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松井玲奈が倒れた…SKE“鬼レッスン”の真実――石原真監督に聞く【2】

――ファンの呪縛を解こうにも、13年春に9人が大量卒業したSKE48は、昨年12月に1期生の中西優香、佐藤実絵子が卒業を発表して以来、再び卒業ラッシュ状態となっています。
石原 女性アイドルグループの永続性は、古今東西問わずありません。アイドルは基本的にはティーンですから、一代で終わらせるか、世代交代をするしかない。48グループは壮大な世代交代に取り組んでいますが、女性アイドルの生き方として、受験のため、個人で何かやりたいから、普通の女の子に戻りたいから辞めますというのは自然の姿だと思います。ただ、ちょっとSKE48は多いですけどね。

 昨年12月下旬から2ヶ月足らずで9人も卒業を発表したので、ファンは動揺しているかと思いますが…。でも、若手メンバーが「センターになりたい」というシーン。あれは全く誘導していなくて、自発的にそう答えた子を全員入れました。SKE48の精神は先輩から引き継がれ、後輩たちにも汗、涙、全力のパフォーマンス、笑顔の遺伝子が組み込まれているので大丈夫ですよ。

――どうしても入れたかったシーンは?
石原 コアは三つあります。まず、「ピノキオ軍」(チームS劇場公演『制服の芽』の楽曲)のレッスンはメンバーのインタビューをインサートで入れているので、5分以上切らずに使っています。実は特典映像として少しだけ世に出たときに、“大炎上”したシーンです。松井玲奈が(腰を痛めて)倒れているのにレッスンを止めずに続けたことで、(振付師の)牧野アンナは鬼、SKE48は体育会系で怖いというイメージがついてしまった。あのとき、それぞれどう思っていたのかを当事者の証言で振り返ろうと。

 もう一つは『第3回選抜総選挙』(2011年、日本武道館)で高柳明音が秋元(康)さんに向かって「私たちに公演をやらせてください!」と叫んだ。あのとき彼女はなぜ、(本人の覚悟としては)クビになる覚悟で叫んだのかという背景を描きたかった。あとは『AKB48グループドラフト会議』(13年)で一人も取らない予定だったチームKIIが、他チームが1〜2巡目で選択を終えるなかで唯一5巡目まで指名した。5巡目で惣田紗莉渚を指名するくだりで、一体あの円卓では何が話し合われていたのか。それに加え、ラストシーンは映画を作り始めたときから頭にありました。卒業生のその後をきちんと撮影することが重要なので。

――膨大な映像の取捨選択は困難だったのではないでしょうか。
石原 兼任・移籍を入れられませんでした。兼任・移籍を会社の人事異動になぞらえると、相当描けるなと。インタビューはしていたのですが、あまりいい出口が見つからなかったので今回は泣く泣くカットしました。もし次回作の制作ができるなら入れたほうがいいなと思います。ドキュメンタリーの理想的な上映時間が1時間55分の尺なのですが、2時間10分くらいから減らなくてね。ううっ…とうなっていましたよ。

――この作品を通して伝えたかったことは?
石原 女性の生き方です。たまたまSKE48というグループに身を置いた125人の女の子たちの生き方を描きたかった。卒業生を出しすぎだというお声もありましょうが、卒業を抜きにしてSKE48を語れないのは事実なので。現役、卒業生も含め、女性たちが何を考え、どう生きているのか。本質的なテーマは一生懸命生きている女性へのエールです。



関連写真

  • 本作が映画監督デビュー作となる元NHKプロデューサーの石原真氏
  • 愛ある厳しい指導でSKE48を鍛え上げた振付師の牧野アンナ氏 (C)ORICON NewS inc.

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