ドラマ&映画 カテゴリ
ORICON NEWS

米ドラマ界で活躍する真田広之、作品選びは「自分らしく、日本人らしく」

 アクション俳優から演技派、さらに『たそがれ清兵衛』(2002年)や『ラストサムライ』(03年)で世界の注目を集めて国際派へと羽ばたいていった俳優・真田広之(53)。米ロサンゼルスを拠点に米ドラマ界でも活躍する真田にとって初の海外ドラマのレギュラー出演作となる、サイエンス・スリラー『HELIX(ヘリックス)−黒い遺伝子−』が、きょう10日午後11時より無料BS「Dlife」で放送開始される。

真田広之がレギュラー出演する米ドラマ『HELIX(ヘリックス)−黒い遺伝子−』が1月10日からBS・Dlifeで放送開始(C)Dlife

真田広之がレギュラー出演する米ドラマ『HELIX(ヘリックス)−黒い遺伝子−』が1月10日からBS・Dlifeで放送開始(C)Dlife

写真ページを見る

【写真】その他の写真を見る


 真田は、物語の舞台となる研究所所長の日本人科学者、ハタケ・ヒロシ役で、物語全体のプロローグといえる第1話の冒頭から登場し、ストーリーの鍵を握る重要かつ、ミステリアスなキャラクターを、磨き上げた演技と英語力で演じた。日本語吹替版の“吹替”も自身で行っている点が見どころの一つでもある。

 特に第1話について、真田は「シーズンを通して出てくるヒントや、キャラクターが全員登場しますので、あらゆる情報が散りばめられているというか、隠されているのが1話目なんです。そういったことを(視聴者に)インプットしていただく大事なエピソードなので、全体のアイデアや状況設定を目に焼き付けていただければと思います」と促す。

 人類に危険を及ぼす謎のウィルスが発生したという報告を受け、北極にある巨大製薬所の研究所に派遣された主人公のアラン・ファラガット博士(ビリー・キャンベル)をリーダーとする疾病予防センター(CDC)のチーム。秘密裏に遺伝子操作の研究が行われていたこの場所で、何が起きたのか、何が起ころうとしているのか。全編を通して1話で1日ずつ進んでいく、13日間(全13話)の物語。

 真田は「個人的に音楽を非常に気に入っています。内容とミスマッチと思えるような70年代のポップスがかかって、そのことがさらに恐怖を引き立てるものにしているので、音楽にも注目していただければと思います」と話している。

■紋切り型の日本人役を押し付けられる時代は終った

 この記事の取材は、4月からWOWOWで放送予定の『エクスタント』のプロモーションや日本語吹替版の収録のため、昨年12月に日本に一時帰国した時のものではなく、その後、ロスで行ったもの。“向こう”側にすっかり溶け込んだ感のある真田だが、「作品を選ぶ段階から、自分らしく、日本人らしくという意識はありますね。今まで自分がやってきたスタンスを崩さずにどこまでやれるか、というのがこちらに来てからの一つのテーマだと感じています」。それは、世界をマーケットにした作品に挑戦すると決めた覚悟であり、矜持でもあるのだろう。

 「自分を曲げて、要求されるものにそぐっていくだけでは、こっちに来た意味がないというか、それで成功してしまっても『自分の人生なのかな?』という思いはありますね。だからとにかく自分らしくどこまでいけるかというのが常にあります」。

 真田が海外で挑戦し続ける理由の一つに「小さい時からこちらの映画(米映画)を観ていて、かなり誤解されている日本人キャラが多いと感じていて、なんとか自分たちの世代でそれを直したいというのは、課題の一つとしてあった」と明かす。海外に拠点を移して10年、「作品にもよりますが、今は紋切り型の役を押し付けられる時代は終わったかなと思っています」と変化も感じ始めている。

 「今は東洋の精神性や神秘性について、ストーリーの中で求められることが多いように感じています。僕も、謎の…、ミステリアスな…という役が結構ありますが、バックグラウンドや状況が役によって異なるので新鮮に取り組めるんです。彼らが日本人やアジア人に求めるのは、特に日本人ですが、やはり歴史の長さから来る、精神性、神秘性、文化といったものが、憧れや尊敬の念も込めて、こちらにないものとして、求められているような気はします」。

 『HELIX』のハタケ博士も謎の研究者だ。「日本生まれの日本人ではあるんですが、北極の基地が舞台ということもあり、特に日本文化を背負うとか、日本人でないといけないという役でもない。ハタケのオフィスにある置物とかで、アジア色を出したいという小道具さんの意見もあったんですが、監督と相談して、敢えて『それはやめませんか?』ということにしました。ハタケが日本人じゃなくても成立するという意味でいくと、そのミステリアスな部分をキープするのも大事なんですが、もっと普通の存在として、普通に日本人が映画にもテレビにも出ているという、変に文化を背負わなくてもいい時代にしたいなと思いますね。一歩進んで」。真田の今後がますます楽しみだ。

 『HELIX(ヘリックス)−黒い遺伝子−』は無料BS「Dlife」で、吹替版は1月10日スタート(毎週土曜 後11:00〜ほか)、字幕版は1月16日スタート(毎週金曜 深1:00〜ほか)。

関連写真

  • 真田広之がレギュラー出演する米ドラマ『HELIX(ヘリックス)−黒い遺伝子−』が1月10日からBS・Dlifeで放送開始(C)Dlife
  • 感染ウイルスが発生した北極の研究基地の謎の研究者ハタケ博士役を演じる(C)2014 Sony Pictures Television Inc. All Rights Reserved.

オリコントピックス

あなたにおすすめの記事

メニューを閉じる

 を検索