これまで処方された薬の情報を記載し、同じ薬効の薬を複数飲んでいないか、飲み合わせは問題ないか等を医師や薬剤師が事前にチェックできるお薬手帳。ところが、薬局に行くときに限って、持ち忘れていたりする。昨今では「紙」に代わり、スマートホンをお薬手帳にできてしまう「アプリ」も続々登場している。これなら忘れることはないから、お薬手帳としての役割を存分に発揮してくれる。ということで今回は、実際に「電子お薬手帳」の使い勝手を検証してみることに。
■アプリで管理 「電子お薬手帳」とは?
数あるアプリから選んだのは、アイセイ薬局の『おくすりPASS』。今年の5月にローンチされ、日本橋室町店でシステムの実証実験が進められており、今月20日からは30店舗にその範囲を拡大。来年度中には300を超える全国のグループ全店舗に導入する予定だ。さっそくアプリをダウンロードして、日本橋室町店を取材訪問した。
薬局での使い方は簡単。自分のスマホを薬剤師に預ける必要はなく、アプリの中のQRコードを受付のiPadを使ったモニターにかざせばOKだ(実際には、同時に病院からの処方箋を提出)。これで自分のお薬手帳データはシステム上に共有され、薬剤師はこのデータをタブレットでチェックしながら調剤を行う。そして待つこと数分。カウンターで薬が渡されると同時に、アプリのなかに、その日に調剤されたお薬のデータが自動送信される。
■飲み忘れ防止も! 『おくすりPASS』ならではの便利機能
紙のお薬手帳なら、処方薬の履歴を残しておしまいだが、このアプリのすごさは、実はここから。ひとつ目が、「リマインダー機能」。アプリの中の「ライフサイクル設定」で自分の起床時間や朝食時間などを設定しておくと、それに合わせて服用タイミングを教えてくれる。データには、「毎食後」とか「寝る前」といった服用タイミングがあらかじめ設定されていて、ライフサイクル設定と連動しているのだ。
同社マーケティング本部の岩崎朋幸さんは、この機能を入れた理由と成果について「薬は飲みきることを前提に処方されているのですが、飲み忘れたり、途中でやめてしまったりすることが多々起こっているのが現状です。日本橋室町店でのアプリ利用者アンケートでは、およそ3人に1人が、『薬の飲み忘れがなくなった・減った』とお答えいただいてます」と話す。
独自の機能はこれだけではない。お知らせが来た薬を飲んだら、その薬の表示をタップすると、服薬達成率と、服薬忘れによるムダになった薬代を表示してくれる。がぜん、ちゃんと飲まなければという気にさせてくれる。服薬状況や残薬状況を把握することができる点についても、岩崎さんは「飲み残しの薬を再利用して、次に処方された薬の量を調整することもできます。ムダがなくなり、ひいては日本の医療費削減にもつながります」と語る。
■健康をアプリで支える 進化し続けるユーザー目線の機能
便利なところは、まだある。スマホ1台につき8名まで登録できるので、例えば子どもの薬が気になる母親にはもってこいだし、処方せんのFAX送信機能を使えば、薬局での待ち時間も短縮できる。さらには、健康診断などの検査データも登録できるので、よりよい治療を行うために活かすことができる。しかも同社は、まだまだ利便性を高めようと考え続けている。
「いままでは、一つひとつの薬ごとにリマインダー設定が必要でしたが、次のVer.2.0のアップデートでは、ひとつの薬袋に入った複数の薬をまとめて一括設定できるようになります。また、いちばんのお薬手帳ユーザーである年配の方からも、さまざまなご意見を頂戴しています。要望に応えるべく、年末から年明けにもメジャーアップデートを予定していて、今期の開発スケジュールはびっしりです。まさに、『走りつづけているプロジェクト』です」(岩崎さん)。
ユーザビリティを第一優先に考えられた同アプリ。こういうアプリがどんどん広がっていけば、日本の医療問題もずいぶん変わっていくのではないだろうか。
■アプリで管理 「電子お薬手帳」とは?
数あるアプリから選んだのは、アイセイ薬局の『おくすりPASS』。今年の5月にローンチされ、日本橋室町店でシステムの実証実験が進められており、今月20日からは30店舗にその範囲を拡大。来年度中には300を超える全国のグループ全店舗に導入する予定だ。さっそくアプリをダウンロードして、日本橋室町店を取材訪問した。
薬局での使い方は簡単。自分のスマホを薬剤師に預ける必要はなく、アプリの中のQRコードを受付のiPadを使ったモニターにかざせばOKだ(実際には、同時に病院からの処方箋を提出)。これで自分のお薬手帳データはシステム上に共有され、薬剤師はこのデータをタブレットでチェックしながら調剤を行う。そして待つこと数分。カウンターで薬が渡されると同時に、アプリのなかに、その日に調剤されたお薬のデータが自動送信される。
■飲み忘れ防止も! 『おくすりPASS』ならではの便利機能
紙のお薬手帳なら、処方薬の履歴を残しておしまいだが、このアプリのすごさは、実はここから。ひとつ目が、「リマインダー機能」。アプリの中の「ライフサイクル設定」で自分の起床時間や朝食時間などを設定しておくと、それに合わせて服用タイミングを教えてくれる。データには、「毎食後」とか「寝る前」といった服用タイミングがあらかじめ設定されていて、ライフサイクル設定と連動しているのだ。
同社マーケティング本部の岩崎朋幸さんは、この機能を入れた理由と成果について「薬は飲みきることを前提に処方されているのですが、飲み忘れたり、途中でやめてしまったりすることが多々起こっているのが現状です。日本橋室町店でのアプリ利用者アンケートでは、およそ3人に1人が、『薬の飲み忘れがなくなった・減った』とお答えいただいてます」と話す。
独自の機能はこれだけではない。お知らせが来た薬を飲んだら、その薬の表示をタップすると、服薬達成率と、服薬忘れによるムダになった薬代を表示してくれる。がぜん、ちゃんと飲まなければという気にさせてくれる。服薬状況や残薬状況を把握することができる点についても、岩崎さんは「飲み残しの薬を再利用して、次に処方された薬の量を調整することもできます。ムダがなくなり、ひいては日本の医療費削減にもつながります」と語る。
■健康をアプリで支える 進化し続けるユーザー目線の機能
便利なところは、まだある。スマホ1台につき8名まで登録できるので、例えば子どもの薬が気になる母親にはもってこいだし、処方せんのFAX送信機能を使えば、薬局での待ち時間も短縮できる。さらには、健康診断などの検査データも登録できるので、よりよい治療を行うために活かすことができる。しかも同社は、まだまだ利便性を高めようと考え続けている。
「いままでは、一つひとつの薬ごとにリマインダー設定が必要でしたが、次のVer.2.0のアップデートでは、ひとつの薬袋に入った複数の薬をまとめて一括設定できるようになります。また、いちばんのお薬手帳ユーザーである年配の方からも、さまざまなご意見を頂戴しています。要望に応えるべく、年末から年明けにもメジャーアップデートを予定していて、今期の開発スケジュールはびっしりです。まさに、『走りつづけているプロジェクト』です」(岩崎さん)。
ユーザビリティを第一優先に考えられた同アプリ。こういうアプリがどんどん広がっていけば、日本の医療問題もずいぶん変わっていくのではないだろうか。
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2014/11/21