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HMV中古レコード店が活況 若者を中心に加速するアナログ人気

 国内でのアナログレコード需要が急速に高まるなか、昨年8月に東京・渋谷にオープンしたアナログレコード・CDの中古専門店「HMV record shop 渋谷」。オープンから約5ヶ月、マニア心をくすぐるこだわりの選盤や独占盤商品などが奏功し、当初の予想を上回る売り上げを記録しているという。

■伸長するアナログレコード販売数

 欧米では2000年代後半から同市場が急成長。米ニールセン・サウンドスキャンによると、全体の割合としてはまだ少ないものの、2014年のアナログレコードの販売枚数は前年比152%で、集計を始めた1991年以降、過去最高を記録したという。日本では、2012年に始まった「RECORD STORE DAY JAPAN」の影響や、ここ数年、若手アーティストがこぞってアナログ盤を発売していることもあり、2010年代に入ってから増加傾向に。欧米、日本ともに、CD世代の若者がアナログレコードに興味を示していることは特筆すべきところだ。

 こうした状況のなか、渋谷宇多川町にオープンしたHMV record shop 渋谷は、洋楽全盛期の1960〜1980年代の中古レコード・CDの名盤を中心に、アナログプレーヤーやグッズなども取りそろえる。オープン時には40〜60代をメインターゲットとしつつ、若い層も取り込みたいと話していたが、店長の竹野智博氏によると、「一番多いのは30〜50代のお客様ですが、予想より若い方が多い印象です」という。「若い方は邦楽のアナログ盤を目当てに来店される方が多いです。やはりここ1、2年ほどで邦楽のアナログ盤リリースの動きが本当に加速しているので、イベントをやるとかなり盛り上がります。あとは立地的に、ふらっと立ち寄ってプレーヤーの使い方など訊ねられることも多いですね。最近は『アナと雪の女王』のアナログを入荷したときに、プレーヤーと一緒にお買い求めくださる方が多かったのが印象的でした」(竹野氏)。

 同店は「HMV」というブランドもあり、比較的ライトな層からの反応が高い一方で、コアなアナログファンや若いころにアナログを聴いていた層もしっかりと取り込んでいる。その理由のひとつが、“バイヤーの顔”が見えていること。商品はジャンルごとのバイヤーが直接海外に出向いて買い付け、100万円を超えるレア盤や名盤も置かれている。「また、客からの買い取りはバイヤー指名も多く、大型チェーンでありながら“町のレコード屋さん”といった印象。「いいものがないとお客様に来てもらえないですからね。平均して一人4〜5枚買っていかれます。セールの時にはオープン前から並ばれる方もいるんです」と、すでにお店自体にファンがついていることが窺える。

 これだけ情報網が発達しているなかで、お店に足を運んで商品を買うということは、“そこに行けばいいものと出会える”と知っているということ。取材に訪れたこの日も、オープンと同時に一目散に目当てのコーナーまで走り、膨大な量のレコードから好きな作品をピックアップしている複数の客が目に入った。このほか、独占盤レコードの販売もリピーターを増やしている。「最近反響があったのは、MUTE BEATの独占盤です。こちらはレーベルさんにも協力していただき、80年代のレアポスターを掲示しているのですが、ポスターを目当てに来店される方もいらっしゃいました」(竹野氏)。

 かつてあったHMV渋谷は、今もなおアーティストに影響を与え続けている“シブヤ系”というトレンドを生み出した。同店が新たな渋谷のトレンド発信基地となるか、引き続き注目していきたい。



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