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8万人以上を動員する巨大イベントへと進化した「アニサマ」の魅力

 昨年は8万人以上を動員する巨大イベントへと成長したアニソンの祭典「アニメロサマーライブ」。今年も「アニメロサマーライブ2014-ONENESS-」として8月29日、30日、31日の3日間、さいたまスーパーアリーナで開催される。今年は記念すべき10回目。近年、大型の音楽イベントが増える一方、数年で終了してしまうイベントも少なくないなか、長く愛され続けてきた理由はどこにあるのだろうか。ジェネラルプロデューサー・齋藤光二氏とステージプロデューサー・森田純正氏の話をもとに探っていく。

昨年の「アニメロサマーライブ」3日目の様子

昨年の「アニメロサマーライブ」3日目の様子

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 今年の「アニメロサマーライブ」(以下、「アニサマ」)のテーマは「ONENESS」。これは2005年の第1回目のテーマソングのタイトルでもあり、「多種多様なアーティストが出演する中で、会場が一体となるパワー。これこそが「アニサマ」の変わらないスタンス」(齋藤氏)ということから、10回目となる節目のイベントのテーマとして掲げたという。その「アニサマ」ならではの一体感を生み出すポイントをいくつかまとめてみた。

■演出の徹底したこだわり

「1アーティストが持ち時間内で歌えるのは2、3曲。でも、ライブに足を運んだり、過去の映像作品を見たりして、まるでワンマンライブのような濃いステージになるよう作り込みをしていくんです」と齋藤氏。通常、音楽フェスは限られた時間内に数多くのアーティストが出演するため、個々のアーティストに合わせた大掛かりな演出などはあまり見られない。一方、アニソンの場合は作品など視覚面を含めてその世界観を楽しむことも多いため、「アニサマ」ではコアファンに満足してもらうために徹底的に事前リサーチを行い、個々のアーティストの普段のステージにできる限り近づけていくのだという。「出演アーティストさんが特別に映像制作をしてくださることもあります」(齋藤氏)。「舞台機構もバンバン取り入れています。そのぶん、時間もお金もかかりますけど(笑)」(森田氏)。

■アーティスト同士のコラボレーション

 「アニサマ」の見どころのひとつは、出演アーティスト同士のコラボレーション。この日だけしか観ることのできない豪華な組み合わせを楽しみにしているファンは多く、イベントが近づくにつれSNSなどで活発に予想が飛び交う。コラボレーションのポイントについて、齋藤氏、森田氏は「ただ人気者同士を組み合わせるだけではダメ」と口をそろえる。例えば2011年に栗林みな実とコラボレーションした黒崎真音は、「アニサマ」で栗林のステージを観たことをきっかけにアニソンシンガーを目指したことが知られているが、「ラインアップや演出は、様々な意図や必然性を感じていただけるようにしたいと思っています。アーティストのコラボレーションに関してもお互いが持っているストーリーがつながることが重要です」(齋藤氏)。

■“観る”のではなく“参加する”というファンの意識

 「「アニサマ」のお客さんはライブを観に行くというよりも、ライブに“参加する”という意識がとても強い」と話すのは森田氏。それを感じることができるのが、会場のファンが持参しているペンライトだ。誰に強制されるわけでもなく、アーティスト、楽曲によって一斉に同じ色に変わるペンライト。「参加して、一緒に楽しんでくれているからこそ、会場が一体となって、パワーが生まれるのだと思います」(森田氏)。齋藤氏が「一番の魅力は会場に足を運んで下さるファン」と話すのもうなずける。

 森田氏が「ひとつのパッケージとして成立しているという自負がある」と話す通り、この現場でしか体験することができない“一体感”“感情の共有”こそが、「アニサマ」がファンを惹きつけて止まない一番の魅力のようだ。すでに海外への「アニサマ」ブランドの進出も始まっているが、10年後、20年後、日本を代表する音楽フェスとして、世界各国から注目を集めるイベントへと進化していることに期待したい。
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