サザンオールスターズが2014年12月27日（土）、28日（日）、30日（火）、31日（水）の4日間にわたり横浜アリーナで『サザンオールスターズ 年越しライブ2014「ひつじだよ！全員集合！」』を開催した。ORICON STYLEでは、実に9年ぶりの年越しライブとなった4日目をレポート。約1万5000人の観客を沸かせた白熱の一夜の模様をお届けする。

■サプライズの『紅白』出場　会場一体となって盛り上げる

　場内が暗転し、ステージを照らすブルーの照明とともに「東京VICTORY」が流れ始めると客席からは歓声と手拍子。楽しそうにリズムに乗りながらメンバーが登場すると大歓声が起こった。ステージに立ったメンバーは、ファン同様、待ちに待った“ホーム”での年越しライブを心底楽しんでいる様子だった。初っ端から「Big Star Blues（ビッグスターの悲劇）」、「フリフリ’65」、「希望の轍」とアップテンポな曲が続く。手拍子とたくさんの歌声が響く客席に桑田が呼びかければ、ファンも大声で応える。最初のMCでは、「9年ぶりの横浜アリーナにサザンオールスターズ、帰ってまいりました！みんな今年はいろんなことあったと思うけど、サザンに会いに来てくれてありがとう！」とあいさつした。

　この日のライブは、テーマ別のパートに分かれて進行。まずは「ちょっと懐かしの選曲コーナー」と題して、「気分しだいで責めないで」「メロディ（Melody）」「鎌倉物語」など、1970〜1980年代を中心としたナンバーを歌った。次のMCでは、桑田が “年越しの儀”は計算してて大変なのよ。最後に「勝手にシンドバッド」やります。ジャーン!!　ここで年越しを迎えたい！」と、年越しの瞬間の内容をネタばらし。そこに向けた秒単位での時間の制約に、「時間ないのでもろもろカットです」と駆け足でメンバー紹介を済ませ、驚きと喜びに沸いている観客をしり目にそそくさと次のコーナーへ。その後も「ちょっとだけ新しめの選曲コーナー」「とある港町の物語コーナー」など、ファン垂涎の楽曲が続く。「LOVE AFFAIR〜秘密のデート〜」では、桑田がステージバック席の女性客を呼び込み、“秘密のデート”を楽しむ場面もあった。

　ここで『紅白』の中継が入ることになり、桑田は「みんな盛り上がってね。俺たち長年やってる見栄があるから！」と笑わせつつ“ちょびヒゲ”をつけて待機。会場と中継がつながるとファンは精一杯の声援でエールを送ったが、サザンオールスターズとしての『紅白』出場は31年ぶりという情報にはどよめきが起こった2013年発売の「ピースとハイライト」のイントロが流れ始めると観客の腕に巻かれた腕時計型のLEDライトが一斉に光り出し、2曲目の「東京VICTORY」では天井のLEDライトのカラーとリンクして会場全体が光の海に包まれたような感覚に。メンバー、ファンが一体となって特別な時間を盛り上げた。

■「勝手にシンドバッド」でカウントダウン！絶妙のタイミングに大歓声

　『紅白』中継が終わると、その名も「時間調整のコーナー」を実施。桑田とセクシーダンサーとの賑やかな絡みでも沸かせた「BOHBO No.5」、会場が一体となった掛け声で盛り上がりを見せた「ボディ・スペシャルII（BODY SPECIAL）」と、ハイテンションなナンバーで盛り上げる。そして「勝手にシンドバッド」で一気にクライマックスへ。あとわずか数分という緊張の時間帯、＜今何時　そうねだいたいね＞＜今何時　まだ早い＞というおなじみの歌詞のコール＆レスポンスがより一層真実味を帯びる。スクリーンに「SAYONARA 2014　今年もありがとう！」の文字が浮かぶなか、約20秒前に楽曲が終了し、待ちに待ったカウントダウン。最高潮の盛り上がりで2015年の始まりを迎えた。

　アンコールのMCで桑田は、「こうやって来てくださる皆さんがいるから、2014年もやってこれました。2015年は恩返しができたらと思っています」と、感慨深い様子であいさつ。この日のライブでは、ファンやスタッフ、メンバーに繰り返し感謝の気持ちを伝えていたことが印象的だった。最後にも「みんなと会えるのがこんなに幸せって気づかなかったね。助けてもらって生かされてるって、しみじみ感じました」と話していた。1978年に「勝手にシンドバッド」でデビューしてから36年。日本を代表する国民的バンドとしての揺るぎない地位を確立したが、それも多くの人との強い絆があってこそだ。3月31日には約10年ぶりのオリジナルアルバムの発売、さらに4月からは5大ドームを含む大規模な全国ツアーも控えている。2015年、サザンオールスターズの「進撃」に引き続き期待したい。

■サザンオールスターズ　2015年全国ツアー日程
・4月11日(土)・12日(日) 　愛媛県武道館
・4月18日(土)・19日(日)　 宮城・セキスイハイム・スーパーアリーナ
・4月25日(土)・26日(日) 　広島グリーンアリーナ
・5月2日(土)・3日(日) 　朱鷺メッセ・新潟コンベンションセンター
・5月16日(土)・17日(日) 　京セラドーム大阪
・5月23日(土)・24日(日)・26日(火)　 東京ドーム
・6月6日(土)・7日(日) 　札幌ドーム
・6月13日(土)・14日(日) 　ナゴヤドーム
・7月4日(土)・5日(日) 　福岡・ヤフオク!ドーム
・7月19日(日)・20日(月・祝) 　沖縄コンベンションセンター