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優しく日常に溶け込む「大学生のボランティア活動」

 1995年1月17日に発生した阪神・淡路大震災から来年で20年。同震災は被害の大きさに胸を痛めた全国の一般市民が多数被災地を訪れ災害復旧・支援活動を行ったことでも知られており、これを契機にボランティア精神が広く浸透していったことから、同年は「ボランティア元年」と言われている。それから20年が経ち、ボランティア活動は災害時にかかわらず、日常にも優しく溶け込んでいる。学生のボランティア活動支援を行っている摂南大学(大阪府寝屋川市)には複数のボランティア組織があり、代表されるふたつのボランティア組織に話を聞いた。

◆過疎化の町を盛り上げる地域密着型ボランティア

 外国語学部教授の浅野英一先生を中心とした「ボランティアスタッフズ」は、プロジェクトごとに3年生が2人ずつ「司令塔」として配置され、自治体やNPO、地域との交渉を含む企画から運営まで、チームの中心となって全体を動かす。地元寝屋川市の桜小学校で毎夏行われる臨海学校での引率や、高齢化が進む和歌山県すさみ町に暮らす独居老人の「見守り隊」、伝統行事の復興など、地域密着型の日常的なボランティアを行っている。

 4年生になると後輩たちが間違った方向に進んでいないか見守る役を担うが、4年生の柳健志さんは「1、2年のうちはただ楽しいだけでしたが、学年が上がるごとに意識が変わります。3年の司令塔でしごかれて、4年になれば後輩を見て、“先輩らもこんな歯がゆい思いをしていたのか”と…(笑)」と苦笑い。この会社組織のような役割分担と苦労が、卒業後の社会でも生きてくるという。浅野先生も「ここで鍛えられた子は、すぐに就職が決まります。面接でのアピールは『私はこれがしたい』ではなく『私はこれができます』。彼らは私の誇りですよ」と笑顔を見せる。

◆おおさか環境賞「大賞」を受賞 水辺を守る活動

 おおさか環境賞では大賞を受賞したほか、東京で開催された「第7回いい川・いい川づくりワークショップ」でも準グランプリを獲得した「エコシビル部」は、理工学部を中心とした組織だ。主に淀川水系を中心に、川の清掃を始め、植物や魚などの外来種駆除、Eボートを使った親水活動などを行い、水辺を守る活動に取り組んでいる。

 毎月1回の清掃活動のほか、地域の大規模清掃では何週間も前から準備に参加して、地域の年配者の方たちではできない力仕事を担う。「まったく行く機会がなかった川で、今、こんなに活動していることがなんだか不思議です。毎月1回、自治体や市民団体の会議に出席したり、みんなを引っ張っていく役割は大変でしたが、あっという間の3年間でした」と語るのは兼久卓也さん。萩原麻樹さんは「自治体や地域の大人の方たちと話し合う機会が多いので、コミュニケーション能力もつきました」と笑う。

 これら活動に携わっている学生たちに共通しているのが、このボランティア活動を楽しんでいるということ。楽しみながら地域の役に立ち、自らのコミュニケーション能力や思考力を養う同取り組み。学生たちにとっても街にとっても、明るい未来を育てている。



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