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ライブ「本人確認システム」 チケット転売防止に効果

 ファンクラブ運営やチケッティング業務を行っているテイパーズが、NECの顔認証技術を利用した本人確認システムの運用を開始した。これにより、チケット転売の防止に役立つうえ、目視での本人確認よりもスムーズな入場が可能になるという。

14年7月に日産スタジアムで行われた「ももクロ夏のバカ騒ぎ2014 日産スタジアム大会〜桃神祭〜」での顔認証入場の様子

14年7月に日産スタジアムで行われた「ももクロ夏のバカ騒ぎ2014 日産スタジアム大会〜桃神祭〜」での顔認証入場の様子

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 昨年12月にさいたまスーパーアリーナで開催された、ももいろクローバーZのコンサートで、顔認証技術を利用した本人確認システムの本格的な運用がスタートした。チケッティング、ファンクラブ運営、マーチャンダイジングなどの業務を行うテイパーズが導入し、ファンクラブ会員の本人確認のために使用。目的はチケットの転売防止だ。

 同社では以前からチケットの転売を防ぐために様々な対策を取ってきた。その1つが「当日発券システム」。チケットはすべて「座席指定引換券」
となり、座席番号は公演当日、入場の際に発券される座席券を受け取るまでわからない。事前に座席の位置が確認できないため、オークションなどで転売しづらいというわけだ(このシステムは浜田省吾B’z福山雅治いきものがかりなどのコンサートでも採用されている)。

 さらに同社では、コンサート会場におけるファンクラブ会員の本人確認にも取り組んできた。従来は顔写真付きの身分証明書と会員証で確認していたが、運転免許証などを持っていない会員はパスポートなどを用意しなければならず、会員に負担を強いることになっていた。また、コンサート当日に身分証明書を忘れるなどのトラブルのほか、会員証と証明書の貸し出しとともにチケット転売を行うケースも発生していた。そこで同社は、NEC の顔認証システムを採用。14年7月に行われた、ももクロの日産スタジアム公演で導入し、12月のさいたまスーパーアリーナ公演で本格的な運用をスタートさせている。

■世界一の精度を誇る顔認証システムで、来場者の負担も軽減

 世界各国の出入国管理やオフィスのセキュリティなどに使用されているNECの顔認証技術は、米国国立標準技術研究所が実施したテストで1位を獲得するなど、世界最高レベル。エンタテインメントへの応用もスムーズだったという。

「ファンクラブの会員の方には、チケット購入時に専用のサイトで顔写真を登録していただきます。当日は会員証を提示していただき、係員がカメラ付きのタブレットで顔写真を撮影、画像を照合することでご本人の確認をします。来場する際に身分証明書を携帯する必要もなく、お客様のストレスは大幅に軽減したと思います。本人確認にかかる時間もこれまでに比べ最大30%短縮。入場も非常にスムーズになりました」(テイパーズ 担当者)

 オークションを利用したチケットの転売もさらに減少。顔認証システムはファンにも好意的に受け止められているという。

「チケットの転売防止対策を望む声は、ももクロのファンからも多く聞かれていました。チケット購入者のほとんどは、熱心にももクロを応援し、コンサートを楽しみにしている方。顔認証システムの導入も、ファンのみなさんの要望に応え、負担を減らすことにつなげたいですね」

 顔認証システムはBABYMETALのファンクラブイベントでも導入されるなど、徐々に広がりを見せている。

「コンサートだけではなく、ファンクラブの会員を対象としたテレビ番組の観覧募集など、様々なイベントに対応できる」というこのシステムは、拡大し続けるコンサートビジネスにおいても、大きな役割を果たすことになりそうだ。

(ORIGINAL CONFIDENCE 15年2月23日号掲載)

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