女子サッカーにみる、スポーツと教育

 サッカー女子アジアカップでの日本代表・なでしこジャパン初優勝のトピックに湧いたばかりの日本。間もなく男子サッカーのワールドカップも開幕するが、その盛り上がりを振り返ってみると、スポーツとは見るものに一体感を生み出し、不思議な結束と団結力、さらにパワーを与えるものということがよくわかる。プレイヤーにとってもそれは同様で、そこには人を成長させる多くの要素がある。そんなスポーツの特性を教育のなかで活かそうとする大学の試みがある。

 1966年創設の歴史ある大阪の追手門学院大学では、2013年度からスポーツ推薦入試をスタートさせ、女子サッカー部と女子ラグビー部を設立。2014年度からは、スポーツキャリアコースを開設し、「想像もしなかった自分史がはじまる」をスローガンに掲げ、人生の主役=自分を演出する、興味深い教育が行われている。

 高校までと違い、自発的な学びを求めるのが大学。しかしながら、その場にいきなりなじめる学生ばかりではなく、不安を抱えて戸惑ったり悩んだり、せっかくの大学生活のスタートから精神的な負のスパイラルに陥ってしまう学生も少なくない。その不安を取り除く仕組みとして追手門学院大学では、スポーツを教育として取り込んでいる。

 必ずしも積極的ではない学生に、それほど大きくはないけれど、でも今の自分の身の丈よりは少し大きい役割と課題を与える方法として、楽しみとやりがいを持って取り組めるスポーツは、とても受け入れやすい。チームという組織のなかで個人が力を出し切り、チーム内でのそれぞれの役割を果たすことの重要性を学び、それによって個も集団も「想像もしなかった」成長を遂げていくのがスポーツ。それを通して学生たちが、新たな自分、新たな大学の伝統を作り上げる演出をしている。

 追手門学院大学がスポーツを教育に取り入れているのは、もちろんスポーツを楽しむだけでも、人としての成長のためだけでもない。学生が、卒業後に社会で活躍するための実践的な能力を身につける教育として行っている。

 そこで学生が学び、身に付けることは、スポーツの場だけに限られるものではない。組織のなかでの個の役割、果たすべき責任、築きあげるチームワーク、導き出すべき成果の追求、そしてそこからの人格形成、人間力の構築――スポーツを通して学生たちが学ぶ数多くのことは、すべてが一般社会に出てからも役立つものであり、それぞれの将来につながるものだ。そこで身につけたものは、卒業後の学生たちのあらゆるシーンでの活躍に活かされていくことだろう。

 ちなみに追手門学院大学の女子サッカー部には、なでしこリーグ福岡・Jアンクラスなどで活躍した矢田貝実希子氏がヘッドコーチとして就任。大学では、特別強化クラブとして高いレベルでの選手育成に取り組み、まだ設立2年目ながら、今年は関西学生女子サッカー春季リーグ戦で開幕3連勝と好成績を残している。まずはスポーツの戦績で結果を残すことで、スタートしたばかりの“教育”の好調な出足を示している。

大学探検シリーズVol.1『追手門学院大学“誰もが想像もしなかった自分史に出会う大学”』

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