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庵野氏発案の短編アニメ企画「声の出演は二人だけ」

 「ニコニコ動画」などのサービスが人気のドワンゴと、アニメ『新世紀エヴァンゲリオン』などの庵野秀明氏が代表取締役社長を務めるスタジオ、カラーが共同でスタートさせた短編アニメ企画「日本アニメ(ーター)見本市」。同企画の立案者である庵野氏たっての希望により、全作品の“声”を人気実力とも兼ね備えた山寺宏一林原めぐみが担当している。

短編アニメシリーズ企画「日本アニメ(ーター)見本市」第2弾作品『HILL CLIMB GIRL(ヒルクライムガール)』(C)2014 nihon animator mihonichi, LLP.

短編アニメシリーズ企画「日本アニメ(ーター)見本市」第2弾作品『HILL CLIMB GIRL(ヒルクライムガール)』(C)2014 nihon animator mihonichi, LLP.

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 さまざまなディレクター陣が、決められた予算と時間の中で、オリジナル企画・スピンオフ企画・プロモーション映像・音楽ビデオなど、ジャンルを問わず自由に短編アニメーション作品を制作し、毎週金曜日に1作品ずつWEBで公開していく同企画。

 庵野氏は「声の出演は二人だけにする」と決めた。アニメーション作品において“声”が担う役割は大きい。しかし、「作品ごとの統一性を一切無用とするオムニバス短編集として企画しています。その実現化の際に、映像画面はバラバラでもいいけど声はどうする、という問題がありました。作品ごとに必要なキャストを毎回そろえる事態は、スケジュール的にも予算的にもまるで現実的ではないからです」と悩んだことを明かす。

 そこで思い付いた解決策が「キャストを男女2人に絞って、全ての登場人物の声を演じてもらうというものでした」と意図を説明。「その方法で全話をこなしたアニメ番組の成功例もあるから大丈夫」とプロデューサーを説得し、声の出演に山寺と林原を指名して周囲を納得させたという。

 山寺と林原は、漫画家の安野モヨコ氏が夫である庵野氏との結婚生活を描いたエッセイコミック『監督不行届』のアニメ版でも、庵野氏の鶴の一声でキャスティングされており、今回も「次々と完成しつつある作品の声を聞きながら、その直感は正しかったと実感しています。やっぱ、巧いです。すごいや、あの二人!」と庵野氏からの信頼は厚い。

 10日に配信されたニコニコ生放送『日本アニメ(ーター)見本市-同トレス-』の番組に寄せて、山寺は「素晴らしい企画! さすがカラーさん! 注目を集めれば、そこから才能あるクリエイター達が世界に羽ばたいて行くことでしょう!声は二人? そりゃ大変ありがたいし、林原さんとなら面白いと思うけど、全部ってのは無理があるんじゃない? そのせいで作品の足引っ張る事になりゃしないか? いや、庵野さんがそう言うなら喜んでやらせていただききます」とコメント。

 林原は「出た!!と思いました。そういう役回りかと、我々は…。光栄です…たぶん。本当に…」と受け止めつつ、「壮大なパイロットフィルム制作にお付き合いするということと理解し、キッズアニメも、萌え?も、グラフィックスも、歴史物も、日本のアニメの幅の広さ、奥行き、個々の才能、技術、などなどを、ある意味、即行、世界に発信するにはネットはもってこいですものね。日本のアニメ(スタジオカラー制作の)世界へのプレゼン?と私は理解しました…違う?」と“野望”に思いを馳せた。

 今月7日より第1弾作品『龍の歯医者』(監督:舞城王太郎、アニメーション監督:鶴巻和哉)が配信中。第2弾作品として、アニメ『監督不行届』などを手がけたDLEの谷東監督と3Dディレクターの宮城健氏がタッグを組んだフル3DCGアニメーション『HILL CLIMB GIRL(ヒルクライムガール)』が控えている。

■日本アニメ(ーター)見本市
http://animatorexpo.com

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