁止するなど、規制を厳しくするグループも増えてきた。とはいえ、コンサートの楽しみ方にルールはなく、本来は自由に楽しむべきもの。アイドルファンの“応援”はどこまで許されるのだろうか?

■AKB48はケミカルライトの持ち込みを全面禁止

 女性アイドルグループの現場に一度も足を運んだことがない人でも、テレビなどでコンサートでの独特の応援スタイルを見たことがあるだろう。手にカラフルな光るペンライトを持ち、グループによって多少の違いはあるものの楽曲のイントロや間奏で掛け声をする「MIX」、腕を手前から上へと振り上げる「ケチャ」、歌唱中にリズムに合わせてメンバーの名前などを叫ぶ「コール」など、ユニークな文化を形成している。

 一方、「アイドル戦国時代」と呼ばれるまでに多くの女性アイドルグループが躍進したことにより、こうしたコンサート現場でのマナー問題も深刻化してきた(これはアイドルグループに限ったことではないのだが)。例えば、前述のアイドリング!!!のように全身を使って踊る種類の「オタ芸」は、動きが大きいために周囲にぶつかりトラブルになることも多く、“迷惑行為”として事実上禁止(打っていると注意される)。また、「ケミカルライト」は乱暴な扱い方をしたことで液体が飛散する事故が続出し、AKB48グループも今年2月からライブ会場への持ち込みを禁止した。

■相次ぐ禁止に「寂しい」という声も

 こうした取り組みにはマナーを守らない一部の客を抑制する効果があり、普通に楽しんでいるファンから賞賛の声が上がる一方で、「何でもかんでも禁止してしまうのはいかがなものか?」という声も聞かれる。音楽のコンサートとは本来、観客それぞれがある程度のルールを守り自由に楽しむべきものだ。「オタ芸」や「ケミカルライト」自体も決して悪いものではなく、そのグループやメンバーへの忠誠心を示すパフォーマンス。周囲と息の合ったパフォーマンスができたときの一体感は、ステージ上のアイドルを含め現場でしか味わえない感動を生む。

 しかし、過剰なまでに規制してしまっては、生のコンサートならではの“エンタテインメント”としての楽しさが失われてしまう。現場の応援が均一化されてしまうことはもちろん、AKB48の大島優子の卒業コンサートなどでも実施されたいわゆる“サイリウム企画”などファン有志の企画の実行も難しくなり、せっかく会場に足を運んで生のパフォーマンスに触れても、どこか無機質な感覚に陥ってしまうだろう。エンタテインメントとして成り立たせるためには、ある程度の自由度も必要なのだ。

 もちろん、主催者側の「コンサートを最後まで安全に楽しんでほしい」という思いも十分にわかるが、決して安くはないチケット代を払って会場に足を運んだのだから、観客は熱のこもった質の高いエンタテインメントを楽しみたいというのも当然のこと。その一方で、ファンにもそのエンタテインメントを楽しむ資格を得られる“節度ある行動”が求められている。盛り上がりが目立っているジャンルだからこそ、コンサートでのモラルについてもう一度考える必要がある時期にきたのではないだろうか。



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