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月川翔監督が明かすWEB限定映像の制作秘話とは

 ネスレのチョコレートブランド「キットカット オトナの甘さ」のWEB限定ショートフィルム『ビタースウィート〜オトナの交差点〜』で監督を務めた月川翔氏が、ORICON STYLEのインタビューに応じた。「ネスレシアター on You Tube」では、人気と実力を兼ね備えた注目の映画監督が制作した質の高い作品をインターネット上で無料公開。半年間で1,000万視聴を突破し、話題となっていた。月川監督が手がけた今作は、10月の公開から全篇で200万視聴を達成。その観どころや制作秘話について語る。

WEB限定ショートフィルム『ビタースウィート〜オトナの交差点〜』で監督を務めた月川翔氏

WEB限定ショートフィルム『ビタースウィート〜オトナの交差点〜』で監督を務めた月川翔氏

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ミッキー・カーチス、70歳超えて初挑戦も!

――今回の作品コンセプトについて教えてください。
【月川】 これまでキットカットが提唱してきた<Have a Break,Have a KitKat>というキャッチフフレーズは多くのかたに浸透していると思うのですが、そのブレイクをテーマにした映画を作ってくださいというオーダーをいただきました。最初は“ちょっとした休憩のことですか?”とか僕のなかで具体的にどういうものを描いたらいいのか漠然としていました。それで、ネスレの高岡社長に質問をしたのですが、岩井俊二監督の『花とアリス』キャンペーンの際に“あなたのブレイク”をテーマにした写真を募集したことがあり、空の写真やお風呂の写真……みなさんから送られてきた写真を並べて見たときに「日常生活のストレスからの開放」に行き着いたというお話をしてくださって。ただ「日常生活のストレスからの開放」といってもその方法には多様性があるというところで、ひとつに限定せずにいくつかの話を作ってみたいと思い、4つの物語を制作することになりました。

――1篇の上映時間は20分前後と短いとはいえ、4つのストーリーを撮影するのは大変だったのではないですか?
【月川】 毎回登場人物が変わるので、大変でした。何よりミッキー・カーチスさんが4篇をつなぐ上で重要な役どころで、ミッキーさん演じるタクシー運転手が話す架空の言語だったり、最初は方法論が見つからず、模索しているような状況が続きました。撮影は「春子篇」から行ったのですが、ミッキーさんの台詞は台本にはなく、すべてアドリブ。いつ台詞が終わるのかわからないなかで、タイミングを見計らいながらその言葉にきちんと反応しなければならないという意味では、本仮屋さんはすごく大変だったと思います。リハーサルを行っても、本番では全く違う台詞になってしまうので、そのズレを最小限に留めるために、リハーサルではわかりやすく日本語にして、そこでつかんだ感覚を本番で活かせるようにしたりと、撮影していくうちに方法論が見つかって、「冬子篇」の撮影では、スムーズにいくようになりました。

――架空の言語というのも月川監督の考えたアイディアだったんですか?
【月川】 ミッキーさん演じるタクシー運転手は、主人公以外には見えない設定なんです。なので、登場人物にだけにわかる言語にしました。そもそもミッキーさんは5ヶ国語が話せるので、「上手く組み合わせてなんとかならないですか?」って無理なお願いをして、誰が聞いてもわからない架空の言語を作ってもらいました。

――完全なるミッキー言語、独自の世界観が構築されていましたね。
「出演オファーをしたときに、ミッキーさんから「70歳超えてこんなの初挑戦だよ」と言われ、撮影が終わったときには「この役、俺以外に誰ができたんだよ」って(笑)。まさにミッキーさん以外考えられなかったと改めて思いましたね。


◆無料で見れる手軽さも、だからこそファーストカットに一番力を注ぎました!

――今作で本仮屋ユイカさんやKさんをキャスティングした理由は?
【月川】 ターゲットであるオトナの女性たちが誰だったら共感してくれるかというところを一番に考えました。まじめで仕事熱心な女性がどうしてもこの物語に必要だと思い、真っ先に浮かんだのが本仮屋さんだったんです。Kさんは、主題歌をお願いすることが先に決まり、そのやりとりしていくなかで、いつの間にかKさんをあて書きしながら物語を描いていました。それで、「出てもらえないですか?」とオファーしたところ、「演技は初めてなんですけど大丈夫ですか?」と言われ、「ぜひお願いします」と出演してもらうことになりました。

――監督から見て、役者としてのKさんはいかがでしたか?
【月川】 本当に何の気負いもなく現場に来てくださって、撮影も順調に進みました。演技が初めてというのが信じられないぐらい、とにかく自然体でしたね。Kさんは「秋子篇」で、専業主婦の妻に浮気を疑われるミュージシャンの夫役を演じてもらったのですが、妻役の遠藤久美子さんから「歌もお芝居も両方できてうらやましい〜」と絶賛されていました。

――Kさんで印象的なシーンといえば?
【月川】 Kさんがシャワーを浴びるところですかね(笑)。正直、現場で僕が一番笑っていたと思います。

――初めての演技でありながら、さまざまなことに挑戦されていましたよね。
【月川】 どのシーンも違和感なく演じてくださり、改めてKさんの多彩な魅力を僕自身、感じさせていただきました。

――月川監督が選ぶ今作の見どころ、注目シーンは?
【月川】 インターネットで無料で観られるという手軽さはありますが、みなさんのお忙しい時間の中で全てを観ていただくのは容易なことではないと思うんです。なので、この物語を観たいと思って頂けるように、ファーストカットに一番力を注ぎました。もちろんショートフィルムとして1話1話を楽しんでいただくことはできますが、1本の長編映画のつもりで描いているので、その思いをファーストカットに込めました。

――主人公が全く異なるキャラクターなのに、それぞれに共感、感情移入できるのもすごいなと。さらに、意外なところで4つのストーリーがつながっているので、通して見てみると、いろんな発見ができるのも今作の醍醐味ですね。
【月川】 この物語は、ただ幸せな話ではなく、きわめてビターでありながらユーモアも交えつつ、最後はちゃんと一歩前へ踏み出せるようなメッセージ性もあるので、ぜひオトナの女性はもちろんですが、たくさんの方に見て、楽しんでいただけたらと思います。

(文:星野彩乃)

◆本仮屋ユイカ出演の「春子篇」ショートフィルム

★「キットカット オトナの甘さ」 キャンペーンサイト
http://nestle.jp/brand/kit/otoama2014/


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