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年間ランキングでAKB48グループ2番手に! 乃木坂46躍進に迫る

 AKB48、嵐の上位2強は変わらなかった2014年の年間シングルランキングだが、割って入る勢いを見せたのが、AKB48の“公式ライバル”として2年前にデビューした乃木坂46。8位の「何度目の青空か?」を始め10位、11位にもランクイン。すべて50万枚越えを記録した。AKB48の姉妹グループでは13位のSKE48「未来とは?」が最高位で、ライバルの妹たちを追い抜いた形だ。この躍進の裏には何があったのか?

■アイドルファン以外の心をもつかんだ“清楚感”

 2年前に2ndシングル「おいでシャンプー」をリリースした際、総合プロデューサー秋元康氏のツルのひと声で振りが変更になったことがあった。間奏でスカートを自らたくし上げて踊るところだ。「キュートだけど乃木坂46のコンセプトに合わない」と。当時は、デビューしたばかりの乃木坂46のコンセプトが一般に伝わっていなかったが、今なら秋元氏の指摘が納得できるほど浸透した。そのコンセプトとは私立のミッション系女子高を思わせるような“清楚感”。スカートも膝丈と、AKB48を始めミニスカートが主流の他のアイドルグループと一線を画した。水着グラビアもやらない。それがアイドルファンには新鮮だった。肌露出が少ないゆえの特別感があったのだ。

 さらに楽曲もノスタルジックなまでに清涼感の高い王道のアイドルソングを基本にしている。AKB48の楽曲はアイドルソングというより普通のJ-POPに近い。乃木坂46の楽曲は、よりアイドルファンのツボを突いてきたのだ。「夏のFree&Easy」などでJ‐POP路線に行ったこともあったが、1周回って王道をグレードアップしたような「何度目の青空か?」で、過去最高のセールスを記録した。

 そして何より、メンバーたちのたたずまいが清楚だ。元より美形揃い。今年4月、AKB48のレギュラー番組『AKBINGO!』(日本テレビ系)で、チームKと乃木坂46の対決企画をしたが、「胸キュンフレーズ」でときめかせる勝負で、チームKメンバーは「勝てる気がしない…」とこぼし、実際に乃木坂46メンバーにはクラスで一番の美少女に声を掛けられるような“胸キュン度”が高かった。そしてそんなきれいな女の子たちが、握手会では清楚を地で行く神対応をしてくれる。その対応はスタッフさえも「1日3000人と握手して、数秒のコミュニケーションの中で名前や会話の内容まで覚える。気持ちを込めているからできるんでしょうね」と感心するほど。AKB48を入り口にして、乃木坂46のファンになる人が多いことも頷ける。

 もちろん、そんな対応は今年になって始めたことではないが、乃木坂46はAKB48グループと違い常設劇場を持たないので、ファンがメンバーと直接触れ合う機会は、CD発売時の握手会ぐらい。その“プレミア感”が、握手会での触れ合いの価値を高めているのだ。評判は少しずつ広まり、ファンが徐々に増えていった。

■グループの顔を浸透させた“交換留学”制度

 そして2014年に乃木坂46の人気が加速した理由のひとつに、AKB48グループとの“交換留学”がある。アイドルグループがブレイクするには、やはりグループの“顔”が必要。AKB48では前田敦子や大島優子がその役割を担ったように。乃木坂46ではデビュー曲から5thまでセンターをつとめた生駒里奈が同様の存在だが、2月に行われた「AKB48グループ大組閣祭り」で、彼女が松井玲奈(SKE48)との“交換留学生”として、AKB48チームBと兼任することが発表された。それまで乃木坂46の活動は48グループと一線を引いていて、ファンの間でも賛否の論争が起きたが、大組閣の中でも一番のサプライズとして報じられた。

 生駒はチームB公演出演のほか、選抜総選挙にも参加して14位となり、AKB48の選抜メンバーにもなった。そうした活動を通じて、生駒の知名度は一段上に高まった。一方、「HTC J butterfly HTL23」CMでは白石麻衣をメインに据えて、大量オンエア。グループ初のソロ写真集も篠山紀信撮影で発売した。生駒との2枚看板化を図ったのだろう。そうした人気メンバーの動きと同時に、選抜落ちしたメンバーによるアンダーライブも評判となる。7月(AiiA Theater Tokyo)、10月(六本木ブルーシアター)と開催。7月は2日間だったが、好評を受けて10月は12日間18公演まで拡大した。

 もともと乃木坂46は主力メンバー以外も、他のグループなら中心にいそうな美形ぞろいで、“ハコ推し”のファンが多い。CDのカップリングに収録されるアンダー曲も名曲揃いで、アンダーメンバーにも活躍の場を……と、最初はCD特典として始まった。その結果、常設劇場を持たずライブが少なめなだけにファンにも喜ばれて、アンダーメンバーのファンも増やした。12月に2日間に渡って有明コロシアムで行われた乃木坂46のクリスマスライブ前日には、そのアンダーメンバーによるアンダーライブ2ndシーズンのファイナル公演も同じ会場で開催された。それまでの会場がキャパ800人、有明は10倍の8000人で動員が危惧されたが、見事にアンダーだけで満員になった

■AKB48の“真のライバル”となり得るか

 こうしてみると、2014年の乃木坂46の飛躍はAKB48との接点が増えたことでそのコンセプトがより明確になり、幅広い層に浸透したことが大きいようだ。ファンになる入口が増えて、乃木坂46の人気は底上げされた。来年1月7日には1stアルバムを発売。2月22日にはデビュー3周年記念公演をAKB48グループも立った西武ドームで行う。勢いはいまだ上向き。来年はいよいよAKB48の“真のライバル”として、セールス面でもさらに拮抗してくるかもしれない。ただファンの間では、そんな競い合いより、乃木坂46の美しく清廉な世界を守ってほしいとの声も意外と強いようだ。

(文/斉藤貴志)



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