映画評論家らが優れた人材や作品を表彰する『第23回日本映画批評家大賞』の授賞式が28日、東京・丸の内のシャングリ・ラ ホテル東京で行われ、女優で歌手の大原櫻子（18）が初出演で主演を務めた映画『カノジョは嘘を愛しすぎてる』で新人賞を受賞。涙を流しながら初の映画賞受賞を喜んだ。

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　女優が夢だったという大原は「この賞を胸に、日本の女優として歌えて踊れて演じられるよう日常の場で日々鍛錬していきたいと思います。日本の映画に役立てるよう色とりどりの桜を咲かせる大原櫻子になりたいです」と元気にあいさつ。さらに、作品に関わったスタッフに感謝を伝えると、涙を堪えきれなくなり「この賞は一生の宝物でこんなに幸せなことはありません」と喜びを噛み締めた。

　『凶悪』『そして父になる』の2作品での演技が評価されて助演男優賞を受賞したリリー・フランキー（50）は、45歳のときに同賞の新人賞を受賞。「批評家という口うるさい方々に賞をいただけて励みになりました」と笑わせると、度重なる映画賞受賞に「幸運だったとしか言いようがない」と謙虚に喜んだ。

　夫・水谷豊（61）に誘われた『少年H』で32年ぶりに映画出演となった伊藤蘭（59）は、助演女優賞を受賞。夫婦共演は「ただただ楽しくやっていました」といい、「また10年後にまだお互いが元気で頑張っていれば（また共演が）実現するかも」と微笑んだ。

　『第23回 日本映画批評家大賞』受賞者一覧

作品賞：『舟を編む』
監督賞：吉田恵輔（『ばしゃ馬さんとビックマウス』）
主演男優賞：松田龍平（『舟を編む』）
主演女優賞：麻生久美子（『ばしゃ馬さんとビックマウス』）
助演男優賞：伊藤蘭（『少年H』）

新人賞：黒木華（『草原の椅子』）、大原櫻子（『カノジョは嘘を愛しすぎてる』）、星野源（『箱入り息子の恋』）
新人監督賞：中野量太（『チチを撮りに』）、白石和彌（『凶悪』）
ゴールデン・グローリー賞：加賀まりこ、吉行和子、ミッキー・カーチス
ダイヤモンド大賞：有馬稲子

ドキュメンタリー監督賞：『オース！バタヤン』
編集賞：井上秀明（『青木ヶ原』）

▼アニメーション部門
作品賞：『かぐや姫の物語』
監督賞：高畑勲（『かぐや姫の物語』）
功労賞：小島俊彦（『かぐや姫の物語』ほか）、 伊藤克已（『キタキツネの物語』ほか）

　なお、新人賞受賞の黒木華、アニメーション部門監督賞を受賞した高畑勲監督は、授賞式を欠席した。