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メディアにおける“ヒール”の需要〜“望む者”と“陥る者”の絶対的な差異

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 「憎まれっ子世にはばかる」。正義のヒーローが大衆の心を鷲掴みするのと同様に、いや時にはそれ以上に支持を獲得してしまう“ヒール”という存在。昨今の芸能界においても、有吉弘行坂上忍などの歯に衣着せぬ言動のヒールキャラが絶大な支持を集めている。また、形は異なるが「ゴースト騒動」で瞬く間にトップヒールに“陥った”佐村河内守氏や「ねつ造疑惑」でヒール的存在感が増す小保方晴子氏も、こと需要という意味においてはタレントをも凌ぐほどの渦を巻き起こしている。

■支持率ではヒールがベビーフェイスに勝利

 今回、ORICON STYLEでは10〜40代を対象に『タレントに求めるものは“ベビーフェース”か“ヒール”か?』というアンケート調査を実施。その結果、【ベビーフェイス】と答えたのは45.1%、【ヒール】と答えたのが54.9%と、ヒールの需要がベビーフェイスの需要を上回る結果に。

 【ベビーフェイス】を選んだユーザーの意見としては、「万人受けする方が、印象が良いから」(神奈川県/20代/男性)、「ヒールっぽくなると信者(コアなファン)が鬱陶しくなるよね。その人はいいけど信者が……」(愛知県/30代/女性)、「有吉さん的なヒールなら面白いけど、空気の読めないヒールは見ていてキツイ」(東京都/30代/男性)など、やはり“王道”として、まずはベビーフェイスありき! という考えが多い。

 対して【ヒール】を選んだユーザーの主な意見としては「孤高の道を歩いてる人に憧れる」(北海道/10代/女性)、「見ていて楽しい。一度好きになると、ずっと好きでい続けられるのは、こういうタイプが多い。飽きないから」(福岡県/10代/女性)など、媚びない姿勢や生き方に憧れを抱く傾向が強いようだ。

■毒舌に裏打ちされた有吉の“ヒール”としての説得力

 一概にヒールといっても、歯に衣着せぬ言動でまくし立てれば誰しもが支持を得られるという甘い世界ではないのは周知の事実。毒舌系タレントが流行っているからと、何らバックグラウンドを持ち合わせぬ者が、いきなり牙を剥いたところで視聴者は誰も相手をしてくれない。前述の有吉や坂上などは大ブレイク後に人気が急降下、いわゆる“どん底”を味わったからこそ、その毒舌に深みを与えている。それは辛口な言動で支持を得ているマツコ・デラックスにおいても同様のことが言える。マツコの場合は“同性愛”というマイノリティの道を歩んできた者だけが表現しうる深み、さらに男性と女性両方の気持ちを理解してくれるという“おかま枠”特有の視聴者に与える錯覚が支持の要因といえる。

 有吉や坂上、マツコらに共通するのは、自分が生きてきた過程やキャラクターを客観視しながら、自ら望んでヒール系タレントになったということ。自分に忠実であることを心情とし、そこに説得力が加味されることで絶大な支持を得ることが出来る――対して悲惨なのが、自らは望まぬままヒールに陥ってしまった著名人たちだ。

 “現代のベートーベン”と称されながら、ゴーストライターの発覚や虚偽の全聾(ぜんろう)などで総バッシングを受けた音楽家・佐村河内守氏。世紀の大発見といえるSTAP細胞で一躍脚光を浴びたかと思えば、ねつ造疑惑が判明し先ごろ緊急会見を開いた小保方晴子氏などはその代表格といえる。そのほかにも、不倫相手とのベッドシーンを元夫に目撃されるという漫画のような修羅場を露呈した矢口真里、実子の逮捕による番組降板や自身のセクハラ疑惑が浮上したみのもんたなども、“数字の取れるヒール”としてメディアからも重宝された。

 彼らに共通するのは、元々はベビーフェイス側にいた住人がジェットコースターのように急降下し、一気にトップヒールとして“図らずも”君臨してしまった点にある。なまじベビーフェイスとしてメディアに登場していただけに、一度信頼を失うとその反動は凄まじい。いわゆる清純派アイドルによるスキャンダル発覚からの“ヒール転向”などはその典型であり、まさにタレント生命にかかわる問題となる可能性が高い。

■“実はイイ人説”が浮上するヒールの利点

 ヒール系著名人は、その言動やブレない生き方が、時に諸刃の剣となる可能性もある反面、仮にスキャンダルが発覚してもベビーフェイス系著名人よりも“裏切られた感”が低いという利点がある。さらに普段から毒舌を吐いている分、時折優しい言葉を発すると、「本当は優しい人なのかも!?」という“実はイイ人説”が浮上する可能性も秘めている。逆に普段から正統派のベビーフェイスを売りにしている場合は、どうしても“引き算”でしか評価されないという哀しい現状も見受けられる。

 ベビーフェイスが存在するからこそヒールの存在意義があり、ヒールがいるからこそベビーフェイスが引き立つ……芸能界に限らずスポーツや文壇、政界など、あらゆるフィールドでも善玉と悪玉が存在するからこそ数々のドラマや渦が生まれるのは紛れもない事実。“過剰な応援”と“過剰な批判”は、まさに表裏一体なのだ。

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【調査概要】
調査時期:2014年3月6日(木)〜3月10日(月)
調査対象:合計1000名(自社アンケート・パネル【オリコン・モニターリサーチ】会員10代、20代、30代、40代の男女)
調査地域:全国
調査方法:インターネット調査



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