• ホーム
  • 音楽
  • プロデューサーが語る“紅白”の意義「音楽が細分化する中での“最後の砦”」

プロデューサーが語る“紅白”の意義「音楽が細分化する中での“最後の砦”」

 いよいよ間近に迫ってきた『NHK紅白歌合戦』。今年も司会者、そして出演者と順次発表されるたびに話題が盛り上がっている。さて、今年の紅白は一体どのような内容になるのだろうか? ORICON STYLEは『紅白歌合戦』のチーフ・プロデューサーであるNHK・柴崎哲也氏に取材を試みた。

■その年の雰囲気をあらわす番組に変貌してきている

――NHKで制作をやっている方にとって、『紅白歌合戦』のプロデュースというのは別格の重みがあるのではないですか?
【柴崎】 特にそういうことはないです。あくまでも順番というか……。今年は自分の番なんだなという感じですね

――幼少のころに『紅白』をご覧になっていたと思うんですが、その頃に印象深かったシーンがあったりはしますか?
【柴崎】 見ていたと思うんですけどね。そんな風に見たことはなかったな。特に思いつかないですね。

――今年の『紅白』のテーマは「歌おう。おおみそかは全員参加で!」ということですが、1年を振り返りみんなで歌おうという時に、1年間のヒット曲だけでは番組を構成しにくい状況が続いています。その辺はどう考えますか。
【柴崎】 ヒット曲は昔にくらべると少なくなっているとは思います。ヒット曲はあった方がいいですが、こればっかりは仕方がないですよね。『紅白』全体はヒット曲があろうがなかろうがその年の雰囲気をあらわす番組に変貌してきているとは思います。

――演出上で気をつけていることは?
【柴崎】 出演者の魅力を最大限に引き出そうと思ってやっています。あくまでも歌手の方に場を提供して視聴者の方との交流を取り持つ場というかメディアというか、そういう役割が色濃い番組なのではないかなと思います。

――出演者の魅力をひきだすために気をつけていることはありますか?
【柴崎】 普通にきちんとコミュニケーションをとりながら、臨機応変に対応していくことでしょうか。

■みなさんに驚いてもらえる演出を用意している

――『紅白歌合戦』の役割は昭和と今とでは変化していると思いますか?
【柴崎】 めざすところは、大きくは変わっていないと思います。ただ、細かいところは変わっていると思います。大みそかという特別な日の番組だということは、65年前も今も変わっていないところじゃないですか。ただ、やっぱり音楽が細分化したり家での過ごし方が変化したりしていくなかで、何か最後の砦というか、『紅白』はもう少しある種の一体感というか安心感というものを提供する番組であり続けられたらいいなと思いますね。

――『紅白歌合戦』は、一貫して、その時代時代で斬新なことをやってきましたよね。
【柴崎】 基本はエンタテイメントなので、ワクワクしてもらったりびっくりさせたりすることはいつの時代も必要です。それは時代にかかわらずチャレンジしていかなければならないことだと思っています。

――今年の演出でのチャレンジはあるのですか?
【柴崎】 ありますね。でも、それはここでは言わない方が良いでしょう。

――最近は演出上で大画面のLEDモニターを使用するケースが多くなって、作りこんだ大きなセットを大転換させる醍醐味が、だんだん減っているように思いますが、これは時代の流れですかね。
【柴崎】 演出のツールとして、その時々に最適なものを選んでいるつもりです。

――今年は、この人の演出はすごいぞというところを教えてもらえませんか?
【柴崎】 それは、本番をお楽しみにしていただければ。相当みなさんに驚いてもらえる演出をやるつもりですから。

――それでは最後にPRをお願いします。
【柴崎】 まだ打ち合わせ段階なので、なんとも言えないんですけど。面白くなると思いますよ。とにかく、すばらしいエンタテイメントを作るだけです。期待していただければと思います。

【プロフィール】
柴崎哲也(しばざき てつや)
NHK制作局 第2制作センター エンターテインメント番組部 チーフ・プロデューサー
1968年生まれ。
1992年、NHK入局。
エンターテインメント番組部、大阪放送局制作部などを経て、『ポップジャム』や『ミュージック・ポートレイト』、『夢音楽館』などの番組を担当。現在は、『SONGS』の制作に携わる。



オリコントピックス